ホンダのCB400スーパーフォアが生産終了になるかも知れないというショッキングな情報が入ってきた。1992年にデビューし、来年30周年のロングセラーモデルは本当に終わってしまうのか? ヤマハのセロー250やSR400と同じように規制に対応しない場合、CB400SFの生産可能期間は残り2年を切っている。
CB400シリーズは、400ccクラスで長年トップセールスを誇ってきた絶対的な人気モデルだけに、存続させることはできないのか。その可能性も探ってみたい。
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文/市本行平(Webike)、写真/HONDA、YAMAHA
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CB400スーパーフォアの場合は令和2年排出ガス規制が関門に
CB400スーパーフォア及びカウル付きのスーパーボルドール(以下CB400SF/SB)は、令和2年排出ガス規制に対応しない場合は、2022年11月以降は生産することができなくなってしまうのだ。
最近話題となった生産終了モデルは、2020年1月発売のセロー250ファイルエディションと2021年3月発売のSR400ファイルエディションで、ともにヤマハのモデルだ。メーカーは公言していないが、セローは灯火器の規制、SR400はABSの義務化が適用時期に差し迫ったことが、ファイナルになった背景と推測される。
また、セローやSR400はともに灯火器やABSを対策したとしても、2022年11月までに令和2年排出ガス規制に対応する必要があり、技術面やコスト面のハードルが高かったのは間違いない。両車ともそれを見越した上でのファイルエディション発売だったと思われる。
こちらはCB400スーパーボルドール。2005年に登場したハーフカウル付き仕様でツーリングユースに人気のタイプ。CB400スーパーフォアとともに排ガス規制への適合が必要だ
1985年にデビューしたセロー250は2020年7月の灯火器の規制が生産終了の要因に。写真のファイルエディションは、例年の3倍に迫る6000台以上を販売した
1978年にデビューしたSR400は、2021年10月のABS義務化が生産終了の要因に。写真のファイルエディションリミテッドは1000台限定が瞬時に予約完売。非限定車にも5000台の受注が殺到した
CB400SF/SBは排ガス規制に対応すると100万円を大オーバーに!?
CB400SF/SBの4気筒エンジンは、元を辿ると1986年のCBR400Rにまで遡ることができる。その後、1988年のCBR400RR→1989年のCB-1を経てCB400SFに改良されて搭載されている。当時の燃料供給はキャブレターで、エンジンもそれに合わせて設計されたものだ。
これが2008年型でエンジンが「ハイパーVTEC REVO」に変更されたタイミングで、燃料供給がフューエルインジェクションに進化。この改良が土台となって平成28年排出ガス規制もクリアし、一時期は次の令和2年排出ガス規制にも対応することが決まったとも囁かれていた。
レーサーレプリカ絶頂期の中型4ストロークモデルの中で絶大な人気を誇ったCBR400RRはホンダ初のRRモデルでもある。カム駆動にはホンダならではの「カムギアトレーン」を採用していた
1992年にデビューした初代CB400スーパーフォア。ゼファーよりも発売が早かったCB-1のエンジンをリファインして搭載。CB-1が果たせなかった400ccネイキッドNo.1の座を奪取した
それが今、CB400SF/SBは規制に対応しないという話も浮上してきたのだ。その理由は開発コストと思われる。現行CB400SFの車両価格は約90万円、CB400SBは100万円超となっており、400ccクラスで最高額になっている。これが、排ガス規制を通すことでSFも100万円台になることは必至。
さらに、排出ガス規制をクリアするために吸排気系だけでなくエンジン本体にも大幅に手を入れる必要がある場合、車両価格は100万円を大きくオーバーする可能性もあるだろう。CB400SF/SBのエンジンは基本設計が古く、また高回転型といったところが開発のハードルを高めているのだ。
同じ並列4気筒エンジンで高回転型のZX-25Rも開発するにあたりZXR250(1989年)のエンジンを一度検討しているが、実際は完全新設計にしていることはこれを示唆しているだろう。
CB400SF/SBのエンジンは、バルブ駆動がチェーン式に変更されている。また、1999年型より2←→4バルブを切り替えるハイパーVTECを採用。現在400ccクラス唯一の4気筒となる
教習車としても利用されるCB400SFはどうしたら残せるのか
SR400がなぜ生産終了を決めてしまったかというと、人気がなかった訳ではなく、現状ではほぼ日本でしか販売されていないガラパゴスモデルだったことが大きい。同様にCB400SF/SBもガラパゴスモデルなので状況は同じだ。
現在は、世界各国で販売することで台数を稼ぎ開発コストを回収するのが一般的な手法で、生産終了したセロー250に対して同じオフロード車のホンダCRF250Lが2021年型でエンジン内部まで改良するモデルチェンジを行うことができたのはこれが要因だ。
果たしてCB400SF/SBがグローバル展開できるかというと、400ccという日本独自の排気量がネックとなりそうだ。しかし、カワサキのニンジャ400は2018年型からグローバル展開されて国内外で成功しており、コンセプトしだいでは可能性があることも証明されている。そうでなくても、すでにグローバル展開されているCB650Rのエンジンをベースに400cc化するのも手だ。
40代以下のライダーなら中型免許及び普通二輪免許を取得するのにCB400SFにお世話になったはず。教習所で体験した操りやすさから、免許取得後にCB400SF/SBを購入する例も多いという
さらに価格だが、出力を落とすことで規制をクリアしやすくなるのであればそれも選択肢ではないだろうか? 2021年にモデルチェンジして国内でも復活するスズキの新型ハヤブサは、最高出力を197ps→190psに落としている。CB400SF/SBにおいてもその価値は、教習車にも利用されるほどの操りやすさにあるはずで、出力はある程度犠牲にしてもユーザーは納得してくれるだろう。
グローバル化か、出力を犠牲にしてもCB400SF/SBの本質的価値を伸ばしてこれからの時代に受け継いでいくのか。CB400SFがバイクのメートル原器ともいえるベーシックな存在なのは、多くが認めるところ。日本のライダーのためにも、ぜひ存続を検討して欲しい。
国内では2017年型を最後に販売が休止されていたハヤブサが2021年に復活する。最高出力を197→190psにダウンするという、モデルのコンセプトに深く関わる部分で大きな決断をした
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みんなのコメント
車に比べたらどんだけ小さなシリンダーと排気量と台数だよ…
そらそうだろよ、お国からすりゃバイクなんて税金取れねーしうるせーし事故のもとだとしか思ってねーんだろな、
いや、それはセロー225でした。