新型アストンマーティン・ヴァラー登場！──GQ新着カー

V12エンジンに6MTを組み合わせた内燃機関車の集大成的モデルに注目！

700psオーバー！

7月11日、アストンマーティンは、創立110周年を記念した特別モデル「ヴァラー（Valour）」を発表した。

ヴァラーについてアストンマーティンは“アストンマーティン史上最高のドライバーズカー”と、唄う。開発にあたっては、1977年登場の初代「V8ヴァンテージ」および1980年に登場したヴァンテージベースのル・マン・レースカーである「RHAM/1」にインスピレーションを得たそうだ。

フロントに搭載するエンジンはツインターボチャージャー付き5.2リッターV型12気筒ガソリンエンジンで、715psの最高出力と753Nmの最大トルクを誇る。パワートレインに専用のキャリブレーションを施したという。ドライビングモードはSport、Sport+、Trackの3種類を用意。組み合わされるトランスミッションは6MTだ。

足まわりは専用のアダプティブ・ダンパー、スプリング、アンチロールバーを備えたサスペンションシステムを採用した。ブレーキシステムは、フロントがカーボンセラミック（CCB）ブレーキを備えた410mm x 38mmのブレーキローターと6ピストンキャリパー。リヤは、360mm x 32mmディスクと4ピストンキャリパーを組み合わせる。CCBディスクによって、バネ下重量はスチール製ブレーキより23kgほど軽くなった。

ホイールは21インチの軽量鍛造合金製で、専用デザインだ。タイヤはアストンマーティン専用となるミシュランPilot Sport S5 (サイズ：フロント 275/35 R21、リア 325/30 R21）を履く。

110台限定エクステリアのうち、フロントまわりでは丸型LEDヘッドライトやカーボンファイバー製の大型エアインテークなどが目をひく。

リヤまわりでは、ハイパーカーの「ヴァルキリー」を彷彿とさせるLEDライトや軽量ステンレススチール製のトリプルテールパイプが特徴だ。とくに後者は、板厚が1mm未満の特別なパイプを使うことで、従来のシステムと較べ7kgの軽量化を実現。さらに、重量感のあるエキゾーストサウンドを奏でるという。

ボディカラーは、フロント、ボンネット、サイド、リヤの4つのエリアに分割し、それぞれ21色のなかから選べる。くわえて、さまざまな手描きのストライプやグラフィック・デザインも用意される。

ふたり乗りのコクピットはヴァラー専用デザイン。マニュアルトランスミッションのギヤノブは、機械加工されたアルミニウム、チタニウム、カーボンファイバー、またはウォールナットから選べる。トランスミッション・トンネルはカーボンファイバー製だ。

インテリア各所には、ウールのツイードを使う。これは1959年にル・マン24時間レースで優勝したアストンマーティン「DBR1」のシート地からインスピレーションを得たという。

内外装のカスタマイズを希望するオーナー向けには、「Q by Aston Martin」によるビスポーク・サービスもある。一例として、シート地用にジョンストンズ オブ エルガン製のカシミアを用意するそうだ。

ヴァラーの生産開始時期は、2023年第3四半期予定。納車は2023年第4四半期から始まる。全世界110台限定生産となる。

文と編集・稲垣邦康（GQ）