ポルシェ「マカン」はDセグメント最強のSUVだ。
最強といっても、速さだけが取り柄ではない。もちろんポルシェだからパワフルな走りも楽しめるけれど、滑らかな乗り心地でも車内の静けさでもライバルに負けていない。しかも、コーナーが続くワインディングロードでは狙いどおりに走れるし、高速道路を延々とクルージングするようなシーンでも不満はまったく覚えない。内外装のクォリティだってトップクラス。ついでにいえば、テールゲートが強く前傾したクーペっぽいデザインも個人的には好みだ。
【主要諸元】全長×全幅×全高:4695mm×1925mm×1625mm、ホイールベース:2805mm、車両重量:1940kg、乗車定員:5名、エンジン:2995ccV型6気筒DOHCターボ(354ps/5400~6400rpm、480Nm/1360~4800rpm)、トランスミッション7AT、駆動方式:4WD、タイヤサイズ:フロント235/60R18、リア255/55R18、価格:874万9074円(OP含まず)。もしもマカンに弱点があるとすれば、お値段がはる点だろうか。車両価格自体はライバルのメルセデス・ベンツ「GLC」、BMW「X3」、アウディ「Q5」などと変わらないけれど、自分が欲しいと思うオプションをマカンにつけていくと結構な金額になってもおかしくない。まあ、それさえも「ポルシェなんだから」と納得させてしまうあたりが、シュトゥッツガルト生まれのスポーツカーメーカーが持つ魔力といえるかもしれない。
そんなマカンがマイナーチェンジを受けた。メディア向けに配布された資料を見ると、どうやらヨーロッパの最新排ガス規制をクリアするためにエンジンが新しい世代のものと入れ替わったらしい。あとはフロント・サスペンションに使われているスプリングフォークというパーツをそれまでのスチール製からアルミ製に変更し1.5kgの軽量化を果たしたという。
エンジンはまだしも、足まわりのたった1.5kgの変化なんてそう簡単にわかるはずはないと試乗前は予想していたのだけれど、先にお断りしておけば、この予想が見事なまでに裏切られたというあたりが本リポートの主なテーマとなる。
エアサスペンション装着車の最低地上高は190~230mm。標準サスペンションは205mm。“しなやかさ”のレベルが一段向上試乗したのは3.0リッターV型6気筒ガソリン・ターボ エンジンを搭載するマカンS。お値段はおよそ875万円。これ以外に2.0リッター 直列4気筒ガソリンターボ・エンジンのマカン(約712万円)と、よりパワフルな3.0リッターV型6気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載するマカン ターボ(約1220万円)が用意されるが、まずはマカンSが代表モデルといって間違いない。
最高速度は254km/h。ブレーキは、フロントが対向6ピストン式アルミニウム製モノブロックキャリパー、リアがシングルピストン フローティング キャリパー。タイヤサイズはフロント235/60R18、リア255/55R18。試乗車のアルミホイールはオプションのマカン ターボ用の20インチ。乗り始めてまず感じるのは、「大した差じゃないはず」と、高をくくっていたサスペンションの変化である。もともとマカンは、ライバルたちよりも足まわりがよりなめらかにストロークし、大きくうねるような路面だろうと鋭い段差だろうとタイヤがしなやかに追随して快適な乗り心地をもたらしてくれるのが大きな特徴だった。
ところが新型マカンは、その“しなやかさ”のレベルが確実に一段上がった。おかげで、どんな路面にもタイヤが“撫でる”ように追随していき、ドスンというショックを起こしたり、ゴツゴツという振動を伝えたりする機会がさらに減少。まさに「うっとりするような乗り心地」に進化したのである。
静止状態から100km/hまでに要する時間は5.3秒。搭載するエンジンは2995ccV型6気筒DOHCターボ(354ps/5400~6400rpm、480Nm/1360~4800rpm)。トランスミッションはデュアル・クラッチ・タイプの7AT。マニュアル・トランスミッションは用意されない。通常、路面からのショックを吸収するにはサスペンションのスプリングやダンパーを柔らかくするのが多いが、これだとショックは減ってもボディがフラフラと揺れて必ずしも快適には感じられない。
けれどもマカンは、おそらくスプリングやダンパーに大きく手をくわえず、足下を軽くし、乗り心地の改善を図ったのだろう。だからボディの安定感はこれまでと変わらない。しかも、それまでの鉄ゲタ(って若い人にわかるかなあ)を脱ぎ捨てて軽量なランニングシューズに履き替えたようなものだから、足が軽快に動くのは当然のこと。荒れた路面でも正確に追随できるから、タイヤと路面が接触している時間がさらに伸びて安定したグリップが得られるようにもなった。
つまり、安全性やスポーツ性能といった面でも、足まわりの軽量化はプラスに働くのだ。
それ以外にも新型マカンはロードノイズといって走行中にタイヤが生み出す“ゴーッ”という騒音が減って車内が静かになったほか、ステアリング・ホイールがこれまでよりも軽く、かつスムーズに操作できるうえ不快な振動も減少、さらに洗練度を高めていた。ライバルを突き放す改良といっていいだろう。
静止状態から160km/hまでに要する時間は13.0秒。ステアリング・ホイールは、走行モード切り替え用のダイヤル付き。メーターパネルはナビゲーションマップなどを表示する液晶画面付き。内外装は控えめにアップデートマカンSに積まれている3,0リッターV型6気筒ガソリンターボ・エンジンは静かでスムーズ。しかも、低回転から高回転まで豊かなトルクを生み出してくれるので、驚くほど俊敏な走りが可能だ。
正直、2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載するエントリーグレードのマカンでも動力性能は十分以上だから、マカンSで不満を覚えるはずがない。どちらにしてもポルシェらしい走りを楽しめるはずだ。
純正インフォテインメントシステムは標準。自動防眩ミラーやキーレスフリー・システム「ポルシェ エントリー&ドライブシステム」はオプション。試乗車のフロントシートは、オプションの18Way電動調整機能付きアダプティブスポーツシート。リアシートはセンターアームレスト&エアコン吹き出し口付き。エクステリアの変更は、もしかすると現行型オーナーでないと気づかないくらい控えめなものかもしれない。それでもテールライトはボディの全幅いっぱいまで広がってワイド感を演出し、ヘッドライト内部には4点式デイタイムランニングライトが装備され、ほかの最新ポルシェと共通の表情を得た。
機能面ではACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)やブレーキアシスト機能が標準化。さらに、インターネットと常時接続されるポルシェ・コミュニケーション・マネージメント(PCM)も標準化されたうえ、ナビゲーション・システムなどを音声認識で操作出来るようにもなった。
そのほか、スマートフォンでクルマの位置や状態を確認できる機能も搭載。クルマとしての基本性能だけでなく最新のデジタル化にも対応した新型マカンは、これからも最強DセグメントSUVとして君臨することになりそうだ。
文・大谷達也 写真・安井宏充(Weekend.)
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