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新型トヨタ・ランドクルーザー250のメカニズムを徹底解説──快適性を大幅に高めた本格オフローダーに迫る!

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新型トヨタ・ランドクルーザー250のメカニズムを徹底解説──快適性を大幅に高めた本格オフローダーに迫る!

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トヨタ自動車は8月2日、新型ランドクルーザー250を東京都内で世界初公開した。実質的に150系ランドクルーザー・プラドの後継となるグローバルモデルで、国内市場へは2024年前半の導入が予定されている。

サイドビューで比較すると分かりやすいが、ボクシーかつモダンなシルエットに見覚えがあるかもしれない。

新型ランドクルーザー250は、6月9日にアメリカで世界初公開されたレクサス「GX」とハードウェアの多くを共有するのだ。

プラットフォームは、トヨタが「ボディオンフレーム」と呼ぶフレーム構造で(つまり、モノコック構造ではない)、2021年にデビューしたレクサス「LX」やランドクルーザー「300」と同じだ。

もっとも関係の深いレクサスGXとはパワートレーンのラインナップが大きく異なる。GXは3.5L・V6ツインターボ+10速ATと、2.4L・直列4気筒ターボ+8速ATにモーターを組み合わせたハイブリッドを設定する。どちらもガソリンエンジンだ。

新型ランドクルーザー250は“ランドクルーザーのど真ん中”に位置づけ、かつ多くの国や地域に導入するのもあって、パワートレーンのラインアップは多彩だ。

まず、エンジンはガソリンとディーゼルの2種類。ガソリンはレクサスGXにも設定のあるT24A-FTS型2.4L・直列4気筒ターボ+8速AT+モーターのハイブリッド仕様が最上級の位置づけだ。システム最高出力は246kW(330ps)、システム最大トルクは630Nmに達する。

本パワートレーンから電動デバイスを取り去った素のT24A-FTS+8速ATは量販型ガソリンパワートレーンの位置づけだ。最高出力は207kW(271ps)、最大トルクは430Nmである。さらに、“良品廉価ベーシック”に位置づけるのが、2TR-FE型の2.7L直列4気筒自然吸気で、こちらは6速ATとの組み合わせ。最高出力は120kW(163ps)、最大トルクは246Nmとなる。

このT24A-FTS型の2.4L直列4気筒ターボエンジンはレクサス「NX」や「RX」、トヨタ「クラウン・クロスオーバー」に搭載されている。型式こそおなじであるが、新型ランドクルーザー250に搭載するエンジンは仕様が違う。

NXやRX、クラウンの場合は横置きだが、ランドクルーザー250は縦置きに搭載する。違いは搭載方法だけでなく、シリンダーヘッドやブロックといった骨格部品を中心に多くの部品を新設しているという。理由は耐久信頼性。タフな使い方が想定されるランドクルーザー250には厳しい耐久基準を課しているからだ。骨格部品の新設は強度向上が主な狙いである。

ディーゼルは1GD-FTV型2.8L直列4気筒ターボと8速ATの組み合わせで、素のディーゼルと、オルタネーターをスターター/ジェネレーターに置き換えた48Vハイブリッドシステムを設定する。150kW(204ps)の最高出力と500Nmの最大トルクは共通だ。

日本には1GD-FTV型2.8Lディーゼル+8速ATと2TR-FE型2.7Lガソリン+6速ATが導入される。ガソリンハイブリッドは燃費規制の厳しい北米と中国にまずは導入されるが、国内導入を視野に入れて開発している模様。遅れて導入されるものと期待していい。

1GD-FTV型の2.8Lディーゼルエンジンは150系プラドにも設定されていたが、排気の干渉を避けるために流路が2つに分かれたツインスクロールターボチャージャーが新規開発品となっている。出力/トルクを維持しながら、排気エネルギーを受け止めて高速回転するタービンホイールを小型化し形状を最適化。応答性を高めた。前型にあたる150系プラドは6速ATとの組み合わせだったが新型ランドクルーザー250は8速ATとなっており、燃費とドライバビリティの向上を実現している。

Direct Shift-8ATと呼ぶ8速ATも新開発で、発進デバイスであるトルクコンバーターのロックアップクラッチを従来の単板から多板に変更することで、フレックスロックアップ(滑らせながらロックアップ=直結させる)領域を拡大した。これにより、発進以外はほぼロックアップ状態となり、ダイレクトな走りを実現しつつ燃費向上に貢献する。

2TR-FE型の2.7Lガソリンエンジンも150系プラドに設定があった。6速ATな点も変わりないが制御は進化しており、日常でよく使われる発進~低速でのスムーズさと、下り坂での車速コントロール性を向上させているという。

トヨタ初の「SDM」とはハイマウントアッパーアームを採用したダブルウィッシュボーン式のフロントサスペンションと、リヤのトレーリングリンク車軸式サスペンションの形式はランドクルーザー300とおなじだ。

ランドクルーザー250を仕立てるにあたって変更したのは、フロントスタビライザーの配置である。300は車軸の前に配置しているが、250では車軸の後ろに変更した。これはフロントオーバーハングを短くしたためで、効率良く衝突エネルギーを吸収するためだ。

やはり衝突要件から、フロントサスペンションも、アームやリンクで構成されるジオメトリー(幾何学的な配置)を見直している。

ランドクルーザー300はフロントとリヤのスタビライザーのオン/オフを電子制御で自動的に切り換える、世界初のシステム「E-KDSS」を設定する。E-KDSSにより、オンロードでは過度なロールを抑えて走行安定性を高め、オフロードでは荒れた路面に車輪が追従して走破性を高める。

ランドクルーザー250では、ドライバーのスイッチ操作によりフロントスタビライザーのオン/オフを切り換える「SDM(Stabilizer with Disconnection Mechanism)」を搭載した。(レクサスブランドも含め)トヨタ自動車としては初採用の機能だ。重要やコストの観点から、機能を絞り込んで開発したという。

新型ランドクルーザー250は、厳しくなる一方の排ガス/燃費規制や衝突安全基準に対応しながらも、“質実剛健なオフローダー”としての性能と魅力に磨きを掛けているのが特徴だ。

文・世良耕太 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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