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ヒョンデ、新型高級SUV「アイオニック9」でレンジローバーに対抗 過去最大のEVがデビュー

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ヒョンデ、新型高級SUV「アイオニック9」でレンジローバーに対抗 過去最大のEVがデビュー

「絶対に乗りたくないという人も大勢いる」

韓国の自動車メーカーであるヒョンデは11月20日、新型EV「アイオニック9」を発表した。これまでで最も大型の7人乗りSUVであり、最高出力435ps、最長航続距離620kmを誇る。2025年前半に韓国と米国で発売され、その後、欧州やその他の市場でも販売開始予定だ。

【画像】大胆デザインで攻めまくる「高級SUV」【ヒョンデ・アイオニック9を写真で見る】 全17枚

ヒョンデのEVシリーズのフラッグシップモデルに位置づけられ、アイオニック5と同じE-GMPプラットフォームを採用している。価格は最高8万ポンド(約1560万円)に迫ると予想され、前例のない領域に踏み込むことになる。

2021年に公開されたコンセプトカー「セブン」のデザインを踏襲しており、リアに向かって細く絞り込まれていくボディ、傾斜がかかったルーフ、切り立ったリアエンド、回転可能な2列目シート(オプション)などを採用している。

しかし、セブン・コンセプトという名が示すように、当初は「アイオニック7」と命名されるはずだったが、開発途中で「9」の数字が与えられることになった。おそらく、よりコンパクトな新型車へ「7」を譲ったと思われるが、その登場時期については明らかではない。

2019年に発売されたエンジン搭載SUV、パリセードの成功に基づき、アイオニック9は米国市場重視で開発されているが、グローバル戦略車であることに変わりはない。欧州では同クラスのボルボEX90、メルセデス・ベンツEQS SUV、キアEV9(密接な関係にある)の強力なライバルとなるだろう。

ヒョンデの中で最も高級志向のモデルであり、アウディやBMWのような既存の高級車ブランドからヒョンデへの顧客獲得に重要な役割を果たすだろう。デザイン責任者のサイモン・ローズビー氏はAUTOCARに対し、近年のヒョンデのポジショニングの劇的な変化を象徴していると語った。

「価格に対して信じられないほどプレミアムなクルマを手に入れることができる。ヒョンデは高級車ではないと言う人もいるだろうが、得られるもの、仕上がりの質、技術的内容を見れば、(小型EVの)インスターでさえも高級車だ。あるジャーナリストがアイオニック6について述べたように、ヒョンデは白物家電メーカーから、エモーショナルで、魅力的で、高品質なクルマを作るメーカーになったのだ」

ローズビー氏は、アイオニック9が本格的なラグジュアリー車セグメントに食い込む可能性もあると示唆した。ランドローバー・レンジローバーのオーナーも乗り換える気になると思うかという質問に対して、同氏は「もちろんだ。乗り換えたくなる人が大勢いると思うが、絶対に乗りたくないという人も大勢いると思う。それでも構わない」と答えた。

欧州向けの価格はまだ明らかにされていないが、エントリーグレードは6万ポンド台前半(約1170万円)で、最高スペックのグレードは7万5000ポンド(約1450万円)近いと予想されており、ヒョンデの市販車としてはこれまでで最も高価になる。

パワートレイン

アイオニック9には3種類のパワートレインが用意される。最高出力218psの後輪駆動のロングレンジモデルでは、WLTPサイクルの推定航続距離として最長620kmを謳っている。0-100km/h加速は9.4秒。

一方、ツインモーター車は合計出力312ps、航続距離515km、最上位モデルである「AWDパフォーマンス」は合計出力435ps、航続距離500kmとされる。0-100km/h加速はそれぞれ6.7秒、5.2秒で、最高速度は200km/hだ。

アイオニック5と同様に、アイオニック9には高性能の「N」バージョンの導入も予定されている。

全車、800Vと110.3kWh(使用可能容量)のバッテリーが搭載され、これはメルセデス・ベンツEQSやロールス・ロイス・スペクターをもしのぐサイズだ。最大350kWでの充電が可能だが、現在販売されている他のE-GMP車と同じく、ヒョンデは実際の最大出力は220~230kWに近いと示唆している。

アイオニック9は最大230VのV2L機能を備え、外部機器へ給電することもできる。ヒョンデは「EV顧客の一般的な懸念に対応する」ために、バッテリー性能の一貫性の向上、詳細なエネルギー使用情報の表示、ルートプランナー機能の強化など、さまざまな改良を加えたという。

また、低速でのトルクを向上させるためにリアのギア比を高くしたほか、効率を向上させるという2段階のパワーインバーターを採用した。

エクステリア

ヒョンデはアイオニック9を「エアロステティック・ラウンジ」と呼んでいるが、これはデザイン性、空力効率、インテリアの洗練性に焦点を当てていることを表す造語である。

同社が言うところの「チェスの駒」のようなデザインアプローチに則り、既存のアイオニックシリーズとは関係性を感じさせつつもしっかりと差別化を図っている。テールゲートを囲み、フロントエンドを包み込む「パラメトリック」なピクセルLEDが特徴の1つだが、法令の都合上、販売地域によっては光り方が異なる(例えば、英国ではフルワイドのヘッドライトが禁止されている)。

デザイン責任者のローズビー氏によれば、アイオニック9のシルエットは航空機の胴体に影響を受けており、「SUVとしては典型的なものではない」と述べた。一方で、切り立ったリアエンドや比較的フラットなルーフとウィンドウラインなど、従来型のステーションワゴンとの類似性も認めている。

このサイズのSUVとしては驚くべきことに、Cd値わずか0.259と、セダンにも匹敵する空力性能を誇る。丸みを帯びたフロントエンド、ミニマルな表面処理など、空気の流れを整えるさまざまな要因が挙げられるが、最大の特徴は、リアに向かって細くなっていく「ボートテール」型のリアエンドだ。

また、アンダートレイにデュアルモーションの可変エアフラップを備え(ヒョンデ初)、風を遮る新しいホイールデザインも採用した。

アイオニック9のボディサイズは、全長5060mm、全幅1980mm、全高1790mm。ホイールベースは3130mmとヒョンデ車の中で最長で、オーバーハングを最小限に抑え、Aピラーを可能な限り前方に配置することで広い室内空間を確保した。

インテリア

インテリアは、まるでリビングのように「家具が揃い、くつろげる、思いやりのある空間」を目指し、開放感と機能性を重視している。

3列のシートはいずれも広いレッグルームを備え、2列目のアームチェア(オプション)はフルリクライニングが可能だ。

コックピットは、他のアイオニックシリーズでおなじみのパノラミック曲面パネルがダッシュボード上部に設置され、ドライバーディスプレイとインフォテインメント・スクリーンが一体化されている。重要な機能には物理ボタンとスイッチが割り当てられる。

センターコンソールは「ユニバーサル・アイランド2.0」と名付けられ、5.6Lの上部トレイの下に12.6Lの収納スペースがある。ユニット全体が前後にスライドし、後部座席の乗員も使えるようになっている。

トランク容量は3列目シートをフラットに折りたたんだ状態で最大1323Lを誇る。ボンネットの下には最大88L(四輪駆動モデルは52L)のスペースがあり、市販EVの「フランク」としては最も大きい部類に入る。

シャシー

ヒョンデによると、アイオニック9は長距離走行の洗練性とスムーズなハンドリングの両立を目指しており、軽量化には多大な労力を費やしたという(車重は未確認)。トルクベクタリング技術や「特別設計」の新しいサスペンション・システムも特徴とする。

足回りとしては前後マルチリンク式サスペンション、車体をフラットに保つセルフレベリング機能付きのツインバルブダンパー、走行中の振動を抑える液体封入式ブッシュを採用。四輪操舵システムは装備されていないが、最小旋回半径はキアEV9の6.2mに匹敵すると予想される。

タイヤ内の吸音フォーム、防音ガラス、主要構造の補強、そして「ノイズを発生源から隔離」するというアクティブ・サウンド・コントロール・システムにより、NVHレベルを高めている。

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みんなのコメント

2件
  • kim changmin
    次期愛車に検討する人が着実に増えてきていると思います。
  • NAS********
    こういうのを身の程知らずと言う
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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