子どもの頃に憧れたマシンXを完全再現
昭和生まれにとって忘れられない刑事ドラマといえば、『西部警察』でしょう。激しいカーアクションと名物の爆破シーンは迫力満点。劇中で繰り広げられるカーチェイスや銃撃シーンを盛り上げる特殊車両の活躍ぶりは、お茶の間をくぎ付けにしました。数多く登場した西部警察の特殊車両の中でも、記念すべき第1号車として製作された「団長」こと大門圭介の愛車「マシンX」は、名車のひとつ。今回は、そんなマシンXを再現したオーナーの力作を紹介します。
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自分の手で内外装を仕上げる
警察庁科学研究所の技術を結集して手がけた「マシンX」は、なんと52個の特殊装備を搭載。リモコン可動式スチールカメラ、レーダー照射装置、特殊ペイント弾、可変サーチライトなど、当時の子どもが素直に「すげぇ~」と思える特殊装備が満載だった。その後に「スーパーZ」「マシンRS」「サファリ4WD」などが登場することになるが、それらはマシンXがきっかけであったことは間違いない。それだけに、この初代大門軍団特殊車両は特別な存在なのである。
今回紹介する佐々木 聡さんは小学校に通っている頃に『西部警察』を夢中で見ていて、第45話「大激走! スーパーマシン」に登場したマシンXに衝撃を受け憧れを抱いたひとり。大人になってレプリカ製作に挑み、憧れていたマシンXをついに完成させた。
現在55歳の佐々木さんがこのマシンXを製作したのは、今から21年ほど前のことだ。ふとしたきっかけで幼少期に憧れていたマシンXのことを思い出し、1981年式の日産「スカイラインGT-ES」のターボを購入。やるなら徹底的に似せたレプリカを製作しようと当時のビデオや写真集を入手し、細部を徹底的に分析した。市販車ベースで作れることが判明すると、外装だけでなく内装までも再現したくなり、プロの手を借りずにすべて自分で仕上げてしまったという。
全国を探して見つけ出したカンパニョーロ製のゴールドホイール
劇中車のフルレプリカを作るうえで苦労したのは、パーツの入手であった。そのなかでもカンパニョーロ製のゴールドホイールは全国を探しまくり、苦労して入手。そんなホイールは「NISSAN」の刻印入りの希少な純正品で、一番自慢のパーツということだった。それ以外にもゴールドストライプのデカールや、オイルクーラーのサイズなども車体に合わせて作り込んでいる。
内装はコンピュータとあらゆる特殊装備を操作するスイッチを備えたボックスも忠実に再現。当時物のレカロシートに各種追加メーター、警察、航空、船舶など各種無線を受信できる無線機「TS-120S」を搭載している。もちろん白色が印象的だった自動車電話も搭載し、各種スイッチ類を増量しているのが佐々木さん流だ。
昔は通勤の足として使っていたマシンXレプリカだが、現在はイベント用として特別な休日に乗っているそうだ。住んでる場所が雪国で、このクルマも塩害による影響でボディがだいぶヤレてきたので、今後はその修復を行いつつ大切に乗り続けていきたいと話してくれた。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)
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