本格オフローダーの旗艦として君臨する『ジープ・ラングラー』のラインアップでも、最高峰の悪路走破性を誇るハードコアモデル『ラングラー・アンリミテッド・ルビコン』に、プラグインハイブリッド(PHEV)の“4xe(フォー・バイ・イー)”が追加設定され、12月14日より発売が開始されている。
ブランドの旗艦に位置付けられ、卓越した悪路走破性を誇るトップグレードに、オフロード走行のポテンシャルアップと、約42kmをモーターのみで走行可能な高効率かつスムーズな走りを両立した電動化モデルが初設定された。
最高峰の悪路走破性を備える『ラングラー・ルビコン』に、よりハードアコアな2ドア版が登場
搭載するパワートレインは、2リッター直列4気筒直噴ターボ(272PS/400Nm)と2基の電気モーターを組み合わせ、総電圧350Vで15.46kWhの容量を持つリチウムイオンバッテリーにより、交流同期モーターを駆動する。
エンジンを補助するP1モーター(46kW/54Nm)は、きわめて滑らかにエンジンを始動させることで燃費低減を実現し、バッテリーパックに供給するための電気を生み出すジェネレーターの役割も担う。
一方、8速ATのトランスミッション前部にはP2モーター(高電圧モータージェネレーター)を備え、エンジンとP2モーター(107kW/255Nm)はふたつのクラッチで制御され、バイナリークラッチと呼ばれる動力を伝達するクラッチが開いた状態で100%のEV走行モード、閉じるとエンジンとモーターの出力が融合される。
さらにP2モーターと8速ATの間に備わるもうひとつのクラッチは、トランスミッションとの噛み合いを調整し、ドライバビリティと効率性を向上させている。
こうした協調制御を見せるモーターには、それぞれ役割を選択できる3つの走行モードが用意され、メインとなる“ハイブリッドモード”では、道路状況やドライバーの操作に応じて、電気モーターとエンジンの作動状況を自動で最適化。バッテリーに充分な電気が蓄えられた状態ではモーター駆動(EV走行)が優先され、充電レベルが低下するとガソリンエンジンとモーターを併用したハイブリッド走行モードに切り替わる。
■高電圧電子部品にはシーリング加工や防水処理も施され、高い渡河性能も誇る
一方、満充電の状態で約42kmの電動走行が可能な“エレクトリックモード”でも、充電レベルが最低限になった場合やアクセルペダルを強く踏み込んだ場合にはエンジンが始動。対する“e-SAVEモード”では、充電レベルが充分な状態においても蓄電量を維持し、エンジン主体で走行するとともに、タッチパネルモニター内の『ハイブリッド・エレクトリック・ページ』から、バッテリー節約とバッテリー充電のいずれかを選択することが可能となっている。
充電は家庭用200Vの普通充電に対応し、減速時や制動時に働く回生ブレーキは4×2走行時には駆動輪である後輪から、4×4走行時には4輪すべてからの制動エネルギーをバッテリーに供給。エネルギー回収を最大化して発電力を高める『マックス・リージェン』機能を作動させることも可能となっている。
そのリチウムイオンバッテリーはリヤシート下部に配置され、重量配分を最適化するとともに外部からの衝撃による損傷リスクの低減が図られる。また、パックには冷却回路を備え、つねに最適な温度に保たれるほか、すべての高電圧電子部品にはシーリング加工や防水処理が施されることで、渡河性能もガソリンエンジン車と同等の30インチ(76cm)を維持している。
こうして電動化を果たしたパワートレインにより、発進と同時に最大トルクを発生するモーター特性がオフロード性能の向上にも寄与し、大きな石を乗り超えるような場面でもエンジン回転数を上げることなく、巨大なトルクを瞬時に生み出すことが可能に。結果、急勾配を駆け上がるクライミングや悪路を低速で進む場面においても威力を発揮し、本格を名乗るにふさわしいタフネスが継承されている。
エクステリアでは、エンジンフードやボディサイドの“TRAIL RATED(トレイル・レイテッド)”バッジ、リヤエンブレムにブルーのアクセントカラーが配されるなどの差別化が図られ、ブラック基調のインテリアにもブルーのステッチが入ることで特別感を演出。ボディカラーにはブラックC/C、ブライトホワイトC/C、アールC/Cの3色が設定され、価格は1030万円(税込)となっている。詳細は公式サイト(https://www.jeep-japan.com/wrangler-jl/wrangler-4xe.html)まで。
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