スーパー耐久シリーズ第6戦「スーパー耐久レース in 岡山」は、10月26~27日に岡山国際サーキットにおいて、ふたつのグループでそれぞれ3時間のレースが行われ、午後のグループ1(ST-X、Z、TCR、1、2、Qの一部全32台)では、33号車 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3(チェン ディーン/太田格之進/オジェイダ・ジェイデン)が第3戦オートポリス以来の今季2勝目をポール・トゥ・フィニッシュで飾った。またST-Zクラスでは2位フィニッシュの52号車埼玉GB GR Supra GT4(山崎学/吉田広樹/服部尚貴/野中誠太)が連覇を遂げた。
午前のグループ2(ST-3~5、Qの一部全27台)では、ST-3クラスの15号車岡部自動車Z34(前嶋秀司/長島正明/銘苅翼/元嶋成弥)が優勝した他、各クラスで接戦が繰り広げられた。今回タイトルが確定したのはST-Zクラスのみで、残りのクラスタイトルは最終戦まで持ち越しとなった。
グループ1は、曇り、気温22℃、路面温度28℃というコンディションの13時33分にスタートした。ST-Xクラス(全6台)でグループ総合のポールシッターである33号車メルセデスは、Aドライバーにジェントルマンドライバー資格のないドライバーを起用したことで、ドライブスルーのペナルティを受けクラス最後尾(6位)にドロップした。しかしそこから追い上げてオジェイダからチェンへつなぎ、レース折り返しの手前でそれまでトップだった31号車 DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀)がドライバー交代を済ませた直後の1コーナーでトップを奪回。弱い雨が降り出したもののスリックタイヤのままミスなく走り、最後は太田がしっかりトップを守り今季2勝目を挙げた。2位は1号車中升 ROOKIE AMG GT3(鵜飼龍太/ジュリアーノ・アレジ/蒲生尚弥/片岡龍也)、3位は31号車RC Fだった。
この結果33号車メルセデスは、今回4位でポイントリーダーを守った23号車TKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴)に13点差に迫るランキング2位へ浮上。「チームがいいクルマを作ってくれたので文句のつけようもありませんでしたし、全員が速く走れました。最終戦での逆転を目指し今回はポールを狙って取りましたし、チームはタイトル獲得を諦めていないと思います」と太田は逆転タイトル獲得へ手応えを感じたようだった。
ST-Zクラス(全13台)は、クラスポールを70kgのウェイトハンディを搭載する52号車スープラが獲得するも、34号車TECHNO FIRST R8 LMS GT4(加納政樹/平安山良馬/安田裕信/大草りき)が序盤にトップを奪取。中盤には21号車Hitotsuyama Mercedes AMG GT4(山脇大輔/ショーン・ウォーキンショー/ジェームス・ブル/川端伸太朗)がトップに立った。しかし終盤に34号車アウディが再逆転して今季初優勝を挙げた。
終盤4位走行で戴冠を確定していた52号車スープラだったが、最終盤に3位の555号車REVISION AMG GT4(徳藤一真/たしろじゅん/永田郷)を追い詰め表彰台を狙った。残り2分を切った104周目の1コーナーで555号車メルセデスはオルタネーターのベルトが切れステアリングを取られコースオフ。その隙に52号車スープラが3位へ順位を上げてチェッカーを受けた(再車検の結果、2位の21号車メルセデスが失格となり2位へ。555号車メルセデスはモスSでストップしチェッカーを受けられなかった)。また繰り上がりで20号車NANIWA DENSO TEAM IMPUL Z(田中優暉/大木一輝/平峰一貴)が3位となった。
ST-TCRクラス(全4台)は、24号車HYUNDAI(CHOI JEONG WEON/加藤正将)=ヒョンデ・エラントラN TCRが初参戦して注目を集め、3位でゴールした。優勝は97号車Racer ホンダカーズ桶川 CIVIC(遠藤光博/中野信治/辻本始温)で、オートポリス以来の2勝目を飾った。
ST-1クラス(全1台)は、2号車シンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹)が完走&で敵なしの6連勝を飾った。
ST-2クラス(全8台)は残り9分となった終盤97周目の2コーナーからモスSにかけて、225号車KTMS GR YARIS(一條憲吾/奥本隼士/小林利徠人)をかわした6号車新菱オートDXL夢住まい館EVO10(冨枡朋広/菊地靖/大橋正澄)が逆転で昨年第3戦SUGO以来の優勝を果たした。
■グループ2は15号車Zが制する
■ホンダドライバーがメルセデスをドライブ。外国籍チームで貴重な経験積んだ太田格之進「今後どんなチャンスがやってきても、活かせるはず」
朝8時33分、気温18℃、路面温度22℃のコンディションでスタートしたグループ2は、特にクラス4とクラス5で好バトルが演じられスタンドが沸いた。ST-3クラス(全4台)は、一旦リードをレクサスに許すものの、序盤からトップを走りトラブルなくゴールした15号車Zが昨年開幕戦鈴鹿以来の優勝を遂げた。
ST-4クラス(全7台)は、66号車odula TONE MOTUL ROADSTER RF(猪俣京介/徳井広平/大野尊久/伊藤裕仁)が初優勝。GR86に対し排気量で400cc少ないものの軽量なND型ロードスターが、ST-4クラス初優勝を飾った。また終盤残り10分で演じられた41号車エアバスターWINMAX GR86 EXEDY(石井宏尚/冨林勇佑/尾崎俊介)の冨林と3号車ENDLESS GR86(坂裕之/菅波冬悟/小河諒)の菅波との2位争いのバトルは非常に見応えのあるものとなったが、41号車86が2位、3号車86が3位でゴールした。
S耐の最激戦区であるST-5クラス(全14台)は、こちらもラスト15分を切り88号車村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/岡本大地/吉田綜一郎/有岡綾平)の岡本と120号車MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(本多永一/箕輪卓也/織田祥平)の箕輪による超接近バトルが演じられたが、88号車ロードスターが0.344秒差で逃げ切り今季3勝目を挙げた。
またトヨタ、ホンダ、スバル、マツダ、4メーカーの開発車両によるST-Qクラス(グループ各2台の全4台)は、3台が完走した。
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