eトロン S改めSQ8 eトロンに
バッテリーEV(BEV)の拡大を進めるアウディは、フェイスリフトに合わせて一部のモデル名を見直した。これまでeトロンを名乗っていた大型SUVはQ8 eトロンになり、eトロン SはSQ8 eトロンに改められている。
【画像】航続距離474kmへ アウディSQ8 eトロン・スポーツバック 競合するEV SUVと比較 全147枚
SQ8 eトロンの特徴といえるのが、フロントに1基、リアに2基、合計3基の駆動用モーターを搭載すること。それにより秀でた動力性能と、高精度なトルクベクタリング機能を実現させている。
リアの駆動用モーターを左右個別に制御することで、片側のタイヤに最大で22.3kg-m大きいトルクを掛け、鋭いコーナリングを可能としている。トリプルモーター合計での最高出力は503ps、最大トルクは99.0kg-mがうたわれる。
フェイスリフトで得たアップデート内容は、基本的には穏やかなQ8 eトロンと同等。駆動用バッテリーはエネルギー密度を高め、容量は89kWhから106kWhへ増えた。ワゴンボディの通常のSQ8 eトロンでは、航続距離が355kmから457kmへ伸びている。
今回試乗したクーペボディのSQ8 eトロン・スポーツバックでは、ドライブトレインは同じながら空力特性が貢献し、474kmと僅かに長い。一方でツインモーターのQ8 55 eトロンでは、531kmが主張されている。
凍結路で発揮されるトルクベクタリング
エネルギー効率は、ワゴンボディのSQ8 eトロンで3.5km/kWh。スポーツバックで3.7km/kWhと、ライバルモデルと比較すると少々劣る。
BMW iX xドライブ50の場合、駆動用バッテリーの容量は同等で航続距離は548kmある。動力性能では少し劣るが、ジェネシス・エレクトリファイドGV70はさらに効率が良く、77.4kWhの容量ながら455kmがうたわれている。
いわずもがな、同じ距離を走るとすれば、SQ8 eトロンの方がより充電時間が長く電気料金も掛かる。内燃エンジンでの燃費の差と同じだ。
それでいて、動的能力はアウディのSモデルとして期待するほど、並外れた水準にまでは届いていない。0-100km/h加速は4.5秒でこなし、気持ちが悪くなるほど鋭いダッシュ力を披露する高性能BEVの仲間入りは果たしていても、その楽しさは長くは続かない。
トリプルモーターを活かした、トルクベクタリング機能は素晴らしい。半年ほど前に開かれたメディア向けの試乗会では、凍結した湖上で能力を体験させてもらったが、深く感心させられた。ただし、一般的な路面条件ではQ8 eトロンとの違いは小さい。
確かに、SQ8 eトロンの走りは鋭く機敏ではある。かといって、車重が2650kgある大型SUVを、存分に振り回したいと考えるドライバーの数は多くないだろう。
SQ8 eトロンの形勢は少々芳しくない
一般道での乗り心地は、引き締められたエアサスペンションの影響で少々落ち着きが足りないようだった。不快に感じるほどではないものの、敏捷とはいえない操縦性を踏まえると、もう少し洗練されていてもいい。
SQ8 eトロンは、Q8 55 eトロンより間違いなく速い。ワイドなフェンダーをまとい、車高が僅かに落ち、スポーティにも見える。そのかわり価格は高く、航続距離が短くなる。操縦性やドライビング体験が遥かに勝るかといえば、そういうわけでもない。
同じドイツ勢では、BMW iX xドライブ50の直接的なライバルになるだろう。実際、スペックや価格は接近している。
比較すると、相手はより優れたエネルギー効率や急速充電能力だけでなく、SUVとは思えないような操縦性や洗練性を獲得している。アウディSQ8 eトロンの形勢が少々芳しくないことは、否定できないかもしれない。
アウディSQ8 eトロン・スポーツバック・ブラックエディション(欧州仕様)のスペック
英国価格:10万ポンド(約1660万円)
全長:4915mm
全幅:1976mm
全高:1617mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:4.5秒
航続距離:474km
電費:3.7km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2650kg
パワートレイン:トリプル非同期モーター
駆動用バッテリー:106kWh
最高出力:503ps(システム総合)
最大トルク:99.0kg-m(システム総合)
ギアボックス:−
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冬だわ!