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Team HRCが2023鈴鹿8耐で2年連続優勝、盤石の体制で完全制圧。TSRホンダがランキング首位浮上

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Team HRCが2023鈴鹿8耐で2年連続優勝、盤石の体制で完全制圧。TSRホンダがランキング首位浮上

 三重県の鈴鹿サーキットで8月6日11時30分にスタートを迎えた『2023 FIM世界耐久選手権(EWC)第3戦 “コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第44回大会』の決勝レースは19時30分にフィニッシュを迎え、Team HRC with 日本郵便(長島哲太/高橋巧/チャビ・ビエルゲ)が216周を走破して総合優勝を飾った。

 EWCの第3戦として位置付けられた鈴鹿8耐は、全50チームがエントリーして決勝レースに挑んだ。台風の影響が心配されていたが、土曜日には2017年以来となるトップ10トライアルも行われ、盛り上がりを見せた。

【鈴鹿8耐】初のSCが導入される展開に。レースはいよいよ終盤に突入/6時間途中経過

 そして、迎えた決勝日は曇り空のもとで11時30分にル・マン式スタートによって決勝レースの火蓋が切られ、グレッグ・ブラック(ヨシムラSERT Motul)がホールショットを奪った。

 ポールポジションスタートの高橋巧(Team HRC with 日本郵便)は2番手、3番手にはニッコロ・カネパ(YART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAM)が続いた。さらに4番手にはロケットスタートを決めたマイク・ディ・メリオ(F.C.C. TSR Honda France)が並びオープニングラップを消化。

 Team HRCの高橋は一時ポジションを下げてしまうも、早々に首位に立ち、安定した走りで周回を重ねていく。そして1度目のピットのタイミングで素早い作業で終えて長島がコースインすると、わずか2周目でベストラップを更新する圧倒的な走りを見せて、観衆を沸かせた。

 序盤からすでに転倒やマシントラブルも相次ぐなか、好スタートを決めるもペースが上がらず後退していたTSRホンダが痛恨の転倒。さらに、YARTヤマハもマシントラブルにより西ストレートに止まり、ピットまで押して帰った。しかしEWCフル参戦組ならではの素早いピット作業で、ライダーを送り出し追い上げを図っていた。

 日本勢も序盤から多くのチームがしのぎを削っていく。Astemo Honda Dream SI Racingは、スタートで出遅れるも順調に追い上げて一時3番手に浮上するが、トラブルとクラッシュにより順位を下げる結果に。そして、S-PULSE DREAM RACING-ITECとAutoRace Ube Racing Teamが表彰台争いに浮上し、バトルを繰り広げた。

 レース折り返しの4時間、独走体制のTeam HRCが依然変わらずトップを死守。中盤までSC導入や赤旗が掲示される展開もなく、順調にレースが進められていき、心配されていた天候も、雨が降ることなく曇り空を保っていた。

 ところが、中盤戦に入り5時間が経過した頃、初のSCが導入される。バックストレートで岡村光矩(Shinshu activation project Team NAGANO)が転倒を喫し、コース上にマシンが残されてしまったため、約20分間セーフティカーランとなった。

 SCが開けると、日浦大治朗(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)と浦本修充(SDG Honda Racing)の5番手争い。そして、8番手を走行していたTEAM KODAMAの菅原陸がガス欠によりスロー走行で後退するなど、トップ10の日本勢に動きが出る展開に。

 日没を迎えコースが暗闇に包まれた頃、レースはいよいよ大詰めとなる。残り1時間半に差し掛かる頃、雨を知らせるレッドクロスが振られる展開となり、雨足は次第に強くなる。しかし降ったり止んだりのため、タイヤ選択が分かれることとなった。終盤まで2番手を走行していたヨシムラSERT Motulは、レインタイヤを選択し最後のスティントへ向かった。しかし、アウトラップに転倒を喫し、修復作業に時間を要してしまい、表彰台が遠のく結果となった。

 その隙に、TOHO RacingとSDG Honda Racingが表彰台圏内へとポジションを上げる形に。189周目にはトップ独走のTeam HRCが最後のピットストップへと向かい、エースの長島がスリックタイヤを選択して最終スティントに出ていく。ホームストレート上ではペンライトの灯りがコースを照らすなか、48台のマシンがチェッカーを目指して、走り進めていく。

 そんななか、4番手を走行していたBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが7番手へとポジションを下げてしまう。抜群の追い上げを見せいたTSRホンダが4番手へとポジションを上げている。

 そしてレースは最終盤へ突入。序盤には順位を落としてしまう場面も見られたが、すぐにトップを奪取すると、そのまま最後まで圧倒的な速さと安定感でライバルのみならずトラブルやアクシデントすら寄せ付けなかったTeam HRC with 日本郵便が216周を走破し、トップチェッカー。2022年の鈴鹿8耐では、ホンダにとって8年ぶりの優勝をもたらし、2023年も完璧なレース運びで見事に完全制圧を果たした。

 そして予選で3番手を獲得するも、一時ポジションを下げていたTOHO Racing(清成龍一/國峰啄磨/榎戸育寛)が2位でチェッカー。3位にはSDG Honda Racing(浦本修充/名越哲平/埜口遥希)が入り、日本勢が大いに活躍を見せた。4位にはEWCフル参戦組ではトップとなるF.C.C. TSR Honda France(マイク・ディ・メリオ/アラン・テシェ/タラン・マッケンジー)がつけてランキングトップに浮上した。

 5位はAutoRace Ube Racing Team(ダン・リンフット/津田拓也)、6位はHonda Dream RT SAKURAI HONDA(伊藤和輝/日浦大治朗/荒川晃大)、7位はBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(マーカス・ライターベルガー/イルヤ・ミハルチク/ジェレミー・ガルノニ)、8位はHonda Asia-Dream Racing with SHOWA(モハメド・ザクワン・ビン・ザイディ/アンディ・ファリド・イズディハール/ナカリン・アティラプワパ)、9位はS-PULSE DREAM RACING-ITEC(渥美心/ジョシュ・ウォータース/マルセル・シュロッター)、10位Astemo Honda Dream SI Racing(水野涼/渡辺一馬/作本輝介)というトップ10になっている。

 また、NSTクラスはNCXX RACING with RIDERS CLUB(伊藤勇樹/前田恵助/中山耀介)が優勝を飾り、2位はKawasaki Plaza Racing Team(岩戸亮介/岡谷雄太/佐野優人)、3位にはTeam TATARA aprilia(新庄雅浩/和田留佳/サミュエル・カバリエリ)が入った。

 EWCフル参戦組ではF.C.C. TSR Honda France(マイク・ディ・メリオ/アラン・テシェ/タラン・マッケンジー)は4位、終盤にトラブルに見舞われたBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(マーカス・ライターベルガー/イルヤ・ミハルチク/ジェレミー・ガルノニ)は7位でチェッカーを受けた。そして、予選で速さを見せるも決勝では一時43番手まで後退してしまったYART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAM(ニッコロ・カネパ/マービン・フリッツ/カレル・ハニカ)は凄まじいペースで追い上げを見せ、23位で終えている。

 金曜日から酷暑が続いた2023年の鈴鹿8耐だが、決勝日には25,000人を動員。多くの観客が見守るなか、50台中48台がチェッカーを受けた。リタイアはYSS Mercury Kawasaki Plaza SuitaとYamashina Kawasaki AutoRaceUBE YIC AW EJの2台だった。

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