はじめに
W206世代のCクラスは、世界的な古参メーカーのひとつであるメルセデス・ベンツにとって過渡期のクルマだが、非常に重要なモデルであることに変わりはない。Cクラスとしては、多気筒エンジンを設定しない初の世代であり、同時に完全電動化を意図した開発がされていない最後の世代でもある。
【画像】写真で見るメルセデス・ベンツCクラスとライバル 全17枚
いうまでもなく、それは電動化がされていないというわけではない。事実、シュトゥットガルトは特段の関心を集めることを狙い、欧州で重要となる社用車需要に応えるべく、まずは2タイプのPHEVをCクラスに設定する。ディーゼルベースのモデルも準備中だが、今のところは今回テストする新型C300eのみが購入可能だ。
英国のラインナップを見ると、C300eより安価なモデルはあるものの、トップグレードというわけではない。メカニズムについてはこのあと詳しく解説するが、先代CクラスPHEVのオーナーにはお馴染みのものだ。エンジンは2.0L直4ガソリンターボで、フロントに縦置き。それとトランスミッションの間には、かなりパワフルな電気モーターが配置され、駆動用バッテリーは荷室の床下に搭載される。
ただし、このバッテリーのエネルギー密度は飛躍的に向上している。それにより、いくつかの点ではあきらかに技術的な先進性を得たが、ほかの点では古き佳きメルセデスの美点を備えるクルマとなっているはずだ。
新型C300eのバリエーションは豊富で、セダンもワゴンも、後輪駆動も四輪駆動も設定される。今回は基本形ともいうべき、後輪駆動セダンをテストする。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
Cクラスとしては5代目にあたるW206型は、モジュラー・リア・アーキテクチャーの第2世代、MRA IIをベースとしている。現時点で、これを用いるモデルは現行のCクラスとSクラスのみだ。
これこそ、シュトゥットガルトが強く訴えたいことだ。これまでも、フラッグシップサルーンに用いられた技術を、最量販セダンへ下げ渡すことの効果を、彼らは声高に主張してきた。とはいえ、先代のSクラスとCクラスもプラットフォームを共有していたので、メルセデスのこれまでを見てきたひとならば、これは予想できたはずだ。
W206は、W205より少しだけ大きくなったが、縦置きエンジンの後輪駆動ベースという、このカテゴリーの伝統的レイアウトを踏襲している。内燃エンジンはすべて4気筒で、48Vマイルドハイブリッドでアシストしている。
1.5Lガソリンターボは、エントリーレベルのC180に搭載される170ps版と、C200の204ps版を設定。259psのC300と、今回テストするC300eは、2.0Lガソリンターボだ。ディーゼルは200psのC220dと265psのC300dで、搭載するのはOM654型2.0Lユニットの改修版。新型クランクシャフトと、ISGことインテグレーテッド・スターター・ジェネレーターを装備する。
トランスミッションは、すべてのモデルで9速ATを採用。PHEVのC300eは、129psの永久磁石励起式モーターを組み込み、140km/hまで駆動力を発生する。駆動用リチウムイオンバッテリーは先代C350eより小型化しつつも、容量は2倍近い25.4kWhとなった。スリムになったバッテリーパックにより、荷室フロアは段差がなくなりフラット化されている。
とはいえ、重さはいかんともしがたい。今回は計測できなかったが、公称の空車重量は2005kgで、これはBMW330eを235kg、DS 9のPHEVモデルを166kg上回る。もっとも、2台ともバッテリー容量はC300eの半分にも届かないが。
C300eのサスペンションは、Cクラスのほかの中間グレードとはいささか異なっている。AMGラインのみの設定だが、他グレードのAMGラインに装着されるローダウン仕様のスポーツサスペンションは備えないのだ。また、フロントはコイルスプリングだが、駆動用バッテリーで重量の増したリアにはセルフレベリング機能付きエアスプリングを装備し、より緊密なボディコントロールを目指している。
ほかのAMGラインにも採用されるプログレッシブギアのステアリングは装備されるが、今後投入されるC43やC63に用意される四輪操舵とのセットは選択できない。ホイールは空力デザインが施された18インチで、タイヤは前後で幅が異なる。銘柄は、効率重視のミシュラン・プライマシー4だ。
内装 ★★★★★★★★☆☆
プレミアムブランドが用意するメディア貸し出し用の広報車で、今回のC300eほど質素な装備内容のクルマは珍しい。英国で販売されるガソリンハイブリッドのCクラスとしては、もっともシンプルで安価な仕様と言っていいだろう。適用されている唯一のオプションは、メタリック塗装だった。
それでも、室内に収まってみると、じつに高級感があり、装備の充実した空間だと感じられる。現実的にみて本当に必要なアイテムはすべて標準装備され、いまどきの高級車として、第一印象は歓迎できるものだった。
ところが、じっくりと観察してみると、快適性や質感のレベルは大いに賞賛できるというほどではない。もっとも、十分に合格点を与えられるレベルではあるが。ドライバーズシートに収まると、身の回りのスペースはかなり広く、適切に配置された操縦系はアジャストも効く。
ただし、スポーツシートは、座面長調節があるにもかかわらず、快適性やサポート性が飛び抜けていいわけではない。また、足元空間のつま先周りがおかしなくらい制限されていて、薄っぺらいプラスティックが目立つのは残念なポイントだ。
内装のほとんどはハイクオリティでソリッド感があるものの、ダルくて味気ないモールディングや、エッジの尖ったところもある。メルセデスらしからぬ明らかなコストカットの痕跡を、ここまであからさまにみせられたくはなかった。
操作系は、デジタル満載となっている。ドライバー正面に据えられた12.3インチのデジタルメーターは、最初の表示は複雑でごちゃついているが、使いやすいように設定し直すことができる対応性がある。
センターコンソールを占拠するのは、傾斜して設置された、11.9インチの縦型インフォテインメントディスプレイだ。画面下端のセクションには常時エアコン操作パネルが表示されている。
後席の広さは、このセグメントとしては平均的なレベルに過ぎない。たいていのひとならば快適に過ごせる十分なスペースがあるものの、極端に背が高かったりするとそうでもない。
トランクスペースはそこそこワイドで、後席シートバックを倒せば長いものも積めるが、床下にバッテリーを積んでいるので深さはそれほどでもない。もっとも浅い部分はトランクスルー部分で、310mmしかない。かさばる荷物は積み込みに困るかもしれないが、積載性能を重視するのであればワゴンを選ぶという方法もある。
走り ★★★★★★★★★☆
このクルマは重量2tのCクラスかもしれないが、発進ではその重量を苦もなく引き受ける。寒い日の、湿ってすべりやすいプルービンググラウンドで、C300eは十分なトラクションとドライバビリティを発揮し、0-97km/hは6秒を切るのだ。そのために特別な操作は必要ない。せいぜい、やや軽めにスロットルを踏み込むくらいだ。
もしも天候や路面のコンディションが万全なら、5.5秒を出せたに違いない。となれば、ほとんどの競合車をコンマ5秒は凌ぐということになる。
追い越し加速のパフォーマンスは、多気筒ディーゼルを積む同クラスのセダンに匹敵する。ただし、電気モーターが最大トルクを瞬間的に発生させることで、レスポンスやメカニカルな洗練性では上を行く。
だから、Cクラスにもはや6気筒は必要ないというメルセデスの主張も、ある意味では間違っていない。4速での48-113km/hは6.5秒に過ぎず、2020年にテストした6気筒ディーゼルのBMW 330dツーリングはこれより0.7秒速かったのみだ。
そうはいっても、C300eの本当の売りは速さではない。むしろ、ゆったりとしたドライバビリティやクルージングでの優れたマナーにある。その走りの質は、メルセデスのブランドには申し分なく合致しているように思える。
2.0Lエンジンは、普段から熱狂的に回るユニットではないが、控えめなクルージングでは落ち着いている。9速ATは、クルマへの要求が強くなったときにはシフトダウンが遅いようにも思えるが、普通に走っていれば変速の流れを妨げるようなことなく、いい作動ぶりをみせてくれる。
複雑なパワートレインであることに疑いの余地はないが、メルセデスはその複雑さを望みのままに扱えるよう仕立てた。レーダーをベースにしたシステムとしては、クルーズコントロールは備わらないが、自動エネルギー回復機能は標準装備される。これにより、トランスミッションをDオートに入れておけば、スロットルが開いていないときに、前方の道路状況に応じてコースティングや回生を行ってくれるのだ。
このシステムに慣れて、信頼を置きさえすれば、じつにいい働きをみせてくれる。とはいえ、そこを機械任せにするのに嫌気がさしたら、ステアリングコラムに装着されたシフトパドルで、コースティングを最大限使うD+か、ワンペダル運転が可能なD−か、いずれかのモードを選択できる。そうすれば、より予想しやすく一貫したオペレーションをするようになる。
メルセデスではおなじみのダイナミックセレクトはトップレベルのものが採用され、スポーツモードではおそらく期待されるとおり、パドルでギアの選択ができる。
たしかに、パフォーマンスそのものは強力だ。とはいえ、エンジンは回転を上げると粗くておもしろみがないものになり、ドライバーの熱意を削いでしまう。また、ブレーキペダルのフィールは、軽くてフワフワしている。
使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
インフォテインメント
Cクラスに設定されるタッチ式11.9インチ画面のMBUXインフォテインメントシステムは、新型Sクラスから導入されたバージョンだ。しかるべき機能はすべて備えているが、期待したほど直観的に操作できないというテスターもちらほら。また、傾斜したディスプレイの角度が、日光の下では指紋を見えやすくしているという指摘もあった。
画面とは別の、タッチ式入力デバイスは用意されず、メニューをスワイプやスクロールしなくてはならないので、操作時に路上から視線を外すことを強いられるのが、システムを使いづらくしている。
ステアリングホイールには親指でカーソルを動かす操作コンソールが設置されている。たしかにきちんと機能してくれるのだが、操舵中に誤って触れてしまうことがかなり多い。
自然な会話調の入力ができる音声認識機能は、使いやすさを向上させているかもしれないし、文句なく使える場合も間違いなくある。それでも、画面の高い位置にボタンやショートカットがあれば、もっと使いやすかったはずだ。
ワイヤレスのスマートフォンミラーリングとデバイス充電機能は、標準装備されている。
燈火類
自動減光機能付きのLEDヘッドライトは標準装備。上位機種にはアダプティブタイプのデジタルライトが与えられる。パワフルで、ロービームの高さもいい感じだが、防眩機能は対向車への反応がやや遅い。
ステアリングとペダル
運転席の足元は、つま先周りがややタイトに思えるが、ペダルそのものは上々の配置で、左側のフットレストも含めて十分なサイズがある。ステアリングコラムの調整幅は広いが、電動式となるのは上級機種のみだ。
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
C300eは根っからのスポーツセダンではないし、走り志向のドライバーが進んで選ぶクルマでもない。だが、ハンドリングは上々だ。明らかにソフトなセッティングのサスペンションに予想するよりも、実際はずっといい。
すべりやすく過酷なコンディションでも、十分に引き締まったボディコントロールと、文句ないバランスのグリップレベルを示してくれる。かなり飛ばせるし、おもしろみのあるドライビングスタイルをキープできる。そして、車両重量に起因する、あらゆる好ましくないインパクトを食い止めてくれるのだ。
向きを変える動きは、急激ではなくプログレッシブ。タイトめのコーナーでは、ハンドリングのアジャスト性があるところをほのめかすが、56.1kg-mものトルクがある後輪駆動セダンにそれがなかったらむしろおかしい。もっとも、完全に後輪駆動らしいハンドリング全開、というわけではないのだが。
それでも、望めば十分以上に高いレベルのグリップやハンドリングの精確さ、長距離を走らせるに足る落ち着いた挙動などを発揮し、元気よく走らせるのもイージー。これはおそらく、メーカーの狙いどおりの仕上がりなのだろう。
シャシーのチューンは非常にしなやかで、
常にややコンフォート寄りだと感じられる。とはいえ、山間道路のようなところを走っても、浮き上がりや過剰なロールが発生する手前で踏みとどまり、ピッチもみごとに抑え続ける。ハードにコーナリングすれば多少のロールは出るが、グリップレベルの安定性に影響を与えるほどでも、スタビリティコントロールが邪魔なくらいに介入するほどでもない。
グリップの限界域では、まず前輪がワイドに流れるが、リアはバッテリーの重さが効いて、おそらくこうあってほしいと思うような動きになる。
平坦ではない道を飛ばした際の、上下方向のボディコントロールは良好だ。減衰が効いていて、混乱に陥ることにはまずなりそうもない。ステアリングはとても軽く、フィルターを通したようなフィールで、運転に役立つような類の鮮明なフィードバックはやや不足気味だ。同じことは、ブレーキペダルのチューニングにも当てはまる。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆
巡航時のC300eは、乗り心地が穏やかな、非常にマナーのいいクルマだ。数ヶ月前に同じようなコンディションでテストした、DS 9のE-テンスことPHEV仕様は、主観的にみて嬉しくなるくらい洗練されたクルマだったが、それと比較しても、48km/hと80km/hでの計測値で勝っている。エンジンを停止できることと、ロードノイズや風切り音が抑えられていることが勝因だ。
話が違ってくるのは、エンジンが回って、しかも回転数が上がったときだ。4速全開時には、DS 9を2dBA上回る。停車中の、エンジンがアイドリングしているときもメルセデスのほうがうるさい。
走行中の静謐さは、そこそこ荒れた舗装に遭うと乱されるところもあり、わずかながら室内へ入り込んだノイズが反響しさえする。それでも、全般的にみればこのクルマは、静かでリラックスできるものの部類に入る。
運転席からの視認性は良好だ。いまどきの小型サルーンとしては、典型的といったところだろう。安全のために太くなったピラーが、視界をいくぶんか遮るのはやむを得ない。主要な操縦系のエルゴノミクスはまっとうで、座面はコクピットに気持ちよく収まっていると思える程度には低く、それでいて十分な見晴らしが得られる程度には高い。
BMW 3シリーズのドライビングポジションは、もっとスポーティさを自然に感じられるような仕立てだ。対するこのCクラスは、利便性と快適性、理想的なヒップポイントがうまく融合されたものとなっている。
ただし、運転席のシートそのものは、もっと快適なクッションや、しっかりしたサポートを効かせられたのではないかと思わされてしまう。英国仕様のシートは1タイプのみで、メモリー機能付きの電動調整か、手動調整かは、グレードごとに決まっている。コンフォートシート、のようなオプションはない。現状、サイドサポートは見た目のわりにまったく用をなさないし、肩とももの周りは改良の余地が大いにある。
購入と維持 ★★★★★★★★★☆
C300eのEV航続距離は、公称109kmで、英国ではあと4kmほど長ければ社用車税制が有利になる。車両価格に対する課税額が、現状の8%から5%に軽減されるのだ。
それでも、競合する多くのPHEVに比べれば、年間の維持費でアドバンテージがある。その差は、年額でおよそ720ポンド(約11.2万円)だ。
テスト結果から計算する現実的な航続距離は、市街地でスローなペースに徹したとして80kmをやや上回る程度。速度を上げたなら、70km台半ばといったところだ。だとしても、このクラスでは40km程度というのが現実的な平均値なので、C300eを選ぶ大きな動機となるだろう。
車両価格はプジョーやDS、はたまたボルボなどの競合モデルよりリーズナブルで、残価率も高いので、販売には有利な要素が揃っている。標準装備も非常に充実しているが、オプションを選び出したらかなり出費が増える可能性もあるのはいうまでもない。
長距離移動が多かったり、頻繁に充電できなかったりした場合を想定しても、われわれが計測した113km/h巡航燃費の結果からすれば、EV走行込みでの燃費は17.3km/Lとかなり立派な数字となるはずだ。
スペック
レイアウト
Cクラスは現在、4気筒のみのラインナップだが、フロント縦置きレイアウトで、その直後に置かれた9速ATを介して後輪もしくは四輪を駆動する。
サスペンションは前後マルチリンクで、AMGの名を持つモデルはほとんどがローダウンスプリングを装着するが、C300eはその例外だ。プラグインハイブリッド用の駆動バッテリーは、荷室床下にマウントされる。
エンジン
駆動方式:フロント縦置き後輪駆動
形式:直列4気筒1999ccターボチャージャー、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ83.0×92.4mm
圧縮比:10.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:204ps/-rpm
最大トルク:32.6kg-m/-rpm
エンジン許容回転数:-rpm
ハイブリッドアシスト:永久励起同期モーター
モーター最高出力:129ps
モーター最大トルク:44.9kg-m
システム総合出力:312ps/6100rpm
システム総合トルク:56.1kg-m/2000~4000rpm
馬力荷重比:156ps/t
トルク荷重比:27.9kg-m/t
エンジン比出力:102ps/L
ボディ/シャシー
全長:4793mm
ホイールベース:2865mm
オーバーハング(前):835mm
オーバーハング(後):1093mm
全幅(ミラー含む):2030mm
全幅(両ドア開き):3580mm
全高:1446mm
全高:(トランクリッド開き):1730mm
足元長さ(前席):最大1140mm
足元長さ(後席):740mm
座面~天井(前席):最大1030mm
座面~天井(後席):920mm
積載容量:315L
構造:スティールモノコック
車両重量:2005kg(公称値)/-kg(実測値)
抗力係数:-
ホイール前/後:8.0Jx18/9.0Jx18
タイヤ前・後:225/45 R18 95V/255/40 R18 99V
ミシュラン・プライマシー4 MO
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:9速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.35/8.2
2速:3.24/13.7
3速:2.25/19.6
4速:1.64/26.9
5速:1.21/36.5
6速:1.00/44.3
7速:0.87/50.9
8速:0.72/61.3
9速:0.60/73.7
最終減速比:2.82:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:16.9km/L
ツーリング:17.3km/L
動力性能計測時:7.6km/L
EV航続距離:77km
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/L
中速(郊外):-km/L
高速(高速道路):-km/L
超高速:-km/L
混合:166.7km/L
EV航続距離:109km
燃料タンク容量:50L
駆動用バッテリー:25.4/-kWh(総量/実用量)
現実的な航続距離(エンジンのみ):約845km
現実的な航続距離(エンジン+モーター):約922km
CO2排出量:13g/km
サスペンション
前:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー
後: マルチリンク/エアスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.4回転
最小回転直径:11.5m
ブレーキ
前:342mm通気冷却式ディスク
後:320mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、EBA、EBD
ハンドブレーキ:電動、ステアリングコラム右側にスイッチ配置
静粛性
アイドリング:44dBA
全開時(4速):78dBA
48km/h走行時:59dBA
80km/h走行時:64dBA
113km/h走行時:68dBA
安全装備
ABS/EBA/EBD/ESP/AEB/BSM/LKA/アテンションアシスト
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
発進加速
テスト条件:湿潤路面・みぞれ/気温4℃
0-30マイル/時(48km/h):2.2秒
0-40(64):3.2秒
0-50(80):4.3秒
0-60(97):5.8秒
0-70(113):7.3秒
0-80(129):9.3秒
0-90(145):11.5秒
0-100(161):14.1秒
0-110(177):17.3秒
0-120(193):21.1秒
0-402m発進加速:14.3秒(到達速度:162.1km/h)
0-1000m発進加速:25.7秒(到達速度:209.2km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
DS 9 E-テンス 225パフォーマンスライン・プラス
テスト条件:雨天/気温10℃
0-30マイル/時(48km/h):3.5秒
0-40(64):5.0秒
0-50(80):6.6秒
0-60(97):8.6秒
0-70(113):10.6秒
0-80(129):13.1秒
0-90(145):15.8秒
0-100(161):19.0秒
0-110(177):23.0秒
0-120(193):28.1秒
0-402m発進加速:16.5秒(到達速度:148.7km/h)
0-1000m発進加速:28.8秒(到達速度:195.2km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):1.9秒(2速)/2.3秒(3速)
30-50(48-80):2.1秒(2速)/2.4秒(3速)/3.1秒(4速)/4.4秒(5速)
40-60(64-97):2.6秒(3速)/3.2秒(4速)/4.3秒(5速)/5.2秒(6速)/6.5秒(7速)
50-70(80-113):3.0秒(3速)/3.4秒(4速)/4.4秒(5速)/5.4秒(6速)/6.4秒(7速)/8.5秒(8速)
60-80(97-129):3.7秒(4速)/4.6秒(5速)/5.6秒(6速)/6.7秒(7速)/8.4秒(8速)/11.5秒(9速)
70-90(113-145):4.2秒(4速)/4.9秒(5速)/5.9秒(6速)/7.0秒(7速)/9.0秒(8速)/11.6秒(9速)
80-100(129-161):4.9秒(4速)/5.4秒(5速)/6.2秒(6速)/7.4秒(7速)/9.8秒(8速)/12.7秒(9速)
90-110(145-177):6.0秒(5速)/6.7秒(6速)/8.0秒(7速)/10.9秒(8速)
100-120(161-193):7.2秒(5速)/7.6秒(6速)/9.0秒(7速)
制動距離
テスト条件:湿潤路面・みぞれ/気温4℃
30-0マイル/時(48km/h):10.2m
50-0マイル/時(64km/h):29.1m
70-0マイル/時(80km/h):56.9m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.29秒
ライバルの制動距離DS 9 E-テンス 225パフォーマンスライン・プラス
テスト条件:雨天/気温10℃
30-0マイル/時(48km/h):9.8m
50-0マイル/時(64km/h):26.9m
70-0マイル/時(80km/h):53.2m
各ギアの最高速
1速:51.5km/h(6200rpm)
2速:85.3km/h(6200rpm)
3速:122.3km/h(6200rpm)
4速:167.4km/h(6200rpm)
5速:226.9km/h(6200rpm)
6速:244.6km/h(5958rpm)
7速:244.6km/h(5536rpm)
8速:244.6km/h(4817rpm)
9速:(公称値):245.0km/h(3322rpm)
9速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1346rpm/1538rpm
結論 ★★★★★★★★★☆
プラグインハイブリッドのパワートレインは、クラスをリードするエグゼクティブセダンには欠かせない要素となった。このセグメントへ参入するにあたり、出来のいいPHEVなしには、このクラスで支配的なドイツ勢を凌ぐことは難しい。
しかし、BMW 330eが驚くほど長い間、このセグメントの頂点に君臨してきたとはいえ、顧客を取り込むのにもっとも直接的なルートを、非常に効果的に選んだクルマと競い合うために、より強力になり、航続距離を長くした改良モデルが必要となるだろう。
そんな、ガソリンハイブリッドとしてより多くをもたらしてくれるクルマが、今回のC300eだ。より優れたパフォーマンスや洗練性、燃費、そして、これが重要なのだが、EV航続距離を備えている。最後の要件は、ランニングコストの低さにも移動範囲の広さにもつながる。
そんな仕様であってさえ、Cクラスはミュンヘン生まれのクルマがみせるような魅力ある走りを備えることはできなかった。さらに、キャビンのパッケージングやマテリアルの質感にも改善の余地がある。
もしも今回のテストが、PHEVではないパワートレインを積む仕様だったならば、おそらくクラストップの座には就けなかっただろう。しかし2022年現在、このC330eこそ、もっとも重要なCクラスであり、堂々たるクラスベストといえるクルマだ。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダースほかのマーケットでオプション設定される直流55kW充電への対応が、英国では導入されていない理由がわからない。パブリックな急速充電施設を使えれば、PHEVの大きな売りになると、個人的には思えてならないのだが。
イリヤ・バプラート英国では、アヴァンギャルド仕様が買えないのは残念だ。より温かみと明るさのあるインテリアのマテリアルや、より洗練されたエクステリアが備わっているのに。数は売れないかもしれないが、プレミアムブランドなら幅広い選択肢を用意してほしいものだ。
オプション追加のアドバイス
スタンダードなC300e AMGラインのセダンか、フル装備のプレミアム・プラス仕様のステーションワゴンか、シンプルにその2択だ。いずれにせよ、ドライビングアシスタンスパッケージ・プラスは付けておきたい。
改善してほしいポイント
・荷室の床下に、充電ケーブルの収納スペースがほしい。
・高回転時のエンジンは、もう少し静かでスムースにしてもらいたい。
・EV航続距離があと3~4km伸びると、税制的に有利になるのだが。英国向けに、細いタイヤと空力パーツを装備した仕様が用意されるとありがたい。
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みんなのコメント
完全な音声操作が確立されればその不満は払拭されるだろうが、重要度が高い操作は直感的に操作できる物理スイッチの方がいいと思う。
どれが新しいのかわからないw