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【懐かしの東京モーターショー 19】2003年、日産は新発想のシティコミューター「エフィス」に先進技術を投入

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【懐かしの東京モーターショー 19】2003年、日産は新発想のシティコミューター「エフィス」に先進技術を投入

1954年、東京モーターショーの前身である「全日本自動車ショウ」が開催されてから、2019年で65年が過ぎた。そんな東京モーターショーの歩みを、当時のニューモデルやコンセプトカーなど、エポックメイキングなモデルを軸に紹介する。今回は、2003年の第37回ショーを振り返ってみたい。

さまざまなイベントで参加・体験型ショーを目指す
2002年には商用車ショーの第36回ショーが開催され、乗用車・2輪車ショーとなった2003年の第37回ショーは、参加・体験型ショーを目指し、会場の内外を問わずさまざまな場所でイベントを多数実施して双方向的コミュニケーションを試みた。出品車は引き続き「環境・安全・IT技術」がキーワード。ようやく街を走りはじめた燃料電池車は、新コンセプトに進化。トヨタ PM、スズキ・モバイルテラスといった新提案車は、個性的なスタイルとともに多くの関心をそそった。

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■日産 エフィス(タイトル写真)
全長3000×全幅1600×全高1550mmというコンパクトボディにの中に、大人3名+アルファのスペースを確保し、2050mmのショートホイールベースで小回り性能を確保した、未来の都市生活にマッチする新発想のFCV(燃料電池)コミューター。3.5シーターコンセプトを採用したキャビンは2つのシートに重点を置いてデザインされ、1名乗車のときは助手席側に格納したローテーショナルインストルメントパネルを引き出し、カップホルダーや小物収納として使用できる工夫が取り入れられている。インパネと呼べるものはなく、凹面形のスポーク面を持つステアリングの奥に透明ELを採用したメーターをレイアウトするフローティングパネルデザインを採用したのも新機軸だった。

パワートレーンは燃料電池スタックと小型高効率を実現した新開発のスーパーモーター+インバーターの組み合わせで、これらをコンパクトなラミネート形リチウムイオン電池とあわせて床下に配置することでキャビンスペースの拡大を図っている。航続距離を延ばすための軽量化も抜かりなく、アウターパネルには電解染色アルミニウムを採用したほか、ドアを運転席側1、助手席側2の3ドアとしている。

■トヨタ CS&S
ヨーロッパ・デザインスタジオのED2(イーディースクエア)が開発した、スポーツカーデザインのコンセプトカーで、欧州市場向け製品デザインの将来指針であると説明された。「CS&S」という車名はコンパクトスポーツ&スペシャリティを意味する。全長3940×全幅1800×全高1120mmのワイドボディは、2シーターをイメージしたキャノピーと4輪駆動の力強い走りを予感させるホイールアーチを有機的に融合して幾何学的なフォルムを創出した。一見2シーターだが、リアキャノピーをスライドさせると後部座席が出現する2+2シーターで、前席はシートバック部が前方に格納されセキュリティカバーとなるカプセルシートとなっている。

外装同様内装も馬蹄形をモチーフにしていて、ドライバーとパッセンジャーに独立した空間を提供するデザインとなっている。また、空中に浮かぶように表示される球体を手で触れるように直感的に操作するスペースタッチの採用で、ストレスフリーなインターフェースも実現した。パワートレーンはミッドシップ搭載した1.5Lガソリンエンジン+高出力モーター(THS II)で後輪を駆動、前輪をモーターで駆動するE-Fourによる4輪制御を採用し、優れた運動性能を実現している。目標性能は、最高速度は205km/h、0→100km/h加速は8.6秒、10・15モード燃費は33km/Lと公称している。

■マツダ IBUKI(息吹)
ライトウエイトオープンスポーツのDNAを最新の技術で原点回帰させた、未来のロードスターの提案が「息吹」だ。マツダは「ライトウエイトオープンスポーツにおける究極のファン to ドライブ、走りの機能を支援しロードスターのアイデンティティを継承・進化させたデザイン、オープン時の快適性と安全性を目指すものである」とアナウンスした。全長3640×全幅1720×全高1230mm、ホイールベース2330mmのボディに180ps/180Nm(目標値)を発生する1.6Lの直4DOHCを積むが、中速域以下のトルクをモーターで補強するハイブリッドとしたのが特徴だ。

また、ファン to ドライブの領域では、エアコンユニットをシート後方に配置してエンジンをNB型ロードスター比で400mm後方にレイアウトしたほか、15kg以上の主要部品をすべてホイールベース内に配置するスーパーフロントミッドシップレイアウトを採用。人馬一体の走りを具現化する鍵となるヨー慣性モーメントの約15%低減を実現している。さらに、オープン化で避けられない剛性低下は、ハイマウントバックボーンフレームのトンネル下にロアバックボーンフレームを追加した新開発のツインバックボーン構造で解消。FRP製ボディパネル、アルミ製ブレーキディスク、CFRP製プロペラシャフトなど軽量素材の多用で軽量化も実現していた。

■ホンダ HSC
「極限の高性能と、誰もが操れる自在性の融合」をコンセプトに、誰もが走りの醍醐味を体感できるピュアスポーツを目指して開発されたミッドシップカー。ポテンシャルをフルに引き出すため、ロングホイールベース&ショートオーバーハングのパッケージでデザインされたボディは、全長4250×全幅1900×全高1140mm、ホイールベース2660mm。このリアミッドに300psオーバーを発生する小型軽量V6ユニットを横置き搭載するなど、NSXをさらに研ぎ澄ましたレイアウトに仕上げられている。トランスミッションは、素早いシフトチェンジを可能にするダイヤル式シフト+パドルシフトだ。

カーボン・アルミ・コンポジットのモノコックに架装された官能的なエクステリアには、被視認性の高い高輝度LEDリアコンビネーションランプを採用。ドアミラーの替わりにCCDリアビューカメラを備えるなど、先進技術の搭載でも目を引いた。コクピットはカーボンをはじめ、カラードアルミや結晶アルミ、ヌバック革などの異素材を随所に配置。運転の集中力を高めるため、ふたつの情報を遠近感をもたせてひとつのメーターで表示するレイヤードインフォメーションメーターも搭載していた。S500から始まるホンダのスポーツDNAを継承する、新次元ピュアスポーツの提案として十分な説得力を持っていた。

懐かしの東京モーターショーバックナンバー

[ アルバム : 2003年の東京モーターショー はオリジナルサイトでご覧ください ]

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