■日本初のフードトラックサブスク「フードトラックワン」とは?
新型コロナウィルス感染拡大防止のための緊急事態宣言発令による自粛要請は、日本経済に多大なダメージを与えています。
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なかでも、飲食業界は過去30年において1番の倒産数といわれるほど、追い込まれている状況です。街を出歩く人々も少なくなり、お店を開けていても思うように集客を得られないことから、悲痛な叫びを上げる事業者が増えています。
こうした飲食業界の落ち込みを受け、株式会社メロウでは2020年4月27日から「フードトラックワン」をスタートしました。
このサービスは、定額制のサブスクリプション形式でフードトラックを提供し、保険の対応、場所の確保、開業支援など、あらゆるサポート体制がセットになった日本初のサービスです。
クルマのサブスクは、近年で目まぐるしく発展しています。2018年からはボルボの「スマボ」、2019年からはトヨタ「KINTO」や中古車販売店ガリバーを運営する株式会社IDOMから「NOREL」など、多くのサービスが開始されています。
クルマのサブスクリプションとは、「個人向けカーリース」とも呼ばれ、初期費用や維持費を抑えたり、短い期間で乗り換えることができるといった特徴があります。購入よりも手軽に利用できるサービスとして人気です。
では、今回のフードトラックのサブスクとは、どのようなサービスなのでしょうか。クルマと違って、ユーザー層の求める基準は異なります。
実際に、サービス開始に至った経緯や現在の状況について、株式会社メロウの担当者は、以下のように話します。
――フードトラックワンをスタートしたきっかけについて教えてください。
フードトラックの拡大には、3つのポイントが需要になります。ひとつ目にちゃんとしたクルマ、ふたつ目に出店場所の確保、3つ目にノウハウで、世間にはこうした情報が非常に少ないです。
その結果、フードトラック開業をはじめる人の多くが失敗を経験しています。実際に、こうした事業者からの問い合わせが多かったことが、フードトラックワンの展開に踏み切るきっかけとなりました。また、フードトラックの拡大はここ1年から2年で急激に伸びています。
――実際に、どういった方がフードトラックワンを利用されていますか。
飲食店経営に憧れを持っている人、飲食店業界の経験を積んで独立を考える人、自分のお店を持ちたい人など、個人開業を検討する方も多いです。
ただ、固定店舗となれば1000万以上の費用もかかるため、なかなかチャンレンジに踏み切れない人も多いでしょう。
そこで、フードトラックならば、費用を抑えられることもあり、参入を考えて問い合わせをされる人も多いです。また、既に店舗を持っている事業者さんが、多角経営のために利用される人もいます。
※ ※ ※
フードトラックワンが提供している車両は、フードトラックを専門とする架装業者に施工を任せ、長持ちして壊れにくく安全性の高いものを導入しているといいます。
フードトラックは、通常のメーカーで生産していないため、自動車メーカーのベース車に架装を施すことで完成します。
■フードトラックはコロナ禍で需要拡大?
2020年2月くらいから日本でもコロナの影響が出ています。コロナは、フードトラックにどのような影響が及んでいるのでしょうか。
――現在、フードトラック事業の需要は拡大していますか。
コロナショックによる飲食店への影響が大きいため、多角経営化を試みる飲食店が増え、フードトラックに注目する事業者さんも増えました。
その結果、弊社への関心も高まり、開業相談は3月に比べ5月は3倍のペースで増えており、1日10件以上の問い合わせがあります。5月の段階で納車が決まっているフードトラックは3台あり、5月末以降には新たに1台納車予定です。
また、問い合わせの傾向にも変化があらわれています。コロナ以前は個人開業の人からの問い合わせが大半でしたが、現在は既に店舗を持っている飲食店からの問い合わせが7割を締めています。
これは、イートインだけの営業が厳しくなっていることが考えられます。テイクアウトやデリバリーだけでは飲食ビジネスを成り立たせるのは非常に難しく、イートイン時の売上に満たすことができません。
その結果、多角経営も視野に入れて、フードトラックへの参入を考える事業者さんが増えているようです。
今後、コロナが落ち着いても、フードトラック自体のニーズは増えていくと思います。これは、デロッパーや施設側の事情も含まれています。
また、向こう数十年で日本の人口は徐々に減っていくとされており、これもフードトラックの需要に大きく関係してくるでしょう。
人口が減る一方で、不動産価値は下がらないため、お客は減るけど家賃台が変わらない状態になります。
そうなれば固定店舗の維持も難しくなっていくでしょう。そのため、人がいる場所に移動できるフードトラックはひとつの選択肢になります。
※ ※ ※
日本初のフードトラックを使ったサブスクリプションは、需要の拡大とともに今後も増えているかもしれません。
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