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ANEST IWATA RC Fが進化を実感する予選5番手。最上位スタートに「チャンスはある」

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ANEST IWATA RC Fが進化を実感する予選5番手。最上位スタートに「チャンスはある」

 8月26日に鈴鹿サーキットで開催された2023スーパーGT第5戦『SUZUKA GT 450km RACE』の公式予選で、古谷悠河とイゴール・オオムラ・フラガがアタックしたANEST IWATA Racing RC F GT3がチーム最上位となる予選5番手を獲得。今季は注目を集める体制ながらここまで無得点に終わっているなか、決勝に向けて好グリッドを得た。

 2023年シーズン、『No Theory. 夢ある無謀を。』をテーマにグランツーリスモとタッグを組み、ドライバーにはバーチャルとリアルの二刀流で活躍するフラガと、2021年フォーミュラ・リージョナル王者の古谷悠河をメインに、450kmレースでは女性ドライバーの小山美姫を第3ドライバーに起用するなど、話題を集めているANEST IWATA Racing with Arnage。

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 しかし、迎えたシーズンは開幕戦岡山でウエットコンディションのなか予選7番手を獲得する活躍をみせたものの、決勝では展開と噛み合わないことに加え、群雄割拠のGT300の洗礼を浴び、ここまでノーポイントに終わっている。そんななかで迎えた第5戦鈴鹿の土曜予選日、ANEST IWATA Racing RC F GT3は午前中の公式練習をクラス2番手で終え好調さを披露するも、調子は決して良くなかったという。

「公式練習でイゴール(フラガ)が最初に走り始めたときに調子が良かったので、僕に変わってからセットアップを変更してみました。ですが、そのセット変更があまり良くない方向にいってしまいました」と古谷が振り返る。

「そこからはいろいろと(元のセットアップに)戻しつつ、ほかのことも試してみたところ、良いバランスに戻ったなかで予選Q1を迎えました。アタックではデグナーのふたつめで少しロスはありましたけど、そのほかはまとめられたので、それなりのタイムを記録することができました」

 古谷は予選Q1A組を5番手で通過し、パートナーのフラガにQ2を託す。そのフラガは最後のアタックで1分58秒834を記録して今季最上位となる5番手で予選を終える。しかしフラガは、自身のアタックについては「そこそこ」なものだったと語り、5番手獲得の喜びと同時に、悔しさも伺わせた。

「3番手と4番手まで結構僅差だったので『あとちょっとだったな』という気持ちもあります。でも、チームの予選最高順位ですし、決勝も450kmと長く、何が起こるか分かりません。そこを踏まえると、このポジションからスタートできることは、すごくポジティブだと思っています」

 ANEST IWATA Racing RC F GT3は、第4戦富士のレース前にTCD(トヨタ・カスタマイジング&デベロップメント)のシミュレーターでテストを実施しているのは既報のとおり。そのテストのときには第5戦向けの確認も行い、古谷は「そこで見つけたセットアップを今回も持ってきたのが良くて、クルマも進歩している」と語る。

 決勝に向けては「もちろん上位を狙っていきたいですけど、まだ僕たちはポイントを獲得できていない状況です。ですので、最低限ポイントを獲りつつ、もちろん表彰台も狙っていきたいです」と古谷が意気込むと、フラガも次のように続ける。

「鈴鹿は第3戦でもレースペースが良かったサーキットです。今回はTCDのシミュレーターの効果でさらにパフォーマンスが上がっているので、レース中の1周ごとに0.1秒を稼ぐことができれば77周のレースでは大きな違いになります。さらに良い作戦ができれば、チャンスはかなりあると思っているので、決勝は目一杯頑張ります」

■エンジニアはドライバーとマシンの両進化を実感「ようやくしっかりと予選を戦った」
 その“良い作戦”の運命を握る天澤天二郎エンジニアは予選後「ようやくしっかりと予選を戦ったという感じです」と笑顔をみせた。

「ドライバーの進化という面で言うと、第3戦、第4戦あたりからふたりは輝く部分を見せています。今回も同じタイミングで納得のいくアタックをすることができました。もう少し上にいくこともできたかなという感じはしますけど、しっかりとタイムを出してくれました」

 さらに、さまざまなアイデアやトライを車両面でも行っていることによって正常進化を遂げ、第3戦あたりから「クルマの方向性が見えてきた」ことも明かした天澤エンジニアだが、5番手という好位置から挑む決勝に関しては、ふたつの思いがあるという。

「ここ2戦はアクシデントや天候など、イレギュラーな展開のレースが続いています。そういったところに足元をすくわれないようにしたい一方で、ドライバーにはしっかりとレースをさせてあげたいというふたつの気持ちが葛藤しています」

 しかし、そこはエンジニアらしく「でも、ここ最近のレースで現れている“スーパーGTならではの状況”に対応した作戦を考えていきますよ」と締めた天澤エンジニア。チーム、ドライバーの両方がスーパーGT初年度となるANEST IWATA Racing RC F GT3だが、この第5戦で勢いに乗れば、後半戦では台風の目になるかもしれない。

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