現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 未来の「ドライバーズカー」 EVはつまらない乗り物なのか クルマ好きの期待

ここから本文です

未来の「ドライバーズカー」 EVはつまらない乗り物なのか クルマ好きの期待

掲載 7
未来の「ドライバーズカー」 EVはつまらない乗り物なのか クルマ好きの期待

EVシフトは「運転の楽しさ」を奪うのか

大きくて重いクルマであろうと、小さくて軽いオープンカーであろうと、いくつかの特徴を併せ持っていれば「ドライバーズカー」と呼ぶことができる。

【画像】世界で評価される国産スポーツカー【トヨタ、スズキ、マツダのスポーツモデルを写真でじっくり見る】 全63枚

その特徴というのは、1世紀前に英国でAUTOCAR誌が初めてレビューを書き始めて以来、ロードテスターたちが全力で解明してきたものだ。

優れたパフォーマンスも重要だが、パワーや加速がすべてではなく、フィードバック、応答性、アジリティ(敏捷性)、乗り心地、ボディコントロール、グリップ、バランス、姿勢、ドライビングポジションなど、ドライバーを魅了し、心地よい気分にさせるものすべてが重要なのだ。

メルセデス・ベンツが最初に車輪を転がしてから130年あまりの間に、わたし達は技術の大変化を目の当たりにしてきた。では、ドライバーズカーはどうなるのか? 20年後、30年後に運転する楽しみはあるのだろうか? 今、手元にあるものから考えてみるのが一番だろう。

モーター、ミッション、音

電気モーターは、内燃エンジンが発明されて以来、エンジニアたちが実現しようとしてきた特性、すなわち低回転からの大きなトルク、パワー、効率、洗練性をすべて備えている。現代のEV(電気自動車)のACモーターは、そのすべてを一見何の努力もなしに実現しており、どのようなクルマにとっても最適なパワーユニットとなっている。

比較的シンプルなため、初期のモータースポーツ界にとっては魅力的なものだったが、当時は動力源として十分な電力を蓄えることが困難だった。コストと重量が絡んでくる現代でも、同じ問題が多少なりとも当てはまる。しかし、バッテリー技術の急速な進歩により、30年後もそうである可能性は低い。

トランスミッションのタイプは移り変わる。マニュアルはオートメイテッド・マニュアルに大きく取って代わられ、その後デュアルクラッチ・オートマチックなどが登場したが、多くの走り好きのドライバーにとって、3ペダルとスティックへの憧れは薄れることはなかった。

レクサスは、EVの運転を楽しいものにするという課題に取り組みながら、EVドライバーに内燃エンジン搭載のマニュアル車を運転しているような体験をしてもらうために、「ギミック」のクラッチペダル付きEV用マニュアル・トランスミッションを開発している。気の利いたことにこのマニュアル・トランスミッションは、ギアチェンジのタイミングを誤ったときの駆動系のショックまで再現している。

レクサスのアイデアは面白いが、最終的には消えていくだろう。わたし達に残るのは、次世代の技術が与えてくれるベストのものになるだろう。

EVはもともと静かであり、ほとんどの場合、音は重要な考慮事項ではないが、モーターが自然に発する音を利用する余地はあり、電動スポーツカーメーカーは積極的に取り入れるかもしれない。1990年代のF1レーシングカーやTTレーサーバイクのような、超高回転エンジンの音に似たものが実現される可能性も十分にある。

モーターにできて、内燃エンジンにできないことの1つが、車輪の中に入れることだ。バネ下重量の大幅な増加といった課題はあるが、軽量化技術やバッテリーの車体構造への統合(すでに実現しつつある)により、設計者はエンジンや駆動系、燃料系が課してきた制約から解放されるだろう。パフォーマンスカー、特にスポーツカーにとっては、あらゆるデザインの可能性が広がる。

最大の疑問点は、数十年後にどのようなエネルギー貯蔵が可能になるかということだ。なぜなら、それはパフォーマンスカーにとって最も重要な要素である重量に大きな影響を与えるからだ。全固体電池は時代を先取りした技術となっており、いつ実用化されるのか具体的な兆候はまだない。実現されれば、従来の液体電解質に取って代わり、バッテリーをより安全で、より軽く、より強力で、より速く充電できるようにしてくれるだろう。

少なくとも最初の10年は、他のバッテリー技術よりも高価になるだろうが、スーパーカーメーカーは利用する可能性が高い。彼らは軽量コンパクトなパッケージで大量のエネルギーを必要とし、そのための予算も持っている。ホットハッチのような比較的性能の低いクルマ(いずれにせよ高価)もそれに続くだろう。

スポーツカーへの回帰

これらを総合すると、2040年、2050年のドライバーズカーはどのようなものになるだろうか? インホイールモーターや、すでに生産されている小型・軽量・高回転モーターのさらなる活用により、軽い衝突構造を持つ機敏な2シーター・スポーツカーへの回帰が予想される。

現在の高性能バイクの航続距離は通常240km程度であり、将来のパフォーマンスカーもおそらくこれに倣い、軽量化を優先してエネルギー貯蔵は使用目的に合わせて調整されるだろう。

いずれの場合も、ステアリングとブレーキをバイ・ワイヤ式にして油圧機構を完全に廃止することで、より多くの重量が削減されることになる。

結局のところ、優れたパフォーマンスカーやスポーツカーを運転する醍醐味は、パワーだけでなく、ハンドリング、アジリティ、ステアリングフィールやトルクのニュアンスなど、パッケージ全体からもたらされる。未来のドライバーズカーは電動化されるかもしれないが、それでも絶対的な興奮を味わえるだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
モーサイ
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
カー・アンド・ドライバー
全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
くるまのニュース
全長3.4m切り! ダイハツ「斬新軽トラ」がスゴい! “カクカク”デザイン×「超画期的なユニット」搭載! ファンキーだけど「まじめな発想」で披露された「新時代モデル」とは
全長3.4m切り! ダイハツ「斬新軽トラ」がスゴい! “カクカク”デザイン×「超画期的なユニット」搭載! ファンキーだけど「まじめな発想」で披露された「新時代モデル」とは
くるまのニュース
態度を改めないと「免許返納です」傍若無人な“若者運転”が危険すぎる「5つの理由」って!? 事故を起こすのも当然! 未成熟な「ヤバすぎる運転」とは
態度を改めないと「免許返納です」傍若無人な“若者運転”が危険すぎる「5つの理由」って!? 事故を起こすのも当然! 未成熟な「ヤバすぎる運転」とは
くるまのニュース
27年ぶりにあの懐かしいスターレットが戻ってくる!? ヤリスより小さいリッターカーは2026年登場か!?
27年ぶりにあの懐かしいスターレットが戻ってくる!? ヤリスより小さいリッターカーは2026年登場か!?
ベストカーWeb
BMW「S 1000 XR」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
BMW「S 1000 XR」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
快適さと使いやすさの最適解! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
快適さと使いやすさの最適解! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
ベストカーWeb
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb

みんなのコメント

7件
  • bub********
    いまのところEVを運転して面白さを感じたことはないな。電車に揺られているのと一緒で、深みもないし、味わいもない。

    ドライバーズカーになるにはトヨタが開発しているニセMTのようなギミックに頼るしかないのかもね。
  • gra********
    このデザイン格好いいな
    ミニ四駆で出たら買う
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村