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【コンパクト・スポーツ3台の1番を選ぶ】M2 CS ✕ 718ケイマンGTS ✕ A110 S 後編

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【コンパクト・スポーツ3台の1番を選ぶ】M2 CS ✕ 718ケイマンGTS ✕ A110 S 後編

素晴らしいハンドリングとエンジン

text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)

【画像】718ケイマン/M2 CS/A110 S 全92枚

photo:Olgun Kordal(オルガン・コーダル)

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ポルシェのコーナリングは、カヌーのパドリングに似ている、と同僚が話すことがある。ボディのロール軸は、ちょうどドライバーの胸の位置。アルピーヌA110 Sの場合、数センチ上にある。

乗り心地はしなやかで、目的地までの運転は極めて楽しい。信じられないほど、操舵感は調和が取れている。ステアリングホイールを操る反応は、シャシーの回頭速度と、ボディロールのレートと、完全に同調している。

素晴らしいハンドリングの持ち主だ。そして718ケイマンはフラット6という、素晴らしいエンジンを再び搭載した。このパッケージングは、一般道で強く光る。

A110の動的な魅力は、穏やかに動き、挙動のつかみやすいリア・サスペンションの設定にある。コーナリングに調整しろを与え、操縦性の懐は深い。控えめなスペックだけでなく、実際の走りでも感動が得られる。

標準のA110の場合、英国の郊外の道にピッタリフィットする、衝撃の吸収性と姿勢制御との絶妙なバランスを獲得していた。だが、A110 Sでは硬められ、乗り心地は落ち着きを失っているようだ。

2台をじっくり味わってから、モンスターのBMW M2 CSへと乗り換える。サスペンションと、新しいブレーキ、ホイールを獲得したF87型最終進化形のM2。この変更内容で、大きく動的性能の性格が変わるクルマも珍しい。

3台で一番大きくたくましいM2 CS

エアインテークが追加されたカーボンファイバー製のボンネットとスプリッターが、フロントで強い存在感を放つM2 CS。M2コンペティションと大きな違いはないものの、アグレッシブだ。

カーボン・ポリマー製のルーフも、いい感じ。チェッカーフラッグのグラフィックは、筆者は不要だと思う。

しかしM2 CSの真骨頂となるのは、外から見えない部分。最高出力450psの直列6気筒エンジンに、ボールジョイントのサスペンション、直付けされたサブフレーム。さらに試乗車には、カーボン・セラミック・ブレーキと、ミシュランのカップタイヤが付いていた。

M2 CSには、温和な優等生の718ケイマンでは理解できない、性格が与えられている。3台の中で一番大きく、たくましい。

BMWが生み出した直列6気筒エンジンは、アルピーヌの4気筒ターボでは得られない、音響的な深みとドラマを備えている。さらにポルシェ製ユニットに匹敵する、回転域とレスポンスも。

エンジンの性能を完全に引き出すには、滑らかな路面が必要。M2 CSはアダプティブ・ダンパーを採用しているが、足腰はしっかり引き締められている。目的は明確だ。

路面を強く掴むタイヤを履き、緩衝材になるラバー製ブッシュはない。車内はノイジーで、乗り心地の感触は荒い。

同じ路面を走らせると、ほかの2台より車重がかさむことが伝わってくる。サスペンションも硬く、一生懸命機能する必要がある。

場所を問わず扱いやすく、充足感が高い

でもM2 CSには、好きにならずにはいられない、遊べる自由度がある。穏やかに甘い718ケイマンとは、まったく違う楽しさだ。

繊細さを味わうのではなく、筋肉で押し切る。サーキットなら、リアタイヤをスライドさせることも簡単。派手なバーンナウトも、ローンチコントロールを使ったロケットダッシュも、朝飯前だ。

見た目通りのモンスター。一般道では少々手を焼く。ポルシェを、鈍く感じさせるほどに。

これらの印象を総合して、ベストを選ぶ。

この3台で1番のドライバーズカーは、ポルシェ718ケイマンだろう。運転する場所を問わず、最も扱いやすく、ドライビングの充足感が高い。

勝者は、グリーンのマイク・ワゾウスキー。ここでも主役だった。

一方で、この3台のスポーツカーは、濃厚な個性派。それぞれ、立ち振る舞いはまったく異なる。特にアルピーヌA110 Sは違いが顕著。善戦した方だと思う。

BMW M2 CSは、真っ先に大好きになれる、息を呑むほどたくましい友人だった。でも、一番はグリーンのポルシェ718ケイマン。お互いに、スポーツカーとして古くから競い合ってきた好敵手は、今も変わらない。

3台のスペック

ポルシェ718ケイマンGTS 4.0(英国仕様)のスペック

価格:6万4480ポンド(876万円)
全長:4379mm
全幅:1801mm
全高:1295mm
最高速度:292km/h
0-100km/h加速:4.5秒
燃費:9.2km/L
CO2排出量:247g/km
乾燥重量:1405kg
パワートレイン:水平方向6気筒3995cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:399ps/7000rpm
最大トルク:42.7kg-m/5000-6500rpm
ギアボックス:6速マニュアル

BMW M2 CS(英国仕様)のスペック

価格:7万7455ポンド(1053万円)
全長:4460mm
全幅:1872mm
全高:1415mm
最高速度:280km/h
0-100km/h加速:4.0秒
燃費:10.9-11.1km/L
CO2排出量:223g/km
乾燥重量:1575kg
パワートレイン:直列6気筒2979ccツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:450ps/6250rpm
最大トルク:56.1kg-m/2350-5500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

アルピーヌA110 S(英国仕様)のスペック

価格:5万7140ポンド(777万円)
全長:4180mm
全幅:1800mm
全高:1248mm
最高速度:260km/h
0-100km/h加速:4.4秒
燃費:13.7km/L
CO2排出量:163g/km
乾燥重量:1114kg
パワートレイン:直列4気筒1798ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:292ps/6400rpm
最大トルク:32.5kg-m/2000-6400rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

4件
  • 常に進化してますね。
    M2 CSのボンネットが特にカッコイイ!
  • 車の運転が大好きな私にとってどれもヨダレが止まらないクルマ達です。
    どの一台にするにしても絞ることができません。
    かと言って全部買う能力も無いです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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