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【紳士の王道SUV】ランドローバー・ディスカバリー3 英国版中古車ガイド

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【紳士の王道SUV】ランドローバー・ディスカバリー3 英国版中古車ガイド

SUVファンに愛され続ける3代目

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)

【画像】ランドローバー・ディスカバリー・スポーツおよびPHEV【最新のランドローバー】 全65枚

複雑なサスペンションシステム、乾いた心を満たしてくれる優秀なエンジン、そして多くの電子機器を搭載したランドローバー・ディスカバリー3は決して気軽なお買い物ではない。

しかし、しっかり準備をして行けば、新型ディフェンダーの10分の1の価格で納得のいく代替車を手に入れることができる。

2004年に発売されたディスカバリー3は、実用性を重視したモデルとは一線を画している。

革新的なモノコック構造、エアサスペンション、電子制御式トラクションコントロールなどを採用し、SUVならではのオフロード性能を強化する一方で、オンロードでの快適性を大幅に向上させた。

英国仕様のエンジンには、フォードとPSAグループが開発したトルクフルな2.7Lディーゼルと、300psを発揮するジャガー製4.4L V8が存在する。

ディスカバリー3は、最高の四輪駆動モデルの1つとして自動車メディアから絶賛された。いまだに街中で見かけることも珍しくなく、バイヤーからの評価がいかに高かったかを物語っている。

「テレインレスポンス」と呼ばれるシステムによりドライブモードを切り替えることができ、オンロードからオフロードまでさまざまな路面状況に対応する。

近代化されたシャシーによって、ディスカバリー1や2よりもはるかに高いレベルで洗練された走りを実現している。

改善されていない不具合も多く残る

しかし、3代目は電装品への依存度が高くなっているため、信頼性にはやや怪しい評価を受けている。

トランスミッション、ハンドブレーキ、サスペンション、インテリア、エンジンなどの主な故障は、配線の異常に原因があることが多い。

そのような性質上、お買い得品がすぐにトラブルの元になってしまうこともある。

発売から最初の数年間で行われた数々のリコールにより、燃料と冷却水の漏れ、壊れやすいフライホイール、シートクッションの変形など、不安な点はいくつか改善されている。

しかし、巷ではEGRバルブ(排気ガス再循環装置)の故障、ハンドブレーキやトランスミッションの誤動作といった不具合の報告であふれている。

ディスカバリー3を家に持って帰る前に、最寄りのランドローバー専門家と友人になる必要があるだろう。

英国の中古車市場には何百台も並んでおり、農場用運搬車として傷だらけになった4000ポンド(52万円)のものから、新品同然の後期モデルまで幅広い。

時期に応じてグレード名は変化しているが、低~中間グレードにはS、GS、XS、またはTDV6がある。上位グレードは、レザーとハイテク装備をまとったHSEだ。

特にHSEは人気が高く、価値も維持しているが、装備が多いほど頭痛の種が増えることを心に留めておこう。

不具合を起こしやすいポイント

エンジン

前のオーナーが1万5000マイル(2万4140km)ごとのメンテナンス・スケジュールを遵守し、タイミングベルトも10万5000マイル(16万8980km)または7年ごとに交換しているかを確認しよう。

新車時に問題となったフライホイールやクラッチはすでに交換されているはずだが、TDV6の2つのEGRバルブは時限爆弾なので交換が必要だ。

電気系統

見た目がきれいでも、電気系統の不具合がたくさん潜んでいる。

まず、テールゲートを含むすべてのドアで、ロックおよびロック解除が正常に動作するか要確認だ。ラッチが故障している場合がある。

配線ループへの水の浸入やECUの故障も深刻だが、典型的な弱点はエアコンのコンプレッサー、インフォテインメント・システム、クランクシャフトの位置センサーだ。

トランスミッション

マニュアル車でクラッチがスリップするとギアセンサーが混乱し、パーキングセンサー、ギアインジケーター・ディスプレイ、リバース・ライトの故障につながる。

ATの場合はフルード洗浄で治ることが多いが、熱交換器の故障によりトランスミッション自体にクーラントが流れ込んでいないかどうかもチェックしよう。

ブレーキ

パーキングブレーキに注意。

ドラムに汚れがたまり、ロックの原因となることがある。センターコンソールには手動の解除ケーブルがあるが、適切に固定するにはアクチュエーターを外さなければならない。

サーボにオイルが入っているとブレーキ性能に悪影響を及ぼすことがあるので、試乗の際には必ずペダルを踏み込んでみることが大切だ。

サスペンション

下向きの矢印が付いたクルマを示す黄色の警告灯は、エアサスペンション・システムのトラブルのサインであり、多くの場合、車高の調整ができないことを知らせるメッセージが表示される。

コンプレッサーポンプ、車高センサー、バルブ、リザーバーは入手可能だが、安くはない。これらが故障していない場合は、エアショックに原因がある可能性が高く、ユニット全体を交換する必要がある。

専門家の意見を聞いてみる

アンガス・リート AHLエンジニアリング

「安い車ではありません。維持するためには、年間1000ポンド(13万円)ほどかかります。ディスカバリー3は製造から10年~15年経っているので、メンテナンス履歴なしで購入することはおすすめしません」

「下手をすると、最初の1年で1万ポンド(132万円)を費やすことになりかねませんから。私たちが所有する1台は走行距離31万3800kmで、ほかに25万7500kmのものもありますが、どちらも元気に動いています」

知っておくべきこと

明示されていない改造には注意しよう。

JGS4X4、Celtic Tuning、Alive TuningなどがTDV6用のECUリマップパッケージを販売している。前のオーナーが購入していた場合、馬力とトルクが約20%上昇しているという。

後付けでアップグレードを施している場合は、その旨を保険会社に知らせておこう。

いくら払うべき?

4000ポンド(52万円)~5499ポンド(72万円)

エントリーグレードのS、GSなど燃費のいいモデル。一部、マニュアル車あり。

5500ポンド(72万円)~6999ポンド(92万円)

ほとんどが2006年式または2007年式で、定期的なメンテナンスを受けてきたことが確認できる。内装がレザー張りのものもある。

7000ポンド(92万円)~7999ポンド(105万円)

最上位のHSEグレードで、過去オーナーも少ない。

8000ポンド(105万円)以上

改良後の新しいフロントマスクや、色分けされたトリムを備える見た目のいいディスカバリー。

英国で掘り出し物を発見

ランドローバー・ディスカバリーTDV6 HS 登録:2007年 走行:23万8200km 価格:5990ポンド(79万円)

ヒーター・ベンチレーター付きレザーシート、19インチ・アロイホイール、パノラミック・サンルーフを装備。走行距離を考えると、タイミングベルトが交換されているか、サスペンションとトランスミッションが適切に動作するかを確認したいところだ。

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