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オフロード出身でNASCARエクスフィニティまで昇格した23歳のディーガンが、来季はインディNXT挑戦へ

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オフロード出身でNASCARエクスフィニティまで昇格した23歳のディーガンが、来季はインディNXT挑戦へ

 言わずと知れた故ケン・ブロックやトラビス・パストラーナらと並び、北米アクションスポーツ界のレジェンドとして知られるブライアン・ディーガンの愛娘で、現在23歳のヘイリー・ディーガンが、来季2025年よりNTTインディカー・シリーズのサポートカテゴリーに位置付けられるIndy NXT(インディNXT)へのフル参戦を表明。去る10月18日に開催された毎年恒例のクリス・グリフィス・テストでオープンホイールデビューを果たしている。

 モトクロス界の伝説的人物、ブライアン・ディーガンの娘である彼女は、オフロードで頭角を現したのちストックカーの世界へ。フォード・パフォーマンスとの契約でNASCARクラフツマン・トラック・シリーズに参戦する現行世代『F-150』の開発やプロモーションも担当すると、デビッド・ギリランド・レーシング、ソースポーツ・レーシングを経て、今季よりNASCARエクスフィニティ・シリーズへと順当にステップアップを果たしてきた。

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 しかし開幕から自身も認める期待外れの成績が続き、先の7月には所属先のAMレーシングと決別、事実上の戦力外通告に繋がった。急遽カップレギュラーのジョーイ・ロガーノにシートを譲ることになった彼女は、シリーズ離脱から1週間以内にアイオワへと赴き、NXTのショートオーバル・ダブルヘッダーを観戦。そしてこの10月中旬には強豪HMDモータースポーツとの契約をアナウンスした。

「この機会にワクワクしているし、ここHMDの実績あるプログラムで働けることを楽しみにしている」と意気込みを語ったヘイリー。「学ぶことはたくさんあるけれど、準備はできている。チームは豊富な知識をもたらしてくれるし、来年3月にセントピーターズバーグでレースデビューする前に、できるだけ多くの知識を吸収したいと思っている」

 そんな彼女は、今季チャンピオンシップでタイトル候補として争ったカイオ・コレットに、移籍組の新人ブライス・アロン、ジョシュ・ピアソン、トミー・スミスとともに来季のラインアップを担うが、同組織は2022年にリナス・ルンドクヴィスト(前身のインディ・ライツ)と、続く2023年にはクリスチャン・ラスムッセンとともにシリーズを制覇している。

「ヘイリー、とくにディーガンの名前はモータースポーツ界で大きな存在感を示すものであり、我々ファミリーに彼らを歓迎したい」と語るのは、HMD代表を務めるマイク・マウリーニ。

「ヘイリーはすでにショップに通い、オープンホイールレースへの移行を真剣に受け止めている。彼女はチームに溶け込める場所をインディアナポリス周辺で探しており、すでにエンジニアと仕事を始めているんだ。彼女と他のHMDモータースポーツドライバー全員が、すべてのオントラック・セッションに可能な限り準備が整っていることを確認したいと思っている」

 この10月上旬にソルトレイク・シティのユタ・モータースポーツキャンパスで争われた北米発のエクストリーム系ラリークロス選手権『Nitrocross(ナイトロクロス)』第3~4戦にも復帰参戦を果たしていた彼女だが、併催カテゴリーの『Side-by-Side(サイド・バイ・サイド/S×S)』クラスにてケン・ブロックの妻ルーシーや、息子のミカ、さらに末娘のキラに加え、シリーズ創設者パストラーナらと競り合った。

 その後、ときを待たず10月14日に実施されたオープンホイール転向の発表について、当時「私たちはいろいろと取り組んでいるところだけど、今はあまり多くを語ることはできないの」と含みを持たせてもいた。

■インディNXT初ドライブに「“頭がもげそう”な気がする(笑)」
「本当にクールよね。ブロック・ファミリーのキッズたちはオフロードのレースに出て、みんな素晴らしい子供たち。私たちはみんなここで楽しんでいて、最高に楽しい時間を過ごしてきた」と、北米モータースポーツ専門サイトの『RACER.com』に語ったヘイリー。

「私はUTVのレースが好きだし、Can-Ams(カンナム・バギー)は運転するのがとても楽しい。家でいつも運転しているから、ダートから離れているわけではないけれど、優秀な選手はつねに上位に上がる。つねに速い選手が数人いる。どのシリーズでもそうだと思う」と続けたヘイリー。

 そんな短いダート復帰に際し、同シリーズの最高峰カテゴリーでもある水素燃料電池スタック搭載の1080PS(800kW)、0-100km/h加速約1.4秒というフル電動ワンメイクEV『FC1-X』を用いた“グループE”クラスに対しては、こんな本音も明かしている。

「このシリーズもかなり競争が激しく、少なくとも1年はまったく来ていない私に対し、全員がすべてを把握している。父は(グループEに)数戦ほど出場したけれど、私は電気自動車には興味がないので、それをやりたいかどうかはわからない。それに、私はラリークロスカーには興味がなかったの。だって、それはいつも父の趣味だったから。興味を持ったことは一度もないし、私の得意分野でもないからね」

 そんな彼女はすぐさま、インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで実施されたNXTのテストに初参加。従来のルーカス・オイル・オフロード・レーシング・シリーズ(LOORRS)を皮切りに、NASCAR K&Nプロシリーズ、そしてARCAメナード・シリーズなど、慣れ親しんだオフロードカーやストックカーとはまったく異なる、低くて軽く、パワフルなダラーラ製『IL15-AER』のハンドリングとダウンフォースを“ゼロ”から学ぶことに。同時にルーフやフェンダー、風防がなく、頭部保護デバイスのみの車両に「確かに奇妙ね」との感想を漏らした。

「ウインドウシールドがないのは違うと言えるわ。デイトナでレースをしているときはそんなことは考えない。その面では“頭がもげそう”な気がする(笑)。でも、これは間違いなく慣れなければならないこと。フロントスクリーンがなく、すべてを実際に感じることができるのはユニークよ」とシリーズ公式サイトに語ったヘイリー。

「この決断は私にとって簡単なものではなかったし、瞬間の素早い直感や思いつきでもない。このようなシリーズとクルマで成功するには何が必要かという計画を綿密に練り上げ、この形式のレースで成功するために必要なことをすべてやろうと、間違いなく全力を尽くしていくつもり」

「成功へのリソースは、トラックタイムやテストなど従来よりはるかに多くあり、シーズンが実際に始まる前に多くのテスト時間を費やすことができる。私が本当に惹かれたのは、彼らが持っているすべてのデータ、スロットル、ブレーキのトレースをすべて見ることができる点ね。それは私がこれまでアクセスしたことがなかった類のもので、頼りになるデータやリソースがたくさんある」

「それにドライバーがトレーニングやフィットネスの面で非常に熱心に取り組んでいるのを見るなど、身体的な観点からも私はそれが気に入っている。私の家族はモト側……つまり2輪の世界出身だから、それは非常に重要で、私にとってもつねにそうだったけれど、これまではそれが評価されていなかったようにも感じていた」

「目標は『トップ5、トップ10でフィニッシュする』なんてことになく、進歩にある。レースごとにつねに良くなること、ノートブックを作成することなどね。そしてクルマの技術的な側面、セットアップについて学ぶことよ」

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