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ホンダが2020年代後半に投入予定の電動車向け次世代技術を公開

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ホンダが2020年代後半に投入予定の電動車向け次世代技術を公開

ホンダは、報道関係者向けに「Honda 四輪技術ワークショップ」を開催し、2020年代後半に投入予定の電動車向け次世代技術を公開した。

Next Generation Hybrid Study modelこのワークショップでは、次世代ハイブリッド車向けのプラットフォームや、2020年代後半に北米市場で新たに展開予定の大型車向けハイブリッドシステムの技術に加えて、Japan Mobility Show 2025にて初公開した小型EV「Super-ONE Prototype(スーパー ワン プロトタイプ)」の量産モデルに搭載予定の主要技術を紹介した。

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Super-ONE Prototypeホンダは、自由な移動の喜びをサステナブルに提供し続けていくために、「環境」と「安全」が最重要課題であると考え、2050年に「Hondaの関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラル」「Hondaの二輪・四輪が関与する交通事故死者ゼロ」の実現という高い目標を定めている。四輪事業においては、今年5月に開催した2025年 ビジネスアップデートで発表された通り、電動化・知能化を軸としたEV・ハイブリッド車の競争力強化、新たな価値の提供に向けて取り組みを進めていく。

執行職 四輪開発本部 開発改革統括部長 林賢一郎氏その一方で、電動化時代においてもホンダが変わらずに追求し続ける提供価値が、ドライバーとクルマが一体になるような「操る喜び」となる。EV、ハイブリッド車といったパワートレーンの違いに関わらず、人中心の設計思想であるM・M思想とともに、運転する人だけでなく、すべての乗員に“心地よさ”と“楽しさ”を提供する操る喜びを追求し続けていくとしている。

ホンダは、このM・M思想と操る喜びを核に、四輪の提供価値として「Enjoy the Drive」を掲げ、今後もその姿勢を変えることなく次世代の四輪技術の進化に着実に取り組んでいく。今回のワークショップでは、こうした思想や価値観を具現化するための新たな技術が公開された。

次世代中型プラットフォーム 概要

次世代中型プラットフォームホンダは、2027年以降に投入する次世代ハイブリッド車の商品群から、ハイブリッドシステムと、それを搭載するプラットフォームを全方位で進化させていく。次世代プラットフォームでは、高いボディー剛性と軽量化を高次元に両立させる技術や、共用率を向上させたモジュラーアーキテクチャーなど、さまざまな革新技術を組み合わせることで、ドライバーが軽快で爽快な走りを実感できる、ホンダならではの「操る喜び」をさらに高めていく。

新操安剛性マネジメント イメージ●ダイナミクス性能を左右する操縦安定性の新たな指標として「新操安剛性マネジメント」を確立。ボディー剛性の最適化により、車体を軽量化すると同時に、コーナーリング時に車体がしなるような挙動を与えることで、タイヤへの荷重をコントロールし接地力を向上。これまでにない操縦安定性と軽快で気持ちの良い走りを実現。なお、この技術はEV向けのプラットフォームにも採用予定。

●車体構造の見直しと新たな設計手法の採用により、ハイブリッド車向けプラットフォームの重量を現行モデル比で約90kg軽量化。走りの楽しさと燃費性能の両立を実現。

●さまざまな車種において高い共用率を実現するモジュラーアーキテクチャーを採用。エンジンルームやリアアンダーなどの共通部と、リアキャビンなどの独自部を作り分けて、効率的に開発することで、本プラットフォームを採用する車両において60%以上の共用化を目指す。これにより、コストを抑制しながら、個性的で多様なモデルを効率的に製造することが可能となり、開発効率と生産性が大きく向上。

●プラットフォームの進化に合わせて、ドライバーが思い通りにクルマを操ることができる技術として、ホンダ独自のロボティクス技術で培った姿勢制御を応用した「Motion Management System(モーション マネジメント システム)」を採用。さらには、現在、「アコード」や「プレリュード」などに採用しているコーナーリング時のスムーズな車両挙動を支援する電子制御システム「アジャイルハンドリングアシスト」に、新たにピッチ制御を加え、路面に左右されることなく、あらゆるシーンでドライバーの意のままのコントロールを支援。操る喜びのさらなる拡大を目指す。

次世代 大型ハイブリッドシステム 概要

次世代 大型ハイブリッドシステムホンダは、現在需要が高まっているハイブリッド車について、2027年以降に投入する次世代モデルを中心に、EV普及までの過渡期における中心的な役割を担う商品群と位置づけている。特に、ハイブリッド車の主戦場となる北米市場では、大型車への底堅い需要があることから、力強い走行性能、牽引性能に、環境性能を兼ね備えるDセグメント以上の大型車向けハイブリッドシステムを、2020年代後半の商品投入を目指し開発している。

今回のワークショップでは、厳しい環境規制への対応を見据えた新開発のV6エンジンに加え、高効率と低コストを高次元に両立した新開発のドライブユニットやバッテリーパックを備えた、次世代の大型ハイブリッドシステムの主要技術を初公開した。

次世代 大型ハイブリッドシステム●低燃費領域を拡大した次世代V6エンジンと高効率なドライブユニットを組み合わせ、さらに、車両の状況からドライブモードを最適化し燃費性能向上に寄与する、次世代のエネルギーマネジメント制御を適用することで、現在販売している同一セグメントのガソリンエンジン搭載車と比較して30%以上の燃費向上を目指す。

●大型セグメントにふさわしいパワフルかつ上質な走りを実現するため、エンジン・各ドライブユニットの高効率化、バッテリーアシストの活用により、完成車での全開加速性能についても、現在販売している同一セグメントのガソリンエンジン搭載車と比較して10%以上の向上を目指す。

小型 EV 「Super-ONE Prototype」 ダイナミクス技術 概要

Super-ONE PrototypeJapan Mobility Show 2025にて初公開したSuper-ONE Prototypeの量産モデルは、2026年より日本を皮切りに、小型EVのニーズの高い英国やアジア各国などで発売を予定している。グランドコンセプトに「e: Dash BOOSTER(イー ダッシュ ブースター)」を掲げ、車内での体験を豊かにする多彩な仕掛けを採用することで、日常の移動を刺激的で気持ちの高ぶる体験へと進化させることを目指している。

Super-ONE Prototype●Nシリーズとして進化させてきた軽量なプラットフォームをベースに、トレッド・フェンダーを拡幅した専用シャシーを採用することで全幅を拡大。また、EVの主要部品である薄型バッテリーを床下中央に配置することで重量物の集中化と低重心化を図り、Aセグメントの小型EVとしてクラス最軽量レベルの車両重量と、従来のガソリン車の小型車を上回る低重心を実現。これらの特性により、ドライバーの操作に対して俊敏に反応し、カーブ走行時にも安定した操舵の応答性を維持。意のままで安心感のあるハンドリング性能を提供する。

●Super-ONE Prototypeの量産モデルには、専用開発の走行モード「BOOST(ブースト)モード」を搭載。このモードでは出力を拡大しパワーユニットの性能を最大限に引き出すとともに、仮想有段シフト制御とアクティブサウンドコントロールシステムの連動により、あたかも有段変速機を備えたエンジン車のような迫力あるサウンドと鋭いシフトフィーリングを演出。

仮想有段シフト制御では、アクセルなどの運転操作や、車速・旋回時の車両挙動などの走行状態をもとに仮想のエンジン回転数やギア段をリアルタイムに演算。駆動力やレスポンスを最適に制御することで、クルマとの一体感ある走りを実現する。さらに、加速時のキックダウンによるショックや、エンジンを保護し回転数を適切に制御するために燃料供給を一時的に停止するフューエルカットの挙動を仮想的に再現。長年にわたるガソリン車開発で培った走行フィールをEVに融合させた。

このように、Super-ONE向けに専用開発した遊び心あふれる新技術の数々により、EVならではのスムーズでリニアな加速感と、ガソリン車ならでは走りの高揚感を合わせ持つ、Super-ONE独自の操る喜びを提供することを目指す。

関連情報:https://www.honda.co.jp/

構成/土屋嘉久

文:@DIME
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