シビックと双璧を成す基幹モデル、アコードを振り返る
スポーツモデルを除いた、ホンダの顔と呼べるモデルはふたつあると思う。ひとつは世界中で無理だといわれていた、低公害のCVCCエンジンを搭載して世界にホンダの名を知らしめたシビックであり、もうひとつはシビックよりもひとまわり大きい1976年に登場したアコードだ。
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1982に現地生産が始まると、のちに北米における日本メーカーの車種として販売台数実績一位となるなど、自動車大国と呼ばれる国で高く評価されてきたことがわかる。
リトラクタブルヘッドライトを備え登場した3代目
1985年登場アコードの3代目(2代目ビガー:以下アコードに統一)の特徴は、リトラクタブル・ヘッドライトによる4ドアセダンながら個性的なスタイリングが第一だろう。 現在でいうDセグメント相当のアコードは、世界で言えばBMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスと競合するモデルなのだが、当時の日本では過去モデルとなってしまったトヨタ・コロナや日産ブルーバードと争うクラス。この時代には会社とか親類とかご近所だとか、いろいろ面倒くさい関係が残っていたのだが、ホンダは「そんなことは知りません。ホンダのモデルは欲しい方に乗ってもらえれば良いのです」と言わんばかりに、アコードへ先進性を詰め込んだ。
ワイド&ローなバタ臭いスタイリングを採用
ホンダが提唱している「マンマキシマム・メカミニマム」のMM思想と、アコードの「ヒューマン・オリエンテッド」を具現化したのだと思うが、同じクラスの他モデルに比べてもスタイリッシュで、低くかつワイドに見えるが、じつは同じ程度のボディサイズ。
全長4535×全幅1695×全高1355mm、ホイールベースは2600mmとライバルと同等。ところがアコードは、言葉は悪いがライバルを「田舎者」と感じさせるような先進性があった。アコードのデザインはクラスレスと言える先進性を持っていた。 サスペンションも同様で、FFが得意のホンダならではの四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションも忘れてはならない。後発メーカーのホンダは歴史や伝統を重んじるユーザーからは「しょせんバイク屋だろ」という冷ややかな面もあるなかで、「モータースポーツの技術を市販車に反映させてクルマを進化させています。」と痛烈なアピールを行ったのだ。それがFFで世界初の四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンション。 当時のリリースには四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションについて「F-1グランプリレースに参戦する競技用自動車や、一部後輪駆動の高級車のサスペンションとして採用されてきましたが、スペース効率や重量の問題などにより、量産車では困難とされていたメカニズムである」
「ホンダは乗用車のサスペンションとして独創的なアイディアを投入してこれらの問題を解決し、新世代のサスペンションとして完成させたものである。これにより、クルマの総合的な操縦性能と乗り心地を一段と向上できた(一部要約)」とある。 クルマの技術の話題はそれ以前も多々あったが、普通の(当時で言えばおやじ仕様)4ドアセダンがサスペンションをアピールポイントにするとは。この後に数年でマルチリンク式などが話題となるのだが、ターボやDOHCのようなエンジン以外にも、世界初で注目を集めたのはアコードの存在が大きかったように思う。
実際に第6回日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得しており、プレリュードやインテグラなどのファミリーの相乗効果もあって「ホンダ車はと快適でおしゃれ」のイメージを確固たるものとする。
すべてグロス値のエンジンは、1.8LのSOHC12バルブ+シングルキャブ(115ps/15.2kg-m)、1.8LのDOHC16バルブ+CVデュアルキャブ(130ps/16.5kg-m)、2.0LのDOHC16バルブ+PGM-FI(160ps/6300rpm、19.0kg-m/5000rpm)を設定。
アコードとしてついに1.6Lを廃止して2.0Lを搭載したわけだ。だが、それまでのハッチバックに代わる現在も語られる個性的な3ドア、エアロデッキが登場する。
斬新なスタイリングが特徴だったエアロデッキ
新時代のFF3ドアを目指して開発さえたエアロデッキは、現在では3ドア・ツーリングワゴンと呼べるようなスタイリッシュなデザインで、個性的な存在感を発揮。そしてホンダがガルウィング型テールゲートと呼ぶ、ルーフ後部のガラス部分から開くリヤハッチは積載性に高く貢献して、分割で倒せる後席もあって利便性も確保した。
ボディサイズは全長4335×全幅1695×全高1335mm、ホイールベース2600mmと、4ドアセダンと絶妙なサイズ違い(室内長セダン:1915mm、エアロデッキ1820mm)もあって、欧州車のシューティング・ブレークの日本版的存在。当時、洗練されたホンダ車のなかでも、特筆して都会的を感じさせる存在感があった。
4ドアも含めて3代目となると、当時としては先進のABS(4WA.L.B)が備わる四輪ディスクブレーキ、2ポッド・キャリバー式の前輪ブレーキ、車速感応型パワーステアリング、キーレスエントリーや液晶デジタル・メーターなど、上質な装備を備えた仕様&オプションも用意。バブル期のより良いものを求めるユーザーに応える装備を揃え、アコードはファミリーカーであっても、スポーティだった。
二輪も四輪もホンダの時代ですと言わんばかりの存在感で次のモデル、現在のアコードまでつなげるのである。
「プチレジェンド」的だったアコードCAを追加
ところで登場2年後の1987年には、欧州仕様で人気の高い異型2灯式ヘッドライトの「アコードCA」を追加する。当時の感覚でいえば「順調に売れているアコードに、わざわざプチ・レジェンドのようなスタイリングのようなモデルを発売するのはなぜなのだろう」と思わせた。 おそらくこれは4代目アコードのリサーチであり、4代目アコードは固定式ライトで初代アスコットとして登場。姉妹車だったビガーは上級アコードのアコード・インスパイア&ビガーの姉妹車となる。これを想定してのリサーチだったのだろう。
かくしてリトラクタブル・ヘッドライトの4ドアセダン、3代目アコードはアコードとして唯一のリトラのモデルとなる。
スーパーカーの歴史を変えたといわれる初代NSXや、コンパクトカーの基準を変えた初代フィット、初代N360を現在に復刻させたN-ONE。 3代目アコードはそれらと違って、時代の要望、ホンダが作るホンダのDセグメントセダンはこうなりました。という結果なのではと思ってしまう。当時のホンダのラインアップは少なく、少ない車種でバブル期の多彩な要望に応えなければならなかったのだ。
希少なリトラの4ドアセダン。アコードは3代目のみなのだが、アコードといえばリトラを思い出す方は少なくないのではないだろうか?
■ホンダ・アコードCA2.0GXL(CA5)
全長×全幅×全高:4565×1995×1355mm
ホイールベース:2600mm
トレッド:前/後 1480mm/1475mm
車両重量:1120kg(サンルーフ:ABS付き1160kg)
乗車定員:5名
最小回転半径:5.2m
室内寸法:長×幅×高=1915×1425×1115mm
エンジン: A20A 直列4気筒SOHC
総排気量:1955cc
最高出力:105ps/5500rpm(ネット値)
最大トルク:15.5kg-m/3500rpm(ネット値)
タイヤサイズ:前/後 185/70R13 (前後とも)
ブレーキ:前/後 ベンチレーテッド・ディスク/LTドラム
サスペンション:前/後 ダブルウィッシュボーン式(前後とも)
■ホンダ・アコードCA GX(CA1)5速MT
全長×全幅×全高:4565×1995×1355mm
ホイールベース:2600mm
トレッド:前/後 1480mm/1475mm
車両重量:1060kg(ABS付き1080kg)
乗車定員:5名
最小回転半径:5.2m
室内寸法:長×幅×高=1915×1425×1115(サンルーフ付き高は1075)mm
エンジン: A18A 直列4気筒SOHC
総排気量:1829cc
最高出力:110ps/5800rpm(グロス値)
最大トルク:15.2kg-m/3500rpm(グロス値)
タイヤサイズ:前/後 165SR13 (前後とも)
ブレーキ:前/後 ベンチレーテッド・ディスク/LTドラム
サスペンション:前/後 ダブルウィッシュボーン式(前後とも)
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みんなのコメント
そんな形の車だった。
この時代、どんな車が売れるのかが全く予想がつかなかった。
各メーカーとも、いろいろと模索してたな。
だから面白かった。