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F1の経済的苦難に備え、リバティ・メディアが資金を確保

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F1の経済的苦難に備え、リバティ・メディアが資金を確保

 リバティ・メディアのCEOを務めるグレッグ・マッフェイは、やむを得ない措置として、今シーズン序盤のグランプリは無観客レースとして実施する可能性が高いと語った。しかし、このやり方がスポーツと各チームに経済的な苦難をもたらすことは理解しているといい、資金確保に動いたことも明らかにしている。

 2020年シーズンは、いまだにその火ぶたが切られていない。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行により、F1は身動きの取れない状況が続いている。延期状態にある今シーズンの開幕が最終的にいつになるのかは、いまだに不透明であり、F1は経済的な影響を被りつつある。

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 そのような状況下、マッフェイは最も可能性の高いシナリオとして、無観客レースによる開催に言及した。

「(F1のCEOである)チェイス・キャリーと彼のチームが、完全中止から、年間15レース開催、18レース開催といったさまざまなシナリオを検討している。私は、最も可能性が高いシナリオは、西ヨーロッパのどこかで観客を入れずに行うことだと考えている」と、マッフェイは『CNBC』に対して説明した。

「チームの安全とファンの安全を考えたときに、それが明らかに良い始め方だ。だが財政的な側面から言えば、F1にとって、そして何よりも各チームにとって、あまり魅力ある方法ではないだろう。チームは、それぞれが運営を続けていくために、どうしても我々からの利益配分を必要とするからだ」

「彼らは事業利益の配分を受けることになっているが、我々がレース事業で上げる利益が減少するか、あるいは無くなってしまったら、その度合いに応じて、彼らがチームを継続するための資金が足りなくなるおそれがある」

「したがって我々としてはファンのニーズとの良いバランスを考えなければならない。もちろん、最優先事項はファンとチームの安全だが、F1にとってのみならずそれぞれのチームにとって、経済的に魅力あるレース事業を展開していく必要がある」

「チェイスと彼のチームがこの問題に取り組んでいるが、おそらくは西ヨーロッパ地域での無観客レースから始めるだろう」

 リアルなスポーツ・エンタテインメントが不足している現在、多くのファンがEスポーツへの関心を示しているが、その一方で、誰もが生のアクションを見たいと願っているはずだ。

 マッフェイは、長期化する中断状態は、その後普段の生活に戻ってから、F1が新たなファン層と関係を構築するチャンスにもなり得ると考えている。

「F1にとっては、ソーシャルメディアにおいて最も急成長を遂げるスポーツになるという利点となる。たとえばNetflixのF1ドキュメンタリー番組『Drive to Survive』などを通じて幅広い関心を集めることができるからだ」とマッフェイ。

「スポーツがほとんど行われていない現在、こういったイベントへの注目度はより高まっている」

「人々がそうしたことを欲しているのだ。いったん我々がレースを始めたら、F1への関心が今までよりもはるかに高まっているかもしれない」

 先週、リバティ・メディアの子会社であるシリウスXMグループとフォーミュラワン・グループ間の資産移動が発表された。ライブネイション・エンタテインメント社の持ち株をF1グループからシリウスXMラジオ社に移すことで、15億ドル(約1607億円)の純資産を互いに移動、これによりF1の負債は大幅に減少し、F1には14億ドル(約1500億円)の現金が注入されることになると、リバティは説明している。

 投資家向けの電話会議で、マッフェイはフォーミュラワンとライブネイションを分けることによって「投資家のリスクを下げられる」と述べた。2社ともライブイベントに頼る業態だが、新型コロナウイルスの世界的危機により、ほとんどが延期状態にあるためだ。

 ニューヨークのナスダック市場に上場されているフォーミュラワン・グループの株価は、資産移動の発表日正午に15%上昇した。

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