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XK120以来の大きな節目 ジャガーFタイプ・コンバーチブル 75 P450へ試乗 大人な魅力

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XK120以来の大きな節目 ジャガーFタイプ・コンバーチブル 75 P450へ試乗 大人な魅力

XK120以来の節目となるFタイプの終了

ジャガーはすべてのモデルをバッテリーEV(BEV)へ切り替えるため、着実に歩みを進めている。美しい2シーターのFタイプへアップデートを加えるのも、これが最後になるようだ。

【画像】XK120以来の大きな節目 ジャガーFタイプ・コンバーチブル 75 競合モデルと比較 全112枚

Fタイプの生産は、約1年後の2024年前半に終了する予定。1948年のXK120以来、ガソリンエンジンで走るスポーツカーを75年間も生み出し続けてきたジャガーの歴史へ、1つの大きな節目が刻まれることになる。

ジャガーにとっては、誇るべきヘリテイジといえる。ブランドにとって見逃すことのできないマイルストーンとして、Fタイプに「75」という特別仕様が設定されても不思議ではないだろう。

基本的に、メカニズム面で目立った改良は加えられていない。2020年にFタイプはフェイスリフトを受けているが、75では最新の排出ガス規制に対応するべく、エンジンの制御系に僅かなチューニングが加えられた程度だ。

もちろん、視覚的な差別化はおろそかになっていない。P450では5スポーク、R P575では10スポークとなる、グロスブラックの専用アルミホイールを履き、フロントグリルやエンブレムがブラックアウトされる。

12ウェイのウィンザー・レザーシートが標準装備され、フロントフェンダーやサイドシル・プレート、ダッシュボードなどに専用ロゴがあしらわれる。専用色として、ジオラ・グリーンメタリックも追加された。「慎重に厳選した」とジャガーは説明する。

P450なら右足を存分に動かせる

動的能力が引き上げられる内容ではないが、5.0L V8エンジンを積んだFタイプの魅力は最後まで変わらないはず。ちなみに、2.0L直4エンジンのP300は、従来どおりRダイナミック仕様で購入もできる。

今回は最高出力450psを誇る、Fタイプ・コンバーチブル 75 P450の後輪駆動版へ試乗させていただいた。実際、スーパーチャージャーで過給されるV8エンジンはエキサイティングだ。

以前の体験を振り返り、確かに575psのR P575と比較すれば、怒涛の加速を得るにはより高い回転数まで引っ張る必要がある。だがそれは、右足を存分に動かせ、長時間サウンドを鑑賞できるということでもある。

現行のFタイプには微粒子フィルターが追加され、排気系の音響的な刺激は穏やかになっているものの、従来を知っていればというレベル。スポーツエグゾーストのバルブを開けば、まだまだ存分に騒がしい。ルーフが開くコンバーチブルなら、なお一層。

ただし、軽さが売りの軽快なスポーツカーというわけではない。ガソリンを満タンにしてドライバーが座れば、1.8tに迫ってしまう。ポルシェ911 カレラ・カブリオレが1650kgなのに対し、車重は1718kgある。

ダイナミック・モードを選べば、サスペンションが引き締まり、ステアリングホイールの感触が重くなる。それでも操舵時のレスポンスは、完璧な敏捷性や落ち着きを感じさせるものではない。

固有のリラックスした大人な雰囲気

カーブの連続する区間では、911 カレラ・カブリオレ並みのスピードを保つことは難しいだろう。とはいえ、滑沢なドライビング体験は味わえる。不足なく速い。

アルミホイールは20インチと大径ながら、ダンパーをノーマル・モードにしている限り、乗り心地は充分にしなやか。長距離ドライブも快適にこなせる。ハードなシャシーが良いとは限らない。

ソフトトップを開いたまま、爽快に目的地を目指せる。シートの後方に立ち上がる、小さなウインド・ディフレクターも効果的に車内の居心地を保ってくれる。

オールドスクールなジャガーを堪能したいなら、Fタイプでは後輪駆動を選べるP450がベストだと筆者は思う。特にクーペの場合、R P575はよりシリアスな能力の持ち主だが、英国価格は10万ポンド(約1610万円)を軽く越えてしまう。

もっとも、8万3920ポンド(約1351万円)のコンバーチブル 75 P450もお手頃とはいえない。718ボクスター GTSより遥かに高価ではあるが、英国のディーラーでは、小さくない値引きも今なら可能なようだ。

Fタイプ固有のリラックスした大人な雰囲気と、V8エンジンならではのノイズとパワーには、他では得難い魅力がある。ジャガーのコンバーチブルは、登場した10年前から変わることなくエレガントだと思う。これをオーダーできる猶予は長くない。

ジャガーFタイプ・コンバーチブル 75 P450 RWD(欧州仕様)のスペック

英国価格:8万3920ポンド(約1351万円)
全長:4470mm
全幅:1923mm
全高:1307mm
最高速度:284km/h
0-100km/h加速:4.4秒
燃費:9.6m/L
CO2排出量:238g/km
車両重量:1718kg
パワートレイン:V型8気筒4999ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:450ps/6000rpm
最大トルク:59.0kg-m/2500-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

1件
  • この現行Fタイプ75 P300は今一番所有したいクルマ。
    デザインがジャガーらしくエレガントで美しく、更に最後の内燃機関モデルになるだろう。
    V8エンジンと1900ミリを超える車幅は狭い日本では少しもて余すが、郊外移動用には爽快に楽しめそうな気がする。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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