現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トレジアは単なるバッジエンジニアリングではなく、スバル独自の「味」がした【10年ひと昔の新車】

ここから本文です

トレジアは単なるバッジエンジニアリングではなく、スバル独自の「味」がした【10年ひと昔の新車】

掲載 2
トレジアは単なるバッジエンジニアリングではなく、スバル独自の「味」がした【10年ひと昔の新車】

2010年11月、スバルから全長4mを切るトールワゴン「トレジア」が登場した。スバルにとって、インプレッサより下のセグメントに投入する重要なモデルだったが、実はトヨタ ラクティスの兄弟車でもあった。では、スバル トレジアとはどういうモデルだったのか。今回は登場後、間のなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2011年3月号より)

スバルならではの専用チューニングが施された足まわり
トヨタとスバルは2005年10月に業務提携をしているが、それを発展させ新たな協力関係に合意したのは2008年4月のことである。これによりトヨタからスバルへの小型車のOEM供給が決まった。その第一弾がこのトレジア(トヨタ ラクティス)である。ちなみにスバルのOEMモデルは、ダイハツからの軽自動車のルクラ、プレオ、ディアスワゴン、登録車のデックスに続く5モデル目となる。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

「宝物」という名前が付けられた、スバルの新しいクルマが目指したのは、クラスレベルを超えたコンパクトカーである。それは日常の使い勝手に特化した運転のしやすさや大容量のラゲッジルーム、スバルらしい走りに表現されている。

大容量ラゲッジルームは、5人乗車時429Lを確保する。これはインプレッサの301Lと比べるとプラス128Lにもなる。ラゲッジルームの高さも910mmとインプレッサ比でプラス133mmも高い。つまり、高さのある荷物でも積みやすいということ。またラゲッジルームのフロアには、フレキシブル2段カーゴボードが用意される。これは通常時の荷室高910mmが、カーゴボードを下げることで荷室高がプラス120mmの1030mmとなり、さらにカーゴボードを取り外せば1200mmにもなるというもの。他にもラゲッジからワンタッチでシートを格納できるなどアイデアも多彩だ。

ラインナップするのは、1.3Lが「i」と「i-L」、「i-S」、1.5Lが「i」と「i-L」、「i-L Panorama」、「i-S」、「i TYPE EURO」の7グレードとなる。とくに「i TYPE EURO」は、「i-L」の内外装にスプリングのバネ定数やスタビライザー径の変更など、専用チューニングが施された足まわりを組み合わせたスバルらしいモデルである。トランスミッションは全車CVTで、1.5Lエンジンには4WDシステム搭載車も用意される。

スバル トレジアとトヨタ ラクティスの大きな違いは、やはりエクステリアになる。六連星が付けられたウイングモチーフのフロントグリルはスバルファミリーの一員であることを主張し、リアのゲートガーニッシュもフロントグリル同様にメッキが使われスポーティな雰囲気を漂わせるデザインとなっている。ラクティスの新しいアイコン“1本アームワイパー”はトレジアにも採用されている。

「クルマで走ることは単なる目的地への移動ではなく、歓びを存分に味わうことのできる格好のステージである」とスバルはトレジアのカタログで謳っている。同感だ。トレジアではどのような歓びが味わえるのか、期待に胸が躍る。試乗に借り出したのは「1.5i TYPE EURO」。パドルシフトが装備されたモデルである。

背の高いMPVから想像できないほど安定感のあるコーナリング
感心したのはレスポンスよくスムーズに回る1NZ-FE型1.5Lエンジンで、パフォーマンスはかなり高い。ただ、高回転まで回すと、エンジン音が騒がしくなるのは仕方のないところか。

1.3Lエンジンはアクセルペダルを踏み込んだときに非力で物足りなさを感じたが、1.5Lはそうした印象は受けない。ちなみに最高出力は、1.3Lが95psだが1.5Lは109psとなる。車両重量1100kgぐらいのクルマでは、この14psの違いが大きいということなのだろう。

1.5Lに標準装備(1.5iを除く)されるパドルシフトを使えばワインディングを攻めるのも楽しい。サスペンションを専用チューニングした「TYPE EURO」の足がしっかりと働いているので、コーナリングは背の高いMPVから想像できないほど安定感している。

さらにハンドルやシートから伝わってくるインフォメーションが多く、姿勢も安定しているのでハイスピード域でも安心して走り抜けることができた。

トレジアは、スバリストが納得できるスバルらしい走りが味わえる、そんなコンパクトカーに仕上がっていると言っていいだろう。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:島村栄二)

スバル トレジア 1.5i タイプユーロ 主要諸元
●全長×全幅×全高:3990×1695×1585mm  
●ホイールベース:2550mm 
●車両重量:1110kg 
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1496cc
●最高出力:80kW(109ps)/6000rpm
●最大トルク:138Nm(14.1kgm)/4400rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●車両価格:183万2250円(2011年当時)

[ アルバム : スバル トレジア はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産はなぜ[キューブキュービック]みたいな小さい3列シート車を作らないのか?
日産はなぜ[キューブキュービック]みたいな小さい3列シート車を作らないのか?
ベストカーWeb
凝縮されたスポーティ&エレガンスが光る!新型BMW 2シリーズ グランクーペが欧州でデビュー
凝縮されたスポーティ&エレガンスが光る!新型BMW 2シリーズ グランクーペが欧州でデビュー
Webモーターマガジン
“ジープ最小”のコンパクトSUV「ラゲッジスペースの使い勝手」はどう? 新型「アベンジャー」はレジャードライブで活躍する?
“ジープ最小”のコンパクトSUV「ラゲッジスペースの使い勝手」はどう? 新型「アベンジャー」はレジャードライブで活躍する?
VAGUE
弱点克服でベストバイに? スバル・クロストレックにストロングハイブリッド登場!
弱点克服でベストバイに? スバル・クロストレックにストロングハイブリッド登場!
AUTOCAR JAPAN
真面目さと耐久性が売り! 新型 スバル・フォレスターへ英国試乗 タッチモニター獲得 強みは不変
真面目さと耐久性が売り! 新型 スバル・フォレスターへ英国試乗 タッチモニター獲得 強みは不変
AUTOCAR JAPAN
え? [GT-R]に感覚似てない? 日産[ノートNISMO]を買うと幸せになれる理由
え? [GT-R]に感覚似てない? 日産[ノートNISMO]を買うと幸せになれる理由
ベストカーWeb
アストンマーティン DB12「ゴールドフィンガー エディション」を発表。次のボンドカーは、これになるのか!?
アストンマーティン DB12「ゴールドフィンガー エディション」を発表。次のボンドカーは、これになるのか!?
Webモーターマガジン
【クルマの通知表】ダイナミックな造形と走り。輸入車イーター、トヨタ・クラウン・スポーツPHEVの光る先進ポイント
【クルマの通知表】ダイナミックな造形と走り。輸入車イーター、トヨタ・クラウン・スポーツPHEVの光る先進ポイント
カー・アンド・ドライバー
アルピーヌが未来を語る、水素エンジン搭載のハイブリッドマシン「アルペングローHy6」が世界初公開
アルピーヌが未来を語る、水素エンジン搭載のハイブリッドマシン「アルペングローHy6」が世界初公開
Webモーターマガジン
【試乗】燃費さえよければ……のスバルからついにストロングHVが登場! クロストレックS:HEVは燃費も走りの上質さも爆上がり!!
【試乗】燃費さえよければ……のスバルからついにストロングHVが登場! クロストレックS:HEVは燃費も走りの上質さも爆上がり!!
WEB CARTOP
スバル「新型SUV」初公開! AWD&「“すごい”ハイブリッド」新搭載! 安全性も向上の“俊足”モデル「クロストレック“S:HEV”」5つの“驚き”とは
スバル「新型SUV」初公開! AWD&「“すごい”ハイブリッド」新搭載! 安全性も向上の“俊足”モデル「クロストレック“S:HEV”」5つの“驚き”とは
くるまのニュース
スバルが本気でハイブリッドに挑む──新型クロストレックS_HEV試乗記
スバルが本気でハイブリッドに挑む──新型クロストレックS_HEV試乗記
GQ JAPAN
ダイハツ斬新「“FR”スポーツカー」に大反響! 「結構売れそう」「200万円台ならいいな」「丸目がカッコイイ」の声! 1.3Lエンジン&“屋根なし”の「大きなコペン」に熱視線!
ダイハツ斬新「“FR”スポーツカー」に大反響! 「結構売れそう」「200万円台ならいいな」「丸目がカッコイイ」の声! 1.3Lエンジン&“屋根なし”の「大きなコペン」に熱視線!
くるまのニュース
“走るインテリア”──新型ホンダN-BOX JOY試乗記
“走るインテリア”──新型ホンダN-BOX JOY試乗記
GQ JAPAN
“新車52万円”の新型「3人乗りトライク」に反響殺到! さらに超パワフルな「250ccモデル」も発売へ! “公道走行”OKな「コスパ最強マシン」がスゴイ!
“新車52万円”の新型「3人乗りトライク」に反響殺到! さらに超パワフルな「250ccモデル」も発売へ! “公道走行”OKな「コスパ最強マシン」がスゴイ!
くるまのニュース
新型フェラーリF80が、華麗に登場──GQ新着カー
新型フェラーリF80が、華麗に登場──GQ新着カー
GQ JAPAN
日産「新型ムラーノ」世界初公開! 唯一無二の「ターボエンジン」&斬新シフト採用! 2025年初頭に北米で発売へ
日産「新型ムラーノ」世界初公開! 唯一無二の「ターボエンジン」&斬新シフト採用! 2025年初頭に北米で発売へ
くるまのニュース
【試乗記を含む新車情報】ルノーの象徴が復活 嬉しい気持ちと複雑な気持ち 戻ってきたサンクもついにEV化 新型ルノー5の全情報!
【試乗記を含む新車情報】ルノーの象徴が復活 嬉しい気持ちと複雑な気持ち 戻ってきたサンクもついにEV化 新型ルノー5の全情報!
AutoBild Japan

みんなのコメント

2件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

156.6213.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.083.9万円

中古車を検索
トレジアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

156.6213.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.083.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村