車種専用設計をさまざまなジャンルに波及させているアルパイン。カーナビやディスプレイオーディオ、さらにはスピーカーやリアビジョンにも車種専用設計を施し特別感を主張している。そんなアルパインが2024年下期の新製品を一挙に発表したので取材してきた。
◆画面が大型化しても自然な雰囲気を作る車種専用設計
アルパインが得意とする車種専用設計、近年はカーナビやディスプレイオーディオの取り付けで車種に対応させた大画面の取り付けが同社の大きな売りになっている。純正では2DINサイズ(最大で7.5型程度まで)の車種に周辺パネルまでを専用設計することで10型や11型のディスプレイを設置するのもそのひとつの手法だ。
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そんな中、新製品として注目したのがスズキ『ジムニー/ジムニーシエラ』専用として開発された「ジムニー/ジムニーシエラ専用パーフェクトフィットBIG DA(9型)」(PF9DA-JI-64)だ。
従来フローティングタイプのBIG DAが存在したのだが、これをジムニー/ジムニーシエラに取り付けるとディスプレイが上に若干飛び出し、さらに手前に出っ張ってしまう、さらにフローティング用の金具も背面に見える構造だ。
対して新型のパーフェクトフィットでは取り付けブラケットと周辺パネルを専用で開発することで、純正の2DINの開口部にすっぽり9型ディスプレイをビルトインした。そのためディスプレイの高さはダッシュの高さに抑えられる、またディスプレイの前面も純正と同じフェイス面に設置されることになる。実際に同モデルが取り付けられたデモカーを見ると一目瞭然なのだが、とにかくフィット感が抜群に良い。このスペースにきれいに9型ディスプレイが収まっているのは美しく素敵だ。
一方、ジムニー/ジムニーシエラの大画面化のアルパインからのもうひとつの提案となっているのが「ジムニー/ジムニーシエラ専用BIG X(10型)」(EX10NX2-JI-64)だ。
こちらはダッシュのカーナビ取り付け部を大きく変更するパネルを備えているのが特徴。下方向は操作ボタンをせり出して10型の大画面をジムニーシエラのダッシュにフィットさせているのがわかる。周辺パネルは純正の素材感とも合わせて違和感無く仕上げているのが特徴。10型の大画面カーナビをジムニー/ジムニーシエラに取り付けたい場合には見逃せない選択となる。さらに新しいBIG Xには新機能として傾斜計を搭載したのもトピック。ジムニーでオフを走る場合には前後左右の傾斜を確認しつつドライブできるのもメリットだろう。
◆キャラバンに11型ディスプレイを違和感無くスマートに装着
次に注目したのは日産『キャラバン』だ。トヨタ『ハイエース』のライバルとして大型のギアを積み込んでのレジャーやキャンプなどで大活躍する同車には「キャラバン専用パーフェクトフィットBIG X11」(PF11NX25-CV-26AM)が新たに登場した。
ジムニーで紹介したのと同様、フローティングタイプの11型ディスプレイ(こちらはカーナビのBIG X)をダッシュに美しくフィットさせているのが特徴。構造を見るとフローティングディスプレイの取り付け部背面に化粧パネルが設置され、ダッシュと一体化しているのが美しい。さらに取り付けブラケットを専用設計することでフローティング構造にありがちが、ディスプレイがダッシュから前方にせり出すこと無く、限りなくダッシュに密着させて取り付けているのもスタイリッシュ。これによってディスプレイを低く/奥に取り付けることに成功、運転席からの視界も良好にしている。
◆WR-Vパーフェクトキットや新たなサウンドシステム『メティオサウンド』にも注目
その他にも、ホンダ『WR-V』にもパーフェクトフィットが登場。「WR-V専用パーフェクトフィットBIG X11」(PF11NS2S-WRV-5-NR)は11型の大画面をダッシュパネルにフィットさせる構造。
ジムニーやキャラバンなどの他のパーフェクトフィットと同様、フローティングタイプのディスプレイ(11型)を専用ブラケットで設置、背面は純正同様の表皮を再現した専用パネルで覆ってディスプレイをダッシュと一体化させているのも見どころ。WR-Vへの大画面カーナビの取り付けをスマートにこなすなら見逃せないアイテムだ。
発表会の会場にはさまざまな車種の車種専用カーナビ/ディスプレイオーディオがデモカーに設置された状態で展示されたが、もう1台の注目モデルとなったのが三菱『デリカミニ』だ。こちらは10型のBIG X(EX10NX2-DM-30)を取り付けた。周辺パネルなどを車種専用に設計して10型のカーナビを違和感なく取り付けている。人気のデリカミニに大画面カーナビを設置するには注目のモデルとなった。
もうひとつ車種専用設計で注目のアイテムがアルパインからリリースされている。それがスピーカーシステムの「メティオサウンド」だ。今回取材したジムニーシエラ、キャラバン、WR-Vなどに装着され、さらにスズキ『ハスラー』などの車種への対応拡大も順次進んでいる。
メティオサウンドの特徴はルーフにスピーカーを埋め込む独特のスタイル。コクピット上のルーフライナーをカットして5cmスピーカーをビルトイン取り付け、ドアの純正位置にはウーファーユニットをインストールする構造だ。
天井のスピーカーから中高域の音が再生されるのでリスナーとの間に遮蔽物や障害物がなく直接音が届くのが特徴。そのためクリアなサウンドが得られるのだ。さらにドアのウーファーユニットは低音に特化して再生するため、深く厚みのある低音再生が可能になるのも魅力。これまでに無い新しいスタイルのスピーカーシステムは幅広いユーザーに音の良い環境がいかに快適かを感じさせてくれるものとなっている。
車種専用設計はその他にも多数用意されていた。例えばリアビジョンも車種専用の取り付けキットが用意される。デモカーで展示されたキャラバンには後席天井部分に12.8型モニターを取り付けていたのも印象的だった。またデジタルミラーの専用モデルもジムニー/ジムニーシエラなどに設定される。
取り付けのスマートさや機能性などを考えると車種専用に設計されたユニットにはメリットも多い。アルパインがラインアップするカーナビ、ディスプレイオーディオをはじめとした車種専用設計のモデル群を積極的に取り入れて、愛車をグレードアップしてみよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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