2022年もさまざまなニューモデルが登場し、市場を盛り上げてくれたが、2023年にはどんな魅力的なクルマが日本へと導入されるのだろうか。(文:大谷達也)
とどまるところを知らない高級SUVが次々と登場
自動車業界では電動化への課題や半導体不足が叫ばれるようになって久しいが、2023年に日本導入予定のモデルをピックアップしたところ、実に36台を数えた。しかも、そのうちの3分の2が1000万円以上の高価格車。安全装備の充実に電動化で車両価格が全般的に上昇しつつあるのは事実だが、その背景には、高所得層の自動車への旺盛な需要も関係しているように思えてならない。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
冒頭で紹介するのは2台のランボルギーニ ウルス。先に登場したのはハイパフォーマンス版のペルフォルマンテで、最高出力を従来の650psから666psに引き上げたほか、47kgの 軽量化、車高を20mm下げるなどして、さらなる高性能を追求。0→100km/ h加速は3.3秒、最高速306km /hを公表する。
そしてパイクスピークヒルクライムでは、4年前にベントレーベンテイガが達成したプロダクションSUVクラスの新記録を秒近く更新する10分32秒064をマークしたという。
このペルフォルマンテと同等のパフォーマンスを持つエンジンを搭載しながら、よりエレガントなスタイルに仕上げたのがウルスSで、オリジナルウルスのマイナーチェンジ版と位置づけられている。いわば、ウラカンSTOに対するウラカンテクニカのような存在といえるだろう。
一方、ラグジュアリーSUVに一大旋風を巻き起こしているのがフェラーリ プロサングエ。メーカー自身は「SUVでない」と主張しているが、フェラーリ史上初の4ドアモデルが既存のSUV市場に重大な影響を及ぼすのは火を見るよりも明らか。
その見どころは、観音開き式ドアが描き出す優雅なスタイリングだけでなく、専用設計のプラットフォーム、自然吸気V12エンジン、新開発のアクティブサスペンションなどがもたらす高度なドライビングダイナミクスにもある。フェラーリの威信をかけて仕上げたプロサングエの走りがどのようなものか、早く確かめてみたいものだ。
多様化が進むハイブリッドバリエーション
BMWからはX7とXMが登場する。このうち、X7はデビュー4年目を迎えてのマイナーチェンジであるのに対して、XMは、M1以来となる「M専用ボディ」が与えられたことに歴史的な意義がる。「M」初のプラグインハイブリッドであることも特徴のひとつで、システム総合出力は実に653psに達する。
人気のメルセデスベンツGLCは2代目に進化し、全車ハイブリッドシステムを搭載。エンジンは排気量2Lのガソリンもしくはディーゼルとなる。
アルファロメオ トナーレはステルヴィオよりひとまわり小さなSUV。ただしエンジンは縦置きではなく横置きで、1.5Lガソリン+ハイブリッドのほか、1.3Lガソリンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせたQ4をラインナップ。Q4は最高出力275psで、0→100km/h加速を6.2秒で駆け抜ける。
新型DS7はマイナーチェンジ版で、従来の丸みを帯びたデザインから直線的なスタイリングに一新。パワートレーンはガソリンやディーゼルのほか、プラグインハイブリッドも設定される。
レンジローバースポーツはレンジローバーのショートホイールベース版。発売当初のパワートレーンは直6ディーゼル+マイルドハイブリッドの組み合わせのみ。兄貴分のレンジローバーが絶好調なだけに、こちらも人気モデルとなるのは確実だろう。なお、同じランドローバーからはディフェンダーのロングホイールベース版「130」が追加される。
このほか、BMW X1とルノー カングーのフルモデルチェンジ版やDS3の改良版などが日本上陸を果たす見通しだ。
さらに充実していくBEVのラインナップ
メルセデス・ベンツのBEVサブブランドであるメルセデスEQからは、EQSやEQEと同じBEV専用プラットフォームを用いた2台のSUVV、EQS SUVとEQE SUVがデビューする。
バッテリー容量はそれぞれ107.8kWhと90.6kWh。全長はEQS SUVが5125mmでEQE SUVが4863mmと262mmの差がある。2台ともアメリカのタスカルーサ工場で生産される計画だ。
アウディは単にeトロンと呼ばれていたBEVのマイナーチェンジを実施するとともに、モデル名をQ8 eトロンに改めると発表した。「Q8」を名乗ることでSUV系BEVのフラッグシップモデルであることを鮮明にすると同時に、シングルフレームグリルとその周囲のカラーを反転させたeトロンGTと共通のデザインを採用し、eトロンシリーズの一員であることを明確にしている。
全車4WD=クワトロとなるパワートレーンは、340ps/664Kmの50eトロン、408ps/664Nmの55eトロン503ps/973NmのSQ8 eトロンと3タイプを用意。バッテリー容量は、50eトロンが95kWhで、55eトロンとSQ8 wトロンが114kWhとなっている。
BMW iX1はX1のBEV版、フォルクスワーゲンID.BUZZはID.4と同じMEVプラットフォームを用いたミニバンだ。
一方、ボルボの新たなフラッグシップモデルとして誕生するのがEX90。BEV専用モデルのEX90は、SPA2と呼ばれる新プラットフォームを採用。当初販売されるのは111kWhのバッテリーと517ps/910Nmのモーターを組み合わせた4WDモデルとなる。LiDARを装着するなど、最先端の運転支援システムを搭載していることも注目ポイントのひとつだ。
ロールスロイスからは初のBEV、スペクターが誕生。静粛性が高くて滑らかな電気モーターは、ロールスロイスにとって理想的なパワートレーンであると同社は説明する。2ドアクーペのスペクターはファントムクーペの後継モデルで、最新のファントムなどと同じ「アーキテクチャーオブラグジュアリー」を採用。最高出力は585psで航続距離は約520kmとなる見通しである。
アベンジャーもジープにとって初のBEV。全長は4.08mとコンパクトながら、ジープの名に恥じない悪路走破性を備えているのが特徴である。
電動化が進む中でもまだまだ純ICEスポーツカーが登場
電動化を積極的に進めているランボルギーニは、パワートレーンをV12+ハイブリッドとしたアヴェンタドールの後継モデルを23年に発表する予定だが、「ベイビーランボ」たるウラカンもモデルライフの最終章に入った。
そのエピローグを飾るのがウラカン テクニカとウラカン ステラートの2台。このうち、テクニカ はウラカンSTO並みのパフォーマンスをシックなデザインで包んだカタログモデルとなる。一方、ウラカンの最終モデルとされるステラートは、なんと車高を高めたオフロードモデルとして登場したが、こちらは1499台のみが生産される限定車だ。
マセラティとフェラーリからは、相次いでミッドシップのコンバーチブルモデルが登場する。MC20チェロはグラスルーフを標準装備。ここにPDLCという技術を用いていることで、グラスルーフを透明と磨りガラス状に切り替えることが可能。MC20チェロ専用に細部を見直したエレガントなデザイン、それにクーペ譲りの快適な乗り心地も魅力的だ。
296GTSは、新開発V6エンジンツインターボエンジンのパワフルな走りで人気の296GTBをリトラクタブルハードトップ仕様に改めたモデル。296GTBがすでに完売とされるので、こちらも早めにディーラーを訪れたほうがいいだろう。
タイプ992のポルシェ911としては最後の大物となる911GT3 RSも年に日本上陸を果たす。強力なダウンフォースがどんな走りをもたらすのか、興味津々だ。もう1台の911カレラTはカレラとカレラSの中間に位置するモデル。エンジンはカレラと同じ最高出力385psながら、リミテッドスリップデフやOASMスポーツサスペンションを標準装備。バランスのいいスポーツドライビングが楽しめそうだ。
そのほかにもアウディR8の最終モデルとなるV10 GT RWD、アルピーヌA110R、シボレー コルベットZ、ポルシェ911ダカール、ベントレー バトゥールと新型車が目白押しだが、これらとともにとくに注目したいのがBMW M2とマセラティ グラントゥーリズモだ。
BMW M2はひと足先に新型へとモデルチェンジした弟分のM240iの完成度がすこぶる高かったので大いに期待したい。
さらに楽しみなのが、フルモデルチェンジを受けるグラントゥーリズモ。そのシンプルなデザインは最新のマセラティらしく緻密で洗練されている。しかも、ラインナップはエンジン車とマセラティ初のBEVとの2本立てで、エンジン車はMC20と共通のV6ネットゥーノエンジンを採用。フォルゴーレと呼ばれるBEVは408psのモーターを3基搭載してヨーモーメントを制御するというから、なんとも刺激的である。(文:大谷達也)
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