現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 公道走行は避けるべきか? サーキット最強の「Sタイヤ」正しい使い方

ここから本文です

公道走行は避けるべきか? サーキット最強の「Sタイヤ」正しい使い方

掲載 更新 56
公道走行は避けるべきか? サーキット最強の「Sタイヤ」正しい使い方

ハイグリップゆえに普段乗りにではそれが仇になる事もある

 サーキット走行の上級者がよく話す『Sタイヤ』とは? 凄まじいグリップは最終兵器なんて形容されるけど、デメリットも決して少なくないと聞く。自分で使うか使わないかは別としてSタイヤの基礎知識、そして現役タイムアタッカーに人気の銘柄を紹介しよう。

「無意識のクセ」が故障の原因に! MT車乗りが「やってはいけない」サーキットでの操作

建前は一般道も走れる事になってるけど……

 Sタイヤとはモータースポーツでの使用を前提に開発された、高いグリップ力を誇るラジアルタイヤのひとつだ。名前の『S』はセミレーシングまたはセミスリックの略とされており、国内外を問わず多くのメーカーが商品をラインアップしている。

 冒頭で挙げたとおりグリップ力は一般のスポーツラジアルを大きく凌駕するが、決してオールマイティな性能とはいえず、お世辞にも街乗りに向いているとはいえない。最大の理由がグリップする温度域の狭さ。多くのSタイヤにはソフト/ミディアム/ハードなど、複数のコンパウンドが設定されている。寒さでタイヤが温まりにくい冬はソフト、夏の耐久レースならハードというように、路面温度や競技によって使い分ける必要があり、選択ミスはタイムを落とすどころか事故にも結び付く。 街乗りではサーキットのような大きな負荷がかからず、柔らかいコンパウンドでも発熱させるのが難しいうえ、ウエット路面に弱いのは溝面積が少ないトレッドを見れば一目瞭然。

 もうひとつ街乗りに不向きな理由は、グリップと引き換えにした摩耗の早さだ。タイヤ交換が面倒で普段からSタイヤを履いていたら、新品が1カ月もかからず丸坊主になってしまった、なんて苦い思い出を持つ人もいるかもしれない。さらにロードノイズは大きいし燃費や乗り心地も悪く、ハッキリいって街乗りでのメリットは皆無だろう。車検こそ規定の残量さえあれば合格するが、サーキット専用と割り切って使うのが賢明だ。

最近注目されているSタイヤはどれ?

 ここからはサーキットで実際に人気のある、代表的なSタイヤをいくつか紹介したい。国内メーカーではブリヂストンの『ポテンザRE-11S』や、ヨコハマの『アドバンA050』にダンロップの『ディレッツァ03G』が定番。いずれもレースやジムカーナなどのカテゴリーで、豊富な実績を残し多くのドライバーに愛用されている

 そして近年のタイムアタックで絶大な支持を集めているのが、スリックタイヤにしか見えないフージャーの『DOTラジアル』だ。トレッドには最小限の溝というか穴しか刻まれておらず、ドライ路面でのグリップは見て分かるとおり強烈のひと言。生まれ故郷のアメリカでは『DOT規格』を取得しており、法的にはSタイヤと同じく公道を走行できるし車検も通る。

 ただし近年では86/BRZレースやD1グランプリでのタイヤ戦争が過熱し、Sタイヤとハイエンドのスポーツラジアルの境が曖昧になってきた。ブリヂストンの『RE-12D』やヨコハマの『アドバンA052』、ダンロップの『ディレッツァβ02』やトーヨーの『プロクセスR888R』などは、スポーツラジアルと謳いながらSタイヤと見分けがつかないパターンだ。サーキットでのタイムを追求するなら、Sタイヤだけじゃなく最新のスポーツラジアルも選択肢に含めてみよう。

関連タグ

こんな記事も読まれています

新型エルグランド大胆妄想!! アルファードに勝つために必要な性能と価格とは?
新型エルグランド大胆妄想!! アルファードに勝つために必要な性能と価格とは?
ベストカーWeb
なぜ「SLS AMG」は比類なきスポーツカーだったのか? メルセデス・ベンツとAMGが注いだコスト度外視の革新的技術とは
なぜ「SLS AMG」は比類なきスポーツカーだったのか? メルセデス・ベンツとAMGが注いだコスト度外視の革新的技術とは
Auto Messe Web
MotoGPスペインGPプラクティス|王者バニャイヤ、レコード更新し初日最速。マルク・マルケス3番手
MotoGPスペインGPプラクティス|王者バニャイヤ、レコード更新し初日最速。マルク・マルケス3番手
motorsport.com 日本版
トヨタ・ランドクルーザーの中核モデル「250」シリーズが発売。特別仕様車のZX“First Edition”とVX“First Edition”も設定
トヨタ・ランドクルーザーの中核モデル「250」シリーズが発売。特別仕様車のZX“First Edition”とVX“First Edition”も設定
カー・アンド・ドライバー
ボルボ「XC40」仕様変更&プレミアムな装備を採用した特別限定車を発売
ボルボ「XC40」仕様変更&プレミアムな装備を採用した特別限定車を発売
グーネット
日産 新エネルギー車のコンセプトカー4車種をお披露目 北京モーターショー【動画あり】
日産 新エネルギー車のコンセプトカー4車種をお披露目 北京モーターショー【動画あり】
グーネット
ホンダ 新EVシリーズ第2弾 新型「e:NP2」「e:NS2」発表 北京モーターショー
ホンダ 新EVシリーズ第2弾 新型「e:NP2」「e:NS2」発表 北京モーターショー
グーネット
エンジン版と共有部品ナシ! ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 ちゃんと「らしい」 航続500km以上
エンジン版と共有部品ナシ! ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 ちゃんと「らしい」 航続500km以上
AUTOCAR JAPAN
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
AUTOSPORT web
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
AUTOSPORT web
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
くるまのニュース
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
AUTOCAR JAPAN
約20年ぶりのBTCCフル参戦に臨む元世界王者ロブ・ハフ「カローラはかなり快適だ。でも忙しいね!」
約20年ぶりのBTCCフル参戦に臨む元世界王者ロブ・ハフ「カローラはかなり快適だ。でも忙しいね!」
AUTOSPORT web
アウディの電動SUV『Q6 e-tron』に105mm長い「L」
アウディの電動SUV『Q6 e-tron』に105mm長い「L」
レスポンス
においを出すSUVだと…? ホンダの新SUVは至れり尽くせり? 中国でEV攻勢へ
においを出すSUVだと…? ホンダの新SUVは至れり尽くせり? 中国でEV攻勢へ
乗りものニュース
「市販します」トヨタのEV“bZ”シリーズ新型2車種 Z世代向け&ファミリー向け スタイルはっきり分ける
「市販します」トヨタのEV“bZ”シリーズ新型2車種 Z世代向け&ファミリー向け スタイルはっきり分ける
乗りものニュース
三菱「新型“精悍”コンパクトSUV」発表! 斬新マスクがカッコイイ! 新型「ASX」マイチェン版 欧州で発売へ
三菱「新型“精悍”コンパクトSUV」発表! 斬新マスクがカッコイイ! 新型「ASX」マイチェン版 欧州で発売へ
くるまのニュース
セゾン自動車火災保険、商号を「SOMPOダイレクト」に変更
セゾン自動車火災保険、商号を「SOMPOダイレクト」に変更
レスポンス

みんなのコメント

56件
  • サーキット走行後、忙しくてSタイヤのまま帰宅した事がありますがロードノイズ酷すぎて疲れます。
    グリップ?ただでさえ目立つ車なので一般道はミニバンに煽られるレベルよノロノロ運転なのでグリップ全然関係ないです
  • Sタイヤは熱入れないとグリップしないよね?20年前はそうだった…
    一般道じゃ熱入らないから雨とか危ないと思う
    てか、ロードノイズうるさくて履いてられないよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村