オーストラリアが誇るシリーズ最大の祭典『Repco Bathurst 1000(レプコ・バサースト1000)』が、今季もRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの第10戦としてマウントパノラマで開催され、予選シュートアウトで最速を奪った王者ブロディ・コステッキ(エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロZL1)が、ペアを組んだトッド・ヘイゼルウッドとともにポールポジションから決勝も支配。このふたりに挑んだブロック・フィーニー/ジェイミー・ウインカップ組(レッドブル・アンポル・レーシング/シボレー・カマロZL1)も退け、レース時間『5時間58分3秒』という史上最速のポール・トゥ・ウインを飾っている。
今季初の“エンデューロ(耐久)”ラウンドとして9月中旬に争われた『Sandown 500(サンダウン500)』では、名門トリプルエイト・レースエンジニアリング(T8)のウィル・ブラウン/スコット・パイ組(レッドブル・アンポル・レーシング/シボレー・カマロZL1)が陣営内バトルを制して勝利。それに続く今季2戦目、かつチャンピオンシップを代表する1戦を前に、シリーズは矢継ぎ早の“ビッグニュース”に溢れた。
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その先陣を切ったTOYOTA GAZOO Racingによる2026年からのA90型『GRスープラ』電撃参戦を皮切りに、シリーズは来季2025年のカレンダー発表とともにフォーマットの改訂もアナウンスし、従来のスプリント戦とエンデューロに加えて、チャンピオンシップ終盤に3戦7ヒートにわたるノックアウト方式の“THE FINALS(ザ・ファイナルズ)”を導入。北米NASCARと同様のシステムを採用し、最終的なタイトル獲得者を決定すると発表した(追って詳報)。
そんな盛り上がりのなか迎えたマウントパノラマでの走り出しは、難関マウンテンセクションでGen3規定モデルのクラッシュが相次ぎ、名門T8の選手権首位ブラウンと組むパイが「木曜からこんな事態を招き、チームとウィルに申し訳ない」と、前戦勝者がカマロZL1スーパーカーの右リヤを大破させてしまう。
その流れは金曜暫定の計時予選でも続き、セッション終了まで残り20分を少し切ったところで、山側の“Dipper(ディッパー)”を攻略中のデビッド・レイノルズ(チーム18/シボレー・カマロZL1)がフロントからクラッシュ。これで赤旗が掲示されると、セッション終盤にはウィル・デイヴィソン(シェル・Vパワー・レーシング/フォード・マスタング)が同じ場所で2回目の赤旗の原因となる。
さらに続く土曜の予選トップ10シュートアウトでも、前日暫定予選で首位タイムを叩き出していたマット・ペイン(ペンライト・グローブ・レーシング/フォード・マスタング)がアタックラップで壁の餌食となり、ポールから0.7秒以上遅れて7番手に留まる波乱も巻き起こる。
■最後のスプリント勝負でコステッキ/ヘイゼルウッドが初制覇
そんななか、今季開幕からの序盤数戦を欠場する苦しい時期も過ごした王者コステッキが、最終的にキャメロン・ウォーターズ(ジェームス・モファット組/ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)を0.1310秒差で退け、昨季に続く2年連続のポールシッターに輝いた。
「最前列を奪えるかどうかはわからなかった。このトラックで走ったラップのなかでベストとは言えなかったが、マシンは週末ずっと素晴らしい状態だったね」と、過去3年間で2回の表彰台を経験するコステッキ。
「僕らは自分たちのことだけに集中していた。クルー全員が本当に一生懸命働いていたし、これ以上良いスタートはできない。明日に向けて集中したいし、トッド(・ヘイゼルウッド)と一緒に仕事をするのは素晴らしいよ。明日は長い1日だ。ミスを最小限に抑えて、どうなるか見てみよう」
そう語ったふたりは、日曜の決勝スタートから盤石のレース展開を披露して首位のポジションを維持。フロントロウを分けていたウォーターズ/モファット組は遅れ、終盤にはやはり強豪T8陣営がリーダーを追う展開となる。
さらにシュートアウトでクラッシュを喫していたペインが、今度は“The Cutting(ザ・カッティング)”でコースアウトしたためセーフティカー(SC)が発動。残り27周で最後のスプリント勝負が幕を開ける。
しかしリスタートもこなしたコステッキが背後のフィーニーを抑え切り、このバトルに追随できないながらも、僚友ブラウン/パイ組が金曜の受難を乗り越える最後の表彰台スポットを確保。4位にウォーターズ/モファット組、そしてチャズ・モスタート(リー・ホールズワース組/ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/フォード・マスタング)がトップ5を占める結果となった。
「正直、信じられない。このチームメンバーたちは週末ずっと素晴らしい仕事をしてくれた。僕たちのクルマが速いことはわかっていたが、最後のほうで充分なスピードを維持できなかった……とも感じていたんだ」と、シリーズが誇る『バサースト1000』初制覇の喜びを語ったコステッキ。
「ジョージ(・コミンズ/レースエンジニア)が最後まで調整してくれて、ブロック(・フィーニー)の前に立つことができた。チーム全員と(支援者の)Chiko(チコ)に心から感謝している。彼らはこのラウンドに参加し、間違いなく僕らをカバーしてくれたんだ」
「信じられないよ。僕の味方の皆、そして9号車、さらにもう1台のクルマのトム(・ムーア/レースエンジニア)にも感謝したい。信じられない……今はただ感激している!」
この結果、表彰台を確保したブラウンが依然としてランキング首位を維持する2024年のRSC終盤戦。続く第11戦は、引き続き耐久フォーマットの『Gold Coast 500(ゴールドコースト500)』が10月25~27日に争われる。
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