■ライトなイメージのクロカン4駆を振り返る
三菱「パジェロ」や日産「テラノ」など、いわゆるクロスカントリー4WD車(以下、クロカン車)が爆発的にヒットしたことがあります。1980年代の終わりから1990年代の始めに、スキーブームの到来やアウトドアレジャーが人気となり、「RVブーム」が起きました。
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RVとは「レクレーショナル・ヴィークル」の略で、ミニバンやステーションワゴン、クロカン車が含まれ、レジャー用途に適したモデルを指します。
なかでもクロカン車は大ヒットし、各メーカーからラインナップされていたほどです。
そんなRVブームの前後にデビューしたクロカン車のなかから、洗練されたデザインのモデルを5車種ピックアップして紹介します。
●三菱「チャレンジャー」
RVブームをけん引したモデルの1台といえば三菱2代目「パジェロ」が挙げられます。
そこで、三菱はクロカン車のラインナップ拡充の一手として、1996年に2代目パジェロのコンポーネンツを流用した新型SUV「チャレンジャー」を発売。
外観はステーションワゴンタイプのみで、ワイルドな印象のパジェロに対して都会的なイメージのデザインを採用していました。
搭載されたエンジンは3リッターV型6気筒ガソリンに加え、2.8リッターと2.5リッターの直列4気筒ディーゼルターボの3種類が設定され、駆動方式は全グレード4WD。
上位グレードは4種類の走行モードを状況に応じて使い分けられる、三菱独自のスーパーセレクト4WDで、そのほかはパートタイム4WDとなっています。
その後、マイナーチェンジでガソリン直噴エンジン「GDI」が搭載され、フロントフェイスのデザインの刷新などがおこなわれましたが、パジェロほどのヒットとはならず、2001年に販売を終了。
なお、チャレンジャーは海外で現在も「パジェロスポーツ」の名で販売され、高い人気を誇っています。
●マツダ「プロシードマービー」
現在、マツダは「CX」シリーズを展開し、さまざまなクラスのSUVをラインナップすることで、高い人気を誇っています。
一方、RVブームの頃はクロカン車を販売しており、そのなかの代表的な1台が1991年に発売された「プロシードマービー」です。
プロシードマービーはピックアップトラックの「プロシード」のラダーフレームに、ステーションワゴンタイプのボディを架装する手法で開発されました。
特徴的だったのが3000mmというロングホイールベースによる広い室内と、価格が220万円台からと比較的安価に設定されていたことです。
外観はグラスエリアが広く、ロングホイールベースを生かした伸びやかなデザインで、車体後部にはエアロパーツのようなルーフキャリアが装備されるなど、質実剛健なイメージよりも背の高いスタイリッシュなステーションワゴンを表現。
搭載されたエンジンは2.6リッター直列4気筒ガソリンと2.5リッター直列4気筒ディーゼルの2種類で、トランスミッションは4速ATと5速MTを設定。駆動方式は、全車パートタイム4WDです。
プロシードマービーは一定の人気はあったものの、同クラスのハイラックスサーフやテラノほどのヒット作にはならず、1999年に販売は終了となり、後継車はありませんでした。
●トヨタ「70系ランドクルーザープラド」
トヨタが世界に誇るクロカン車の「ランドクルーザー・シリーズ」は、かつて「ヘビーデューティ」「ライトデューティ」「ステーションワゴン」の3つのタイプに分けられていました。
なかでもヘビーデューティの「ランドクルーザー70」は、過酷な環境でも耐えられるようにシンプルな構造で、クロカン車の原点を追求したモデルです。
日本では1984年にランドクルーザー70が発売され、翌1985年には70系ライトデューティの「ランドクルーザーワゴン」もラインナップ。
外観はランドクルーザー70に準じた2ドアのショートボディですが、主要なコンポーネンツはハイラックスサーフをベースにしていました。
そして、1990年のマイナーチェンジで車名が「ランドクルーザープラド」となり、4ドアのセミロングボディの追加とフロント周りのデザイン変更がおこなわれ、より洗練された意匠によって乗用車らしさを強調し、パジェロに対抗。
ラインナップは2ドアと4ドアのワゴン、4ドアのバンが設定され、搭載されたエンジンは4.2リッター直列6気筒、3.5リッター直列5気筒、2.5リッター直列4気筒ターボと、すべてディーゼルです。
また、リアデフには電動デフロックを装備するなど、悪路走破性も高められていました。
その後、ランドクルーザープラドは代を重ね、ハードすぎないランドクルーザーとしての地位を確立して現在に至ります。
■今はなきいすゞのスタイリッシュRVとは
●いすゞ2代目「ミュー」
いすゞは今でこそトラックメーカーですが、かつては数多くの名車と呼ばれる乗用車の生産をおこなっていました。
また、1981年にはピックアップトラックのラダーフレームにステーションワゴンタイプのボディを架装した本格的なクロカン車の「ロデオビッグホーン」を発売し、国内外で人気となります。
そして、1989年にビッグホーン系のコンポーネンツを使い、斬新かつスタイリッシュなショートホイールベースの2ドアRV、初代「ミュー」が誕生。
無骨なイメージだったクロカン車の常識を覆し、前後ブリスターフェンダーを採用するなど、RVブームと相まってヒットします。
1998年には、さらに都会的な印象のデザインとなった2代目ミューを発売。ボディは2ドアでレジントップと、後部ルーフのみが開閉可能なソフトトップを継承していました。
搭載されたエンジンは3リッター直列4気筒ディーゼルに加え、3.2リッターV型6気筒ガソリンを設定し、駆動方式は全車パートタイプ4WDです。
クロカン車としてはかなり洗練されたデザインの2代目ミューですが、RVブームは終焉しており、いすゞが乗用車の生産から撤退することも決まり、2002年に生産を終了。
現在は、アジア圏やオーストラリアで「ミューX」の名で、ミドルクラスSUVとしてスタイリッシュなクロカン車が受け継がれています。
●スズキ初代「エスクード」
1988年にデビューしたスズキのクロカン車「エスクード」は、コンパクトサイズながら直線基調のデザインが力強さを表現し、高く評価されました。
発売当初は2ドアのハードトップとソフトトップのみで、前後ブリスターフェンダーを採用するなど、一見すると都会的な印象ですが、ラダーフレームにボディを架装し、リアサスペンションにリジッドアクスルを採用するなど、中身は本格的なクロカン車と同等のメカニズムです。
また、1990年にはロングホイールベースの4ドアモデルの「エスクードノマド」を追加ラインナップし、使い勝手を向上。
搭載されたエンジンは当初は1.6リッター直列4気筒ガソリンのみでしたが、後に2リッター直列4気筒ディーゼルターボや、2リッターと2.5リッターのV型6気筒が設定されました。
初代エスクードは現在のSUVと同じく、シティユースをメインとするユーザーが多く、扁平率の低い大径タイヤを装着して、ローダウンするカスタムも流行るなど、異色のクロカン車でした。
その後代を重ね、現行モデルのエスクードは4代目にあたります。
※ ※ ※
今回、紹介した5車種はどれも個性的なデザインで、現在のSUVの前身ともいえるモデルばかりです。一方で、悪路走破性もキープしており、乗用車的なモノコックシャシの採用までは踏み切れていません。
一方で、RVブームの頃に本格的なクロカン車に乗っていても、一度も4WDで走らないまま売却したユーザーが多かったといいますから、当時としてもオーバースペックだったといえます。
そもそも、日本においてクロカン車が本来の性能を発揮するようなシチュエーションは、豪雪地帯以外ではほとんどありません。
それでも、クロカン車の持つ質実剛健なイメージは魅力的で、いまもファンを魅了しています。
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みんなのコメント
クロカンを名乗るなら
ゴツくなきゃダメでしょ?
出てきた車は全部、山的?、丘的?、浜的?って感じじゃん。