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アストンマーチンF1、新投資受け入れも“身売り”にあらず「ファクトリー新設やホンダ製PU獲得などに次ぐステップ」

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アストンマーチンF1、新投資受け入れも“身売り”にあらず「ファクトリー新設やホンダ製PU獲得などに次ぐステップ」

 アストンマーチンF1チームのマネージングディレクターであるジェフ・スラックは、改めてオーナーのローレンス・ストロールがチームを“身売り”することはないと強調した。

 ストロールによるチーム売却の噂が立ったのは、アストンマーチンが新たな外部投資を受けることになったが故だ。

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 チームはMLBやNBA、NHL、MLSそしてリヴァプールFCを含む欧州サッカーチームの株式を保有するプライベートエクイティファンド「アルクトス」に株式を売却。この動きが、ストロールがチームへの関与を縮小し、さらなる株式売却を計画しているのではないかと捉えられたのだ。

 しかし、アルクトスとの契約は戦略的なモノであり、新たなパートナーはアルピーヌがアメリカから投資家を集めたのと同様に、別角度からの知識と新たな人脈をもたらすという。

「ローレンスは全てを捧げている。彼はどこにもいかない」

 スラックはmotorsport.comの取材に対してそう答えた。

「チームだけでなく、彼にはアストンマーチン・ラゴンダ(市販車ブランド)もある」

「チームはアストンマーチン・ラゴンダのマーケティングプラットフォームなのだ。もちろん、ローレンスはとても裕福な男だから、資本の問題ではない」

「彼ら(アルクトス)に関して言うと、彼らは決して支配者ではなく、何かを所有したり運営したりすることはなく、少数株主なのだ。彼らが支配的な経営者になることは決してないし、このチームのオーナーになることもない」

「もしローレンスが絶対的なコントロールを握ることができる人物に売ることになっても、彼らには絶対に売らないだろう」

 そしてスラックは、アルクトスがチームにとって理想的なパートナーであることを強調した。

「彼らとは2年前に出会った」とスラックは言う。

「彼らは本当に最高のパートナーだ。彼らは長期的な少数株主とトップフランチャイズに特化している。このスポーツに多くの資金が流入し、機関投資家の資本も入ってきているが、そのようなことをしているところは多くない。彼らはそのリーダー的存在だ」

「多くの人たちが我々に接触し、ローレンスにチームへの投資を求めてきた。我々は非常にユニークな状況にあり、チーム全体をコントロールするオーナーがひとりいて、適切な取引かどうかをランチで決めることができる。複雑なプロセスではないのだ」

「一般的なプロセスを経た訳ではなく、主に戦略的な見地から、彼らが適任なのは明らかだった」

「もちろん投資もあるが、彼らがもたらしてくれるのは、世界最高のフランチャイズと仕事をするチャンスだ」

 またスラックは、チームがこの契約によって何が得られるかについて、次のように語った。

「広い視野が必要だと思う。物事を完璧に、あるいは最善の方法で行なえる人などいない。そして外の世界に目を向けて、どうすればビジネスが上手くいくかを考える必要がある」

「商業的なマーケティングだけでなく、彼らはアスリートの準備や優れた組織に投資することもある。そこから我々が学べることはたくさんある。多くのフランチャイズがよりローカルなモノであるのに対して、我々はグローバルなビジネスだ。我々から彼らが学ぶこともあるかもしれない」

 そしてスラックは、アメリカの投資家がチームに関心を寄せていることは、F1全体にとってポジティブな兆候であり、スポーツの価値も上昇し続けていると語った。

「プライベートエクイティによる取引はすでにいくつか行なわれてきた」とスラックは言う。

「これは次なるステップで、業界全体にとって良いことだ。『これはNBAのチームやNFLのチームを買うようなものだ』という評価をこのスポーツが得ることになる」

「F1に参加すれば、そういうモノを手に入れることができる。全体としてビジネスには良いことだと思う」

「ふたつ目は、我々チーム特有のモノだ。我々は新しいファクトリー、新しい風洞、ホンダ製エンジン、従業員の倍増について話をしてきた」

「これ(アルクトスとの契約)は次なる進化であり、必要なことを行ない、必要な投資を行なうために適切な財務パートナーを得ることにもなる。ローレンスにそれができなかった訳ではないが、彼は今、それを生業とする真のパートナーを得たのだ」

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