新車時からだいぶ手頃になった991
執筆:John Evans(ジョン・エバンス)
【画像】ポルシェ911 991型と992型を比較 991型のモンスター、GT2 RSも 全154枚
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
筆者がこの記事を執筆している時点で、走行距離4万5000kmの2015年式ポルシェ911 カレラが、5万9895ポンド(910万円)で英国では売られていた。トランスミッションはPDKだ。
確かにほぼ6万ポンド(912万円)だから、気軽に買える中古車ではない。だが、オプション抜きで7万6400ポンド(1161万円)からだった新車時の価格設定を考えれば、お手頃だとはいえる。
この例は、多くの911がそうであるように、素のカレラではない。ホイールはアップグレードされ、ボーズ社製のサウンドシステムを搭載。エンジンとシャシー、トランスミッションを別次元のレスポンスにする、スポーツクロノ・パッケージも備わっている。
991型911 カレラとカレラSは2015年にマイナーチェンジしており、最大の変更点はツインターボ・エンジンになったこと。3.0L水平対向6気筒から、標準のカレラで370psを獲得している。
マイナーチェンジ前の3.4L自然吸気エンジンと比べて、20ps引き上げられていた。最大トルクも45.8kg-mへ上昇し、6.0kg-m増強。カレラSでは、より大きなターボの採用により420psと一層パワフルだ。
2015年の登録の911で、フェイスリフト後かどうかを見極めるポイントは、ひと回り大きなエンジングリル。大きなターボを冷却させる働きがある。
911は仕様やオプションも重要な要素
スリリングな運転を味わいたいなら、カレラよりパワフルなカレラSの方が狙い目。流通台数も英国では多い。状態の良い例で8万6000ポンド(1307万円)前後から。カレラより1万ポンド(152万円)ほど高いが、探せばお買い得な例もある。
ポルシェ・ディーラーでメンテナンスを受けてきた、走行距離4万kmの2016年式カレラSを、6万2500ポンド(950万円)で筆者は発見した。ただし、ポルシェ911の中古車を選ぶ際、価格や状態だけでなく仕様やオプションも重要な要素になる。
こちらの例には、アダプティブ・スポーツシートに、インテリアカーボン・パッケージ、スポーツクロノ・パッケージ、プライバシーガラスなど、2万ポンド(304万円)相当のオプションが載っていた。良い条件だと思う。
もしカレラSより純粋なドライビング体験を求めているなら、カレラTという選択肢もある。発売は2017年と新しい。
標準の370psを発揮するカレラをベースとしながら、リアシートとインフォテインメント・システムを省くことで20kgを軽量化。カレラSと同等に速いと感じさせる、ふんだんな標準装備も魅力の1つだった。
走行距離が6437kmと非常に浅い2018年式で、約7万5000ポンド(1140万円)という例を英国で発見した。ネオクラシックとして評価を高める1台になるだろう。
四輪駆動やカブリオレ、タルガも
一層ドライバーフォーカスの991をお探しなら、440psの911 GTSがある。さらに3.8Lのツインターボを搭載する911 ターボは540ps、911 ターボSなら580psを発揮した。
馬力に応じてアグレッシブなクルマも選べるが、そのぶん価格も高くなる。希少で特に高価な991型といえば、GT3やGT2 RSになるだろう。
また四輪駆動のカレラ4のほか、カブリオレとタルガというボディスタイルも忘れないでおきたい。ボディスタイルの選択は、個人的な好みによるところが大きい。四輪駆動のカレラ4やカレラ4Sは、天候を問わない安定した走りで魅力度も高い。
とはいえ、筆者が選びたいのは後輪駆動のカレラS。これがベターな991型の911だと思う。
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
ECUにアクセスし、過剰に高回転域を多用した走行がないかなど、過去の履歴を確かめたい。フロントのラジエターやエアコン・コンデンサーが、ダメージを受けていないかも観察したい。
トランスミッション
PDKの場合は滑らかに変速し、違和感がないか確認する。ATフルードとフィルターは、定期的に交換されてきたかどうか確かめる。
サスペンション
試乗して、ブッシュの劣化を示すキシミ音などに聞き耳を立てる。リア側がヘタってくると、リアタイヤの内側が偏摩耗してくる。PASM装備車の場合はドライブモードを切り替えて、明確に乗り心地などが変化することも確かめる。
ブレーキとタイヤ
ブレーキフルードは、2年毎の交換が推奨。ブレーキディスクはドリルホールから広がる亀裂がないか、しっかり目視する。カーボンセラミック・ブレーキの場合、交換部品は非常に高価。過度に減っていないか確かめたい。
タイヤは残り溝が深い場合は、サイドウォールの製造年を確かめる。5年以上の利用は控えたい。ポルシェだからこそ、認定されたN規格のタイヤを履きたいところ。
電気系統
欧州のポルシェは、ワークショップ・キャンペーンの一部として、チェンジオーバー・バルブ(COV)・ソレノイドの交換を実施しており、対応済みか確認する。この部品はエアクリーナー・フラップや燃料タンクのベントバルブまで、多くの機能を制御している。
知っておくべきこと
911 カレラSのオプションとして、後輪操舵システムが導入されたのが991型から。新車当時は1530ポンドの価格が付いていた。高速域では安定性を向上させつつ、低速域では前輪と後輪が逆位相に切られ、小回りが良くなり駐車を容易にしてくれる。
ポルシェが新車時に設定する3年間の保証期間は多くの991型が切れているはずだが、オリジナル状態といえる911なら、延長保証を付けられる。保証を受けるには、ディーラーでの事前検査が必要となる。
装備されていてうれしいオプションとしては、車高の下がるスポーツサスペンションや、スポーツエグゾーストなど。トランスミッションはPDKが欧州でも人気は高い。ただし、今後数年間でマニュアルが見直される可能性はある。
英国編集部が選ぶオススメ仕様
イチオシ
ポルシェ911 カレラS
充分に速く親しみやすく、率直に素晴らしい991型のポルシェ911。比較的手頃な価格で、リセールバリューも高い。流通量も多いが、選ぶ場合は状態や走行距離だけでなく、オプション内容もしっかり比較して確かめたい。
ワイルドカード
ポルシェ911 GT2 RS
3.8Lのツインターボエンジンが700psを繰り出す、ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテのライバル。最高速度は339km/h。0-100km/h加速を2.8秒でこなすモンスター級の991型だ。
トップスペック
ポルシェ911 GTS
RSほどスパルタンではないものの、カレラSからさらにドライバーフォーカスの進化が加えられた991型。最高出力は440psと不足ない。特筆すべきポイントが、カレラSと変わらない日常的な運転のしやすさを残していること。
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