■漢字ロゴも採用した中国最上級リムジン「紅旗」!
加賀平野の中央に位置する石川県小松市。この市には、日本最大級の自動車博物館である「日本自動車博物館」があります。
トヨタやホンダ、日産といった日本の主要メーカーの車両はもちろん、戦前の海外車両なども幅広く収集し展示しています。なかでも、世界各国の博物館でも収蔵されることがほとんどない中国車「紅旗(ホンチー)」を紹介します。
【画像】超カッコイイ! これが「中国の最高級車」です!(43枚)
現在の中国の自動車メーカーは、2010年代から主にEVを中心に急速に勢力を増しており、さまざまな車両を取り揃えて世界各国へ販売攻勢をかけています。
そんな中国における最初の自動車メーカーが「第1汽車」であり、新興メーカーなどライバルが増えた現代でも、同国の市場で大きな存在感を放っています。
その第1汽車が、1950年代から中国の政府高官や党幹部、それに国賓の送迎などに向けて作った高級車が紅旗シリーズになります。1965年には後継モデルとなる「CA770」が登場。この時にホイールベースを伸ばして後席を広げたリムジンが主流となりました。
ボディサイズは全長5980mm×全幅2010mm×全高1670mm。乗車定員は8人です。
外装は、高級感のある深い艶をもつブラック1色で塗装。フロントグリルは縦型の格子を、ヘッドライトには凹凸の深い丸目型のデザインを採用し、質実剛健に仕上げています。
全体的に、メッキを多用したデザインはひかえめな印象ですが、ただならぬ威厳を感じさせます。
フロントバンパー右隅には中国の国旗が掲揚され、走行時には旗をたなびかせて走るものと思われます。
また、リアには美しい「紅旗」のロゴを配置。縦型のテールランプはシンプルかつ機能美を感じさせます。
内装はラグジュアリーな仕立ての8人乗り3列シートを使用。白を基調に最高級素材があしらわれており、リアシート用のカーテンなども備え、非常に贅沢なつくりとなっています。
パワートレインは、最大220馬力、最大トルク42kgf-mを出力する5.7リッター水冷V型8気筒OHVエンジンと2速ATの組み合わせ。車両重量は重く2650キロ。駆動方式はFRとなっています。
ちなみに、このパワートレインは1955年のクライスラーをベースにしているとも言われているそうです。
※ ※ ※
中国の民間メーカーがごく初期に作ったリムジン 紅旗。しかし、車体のデザインやリア部分のロゴなどからは、機能だけでなく見た目についてもこだわりが感じられます。
ちなみに、日本自動車博物館の展示車両は、中国の最高指導者を務めたとうしょうへい氏が乗ったもので、歴史的な価値もある貴重なクルマです。ぜひ、博物館で実物を確認してみてください。
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みんなのコメント
しかも普通の乗用車仕様と屋根を開けた偉い人の演説仕様。
今でもブランドは残っているようです。
クライスラーが技術提供していたとは思えないので、密かに購入して分解研究し、1955年のファイアパワーV8とパワーフライト2速ATを完コピしていたのなら面白いですね。