■軽自動車と登録車の価格差はどれくらい?
世界的に見ても珍しい、日本独自規格の「軽自動車」は、今や国内シェアの39.6%(2020年)を占めるほど人気となっています。
不人気にもほどがある!? ビックリするほど売れていない軽自動車5選
「登録車」と比較するとサイズや排気量が制限される代わりに、税金や高速道路の通行料などで優遇され、維持費が安く済むこともメリットのひとつです。
軽自動車の規格は、1949年(昭和24年)7月の「全長2.8m×全幅1.0m×全高2.0m以下、排気量150cc(4サイクル)・100cc(2サイクル)」から始まり、これまでに13回改正されました。
現在の規格は1996年(平成8年)9月制定の、全長3.4m×全幅1.48m×全高2.0m以下、排気量660cc。最高出力は64馬力に統一されていますが、これはあくまでメーカー側の自主規制となっています。
なお、日産「サクラ」や三菱「eKクロスEV」といった軽EV(BEV)も軽規格に準じたサイズを踏襲。660ccのエンジンは搭載されませんが、バッテリーの出力を64馬力に抑えることで、自主規制の範囲内に収めています。
軽自動車は日常のアシとして重宝されているわけですが、一昔前は正直なところ、安さだけが取り柄といわれた頃もありました。
しかし時代ごとに求められる安全基準を満たすために、現在は登録車に匹敵するほど厳しい安全基準が設けられています。
エアバッグやABSだけでなく、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、レーン逸脱抑制機能など近年に商品化された安全運転支援システムまで搭載するモデルも充実。また2020年から標準化されたオートハイビームなども装備されています。
また、軽自動車は居住空間が制限される反面、コンパクトなボディは狭い道や駐車場で取り回しやすいのも魅力でしょう。さらにハイブリッドでなくても小排気量&軽量ボディによる燃費の良さも軽自動車の美点に違いありません。
そんな軽自動車と普通車ではどれくらいお得か試算してみると、たとえばスズキ「ハスラー」と兄貴分のリッターカー「クロスビー」では、ハスラー(ハイブリッドX・6AT・FF)の新車価格は153万8900円、クロスビー(ハイブリッドMZ・6AT・FF)は209万9900円と56万1000円の差額があり、諸経費などでも5万円程度高くなることを含めると、約60万円もの差額が出てきます(車種によっては差額が少ないものもあります)。
さらに自動車税は、軽自動車のハスラーは1万800円、クロスビーは2万5000円(1リッター以下)となり、重量税や任意保険料などで年間4、5万円違うとされているので、初年度は合計で約60万円から70万円前後の価格差があり、軽自動車のほうが経済的だといえそうです。
もっとも、登録車は軽自動車よりも新車販売時の値引き幅も多くなるのでもう少し差額は小さくなるでしょうが、日常のアシとして1、2名乗車であれば軽自動車で十分となるのも納得できます。
※ ※ ※
軽自動車で面白いのは各都道府県別データです。
2020年のデータでは、軽自動車のシェアが北海道32%、東北44%、関東33%なのに対し、中部42%、近畿50%、中国49%、四国52%、九州51%となっており、東日本より西日本が高い「西高東低」の傾向にあります。
■軽は無理な割込みをされやすい!?
実際の軽自動車オーナーにメリットとデメリットを聞いてみました。皆さんメリットとして最初に話してくれるのは、やはり経済性について。
初めてのマイカーが軽自動車というKさん(20代・女性)も、車両価格や維持費の安さで軽自動車を選んだ1人です。
「免許取得後は父のクルマを借りたりしていたのですが、続けざまに車庫入れで3回もぶつけてしまって。
それ以来、父はクルマを貸してくれないし、そもそも私にはサイズ的に大きかったこともあり、小さくて維持費も安い軽自動車を選びました。
あまりほかのクルマについては詳しくないのですが、たまたま見かけたスズキ『アルトラパン』の中古車に一目惚れし、維持費はバイトで稼ぐ約束で購入しました。
見た目もかわいいのですが、バイトでも払える程度の維持費で済むので、時間があれば1人でドライブに行ってます」
経済性に優れる一方で、やはり軽自動車ならではのデメリットも多少感じる部分もあるといいます。
「実家のある埼玉から都内に向かうときに高速道路を利用するのですが、速い印象はありません。
また、気になるのがやたらと割り込みをされることです。私の運転が未熟なのもあるのですが、小さいクルマだから割り込んでも大丈夫と思われているのかもしれません」
輸入車好きのOさん(40代・男性)は、マイホーム購入に合わせてクルマをダウンサイジング。2ドアの輸入車クーペから軽ハイトワゴンに乗り換えたそうです。
「毎日乗るわけではないのでクルマを手放そうか悩みましたが、やはり大きいものを買うときや移動などでクルマがあると便利なので、ちゃんと使えて維持費も安いクルマをと考えました。
そして、実用性にも優れる軽自動車なかでも、現在のハイトワゴンの元祖でもあるスズキ『ワゴンR』に乗り換えました。年間の維持費はもちろん、タイヤなども小さいので安価で購入できるのは経済的に助かります」
経済的に優位な半面、ボディ剛性や安全性はやはり少し怖いのだそうです。
「タイヤも細いので接地面積が少ないせいか、ブレーキが思ったより止まらない感じがします。実際、それでフロントから壁に軽く追突してしまったこともありました。
さらに、そのまま放置していたらエアコンの効きが悪くなってしまって、修理に出したらエンジンルーム内のコンデンサーがラジエーターに接触していたみたいで、修理代も高額になってしまいました」(ワゴンRオーナー Oさん)
軽自動車はコンパクトなだけあって、クラッシャブルゾーンが少なく、エンジンルームはギッシリ詰まった状態です。
そのためフロントからの追突事故などでは、軽微なものでも補器類が押されてしまうことがあるようです。
また、Oさんが指摘するタイヤの細さだけでなく、トレッド(左右のタイヤの幅)も制限される関係で、路面の轍(わだち)にステアリングが取られやすい傾向もあるといいます。
コンパクトなボディは取り回ししやすいのが美点ですが、操縦安全性や直進性などには注意が必要です。
「それでも駐車場には入れやすいですし、ターボエンジンのおかげで市街地でのパワー不足はあまり感じません。
何より登録車と比べて、経済的負担だけでなく心理的なプレッシャーも軽いので、初心者だけでなく普段は短距離の移動が多い人は軽自動車で十分だと思います」(ワゴンRオーナー Oさん)
※ ※ ※
軽自動車は、1名乗車ではこれといった不満もなく、むしろダウンサイジングにより公道での不安は減るケースのほうが多いようです。
昨今の不景気や物価高、ガソリン価格高騰を考えると、登録車から軽自動車への乗り換えがさらに進む可能性がありそうです。
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それにボディーは薄っぺらで開口部が大きいから事故ったら間違いなく走る棺桶!だから高速への侵入は禁止しろ!!w