現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 販売差3倍!? トヨタ「ハイエース」と日産「キャラバン」と類似コンセプトでも異なる事情

ここから本文です

販売差3倍!? トヨタ「ハイエース」と日産「キャラバン」と類似コンセプトでも異なる事情

掲載 更新 13
販売差3倍!? トヨタ「ハイエース」と日産「キャラバン」と類似コンセプトでも異なる事情

■なぜキャラバンはハイエースに勝てない?

 日本市場において商用バンの巨頭とされているのが、トヨタ「ハイエース」と日産「キャラバン」です。
 
 クルマに興味ない人からすればほぼ似たようなデザインかつボディ形状ですが、販売面では大きな差があるといいます。ハイエースとキャラバンにはどのような特徴があるのでしょうか。

超豪華な10人乗りトヨタ「ハイエース」!? フル装備仕様の価格はいくら?

 ハイエースの現行モデルは、2004年8月にデビュー。一方、キャラバンの現行モデルは、2016年6月に登場しています。

 2018年の新車販売台数によると、ハイエース(レジアスエース含む)は5万7893台、キャラバンは2万3713台となり、3万4180台の差が出ています。

 2019年では、ハイエース(レジアスエース含む)が6万8027台、NV350キャラバンが2万551台となり、4万7476台差を付けて約3.3倍もハイエースの販売台数が上回っているのです。

 現行モデルのデビューから16年もの月日が経過するハイエースに対し、NV350キャラバンは誕生から8年余りしか経過していないものの、なぜ販売台数に大きく差が出るのでしょうか。

 両車のボディサイズは、商用車の4ナンバーに収まる標準ボディの場合、ハイエースが全長4695mm×全幅1695mm×全高1980mm。キャラバンは全長4695mm×全幅1695mm×全高1990mmとなっており、そのサイズ感に大差はありません。

 ただし、顧客のニーズに合わせて展開される多様なボディタイプをについては、それぞれ異なる部分が挙げられます。

 ハイエースは、標準ボディのほかに、全高2240mmのハイルーフ仕様のロング、全長を少し伸ばしたロングのワイド幅/ミドルルーフ(全長4840mm×全幅1880mm×全高2150mm)のほか、全長を延ばしたスーパーロングと呼ばれるワイド幅/ハイルーフ仕様(全長5380mm×全幅1880mm×全高2285mm)を展開。

 一方のキャラバンは、標準幅/ハイルーフ仕様(全長5080mm×全幅1695mm×全高2285mm)とワイド幅/ハイルーフ(全長5230mm×全高1880mm×全幅2285mm)といった全長の異なる2種類のスーパーロングをラインナップに追加しています。

 このように、両車の大きな違いとして、ハイエースのほうが選択肢が多いことがあげられます。

 しかし、基本的なパッケージではハイエースとキャラバンは似通っているクルマであることに変わりありません。しかし、新車販売台数においては、ハイエースのほうが高い人気を誇っています。

 ハイエースを販売するトヨタの販売店では、両車の販売台数に差が出ている背景について、以下のように話します。

「ハイエースのほうが人気を集めている大きな要因は、ハイエースそのものが持つブランド力です。

 実際に、ハイエースを選ばれるお客さまの多くは、『昔から商業者といえばハイエースというイメージが強い』といった声も寄せられています。

 また、ハイエースからキャラバンに乗り換えたものの、再びハイエースに戻ってくるユーザーも目立ちます。こうしたお客さまのなかには、ハイエースのほうがエンジンの振動が伝わりづらく、長時間の運転でも疲れにくいといった意見も多いです」

 では、中古車市場ではどうなっているのでしょうか。ハイエースとキャラバン専門に取り扱う中古車販売店の担当者は、次のように話します。

「ハイエースの人気が高い理由は、リセールバリューが大きいことです。海外市場でも人気の高いクルマなので、キャラバンと比較しても高い値段で取引されます。

 とはいえ、両車を購入するユーザー層は大きく異なります。ハイエースの場合は、カスタムのベース車として楽しみたい人が多いです。一方、キャラバンは仕事重視で選ばれる人が目立ちます。

 それぞれの購入目的が大きく異るため、弊社の販売店ではハイエースやキャラバンの販売台数に大きく差が出ていることはありません」

※ ※ ※

 このように、両車の販売台数に差が出る大きな要因は、それぞれのニーズがあげられます。

 キャラバンは仕事メインでの活躍が目立つものの、ハイエースはプライベートでも活躍できるため、幅広いユーザーからの需要を集めていることが分かりました。

 また、前出したハイエース・キャラバン専門の中古車販売店によると、ハイエースはカスタムパーツも豊富なため、自分好みにカスタマイズできる楽しみがあるとも話します。

 さらに、キャンピングカーとしてのカスタマイズも可能なので、近年のキャンプブームにあやかりファミリー層からもじわじわと人気を集めているようです。

■直近販売動向は? 人気のグレードやオプションは?

 ハイエースとキャラバンの直近の販売動向はどうなっているのでしょうか。

 前出のトヨタの販売店では、以下のように話します。

「ハイエースは商用車になるので、2月から3月の決算タイミングでは入れ替わりが多くなるものの、年間通しての販売台数に大きなバラつきはありません。8月現在も2台から3台の注文が入っており、先月と大きく変わりがない状況です。

 また、人気のグレードはスーパーGLの注文が目立ちます。荷物を運ぶ用途に合わせ、シートや椅子の素材に乗用車と変わらない室内空間が確保されているので、仕事とプライベートの併用として利用される人に人気です。

 ミニバンと比較すると乗り心地は多少劣るものの、家族でのお出かけなど問題なくドライブを楽しめる乗り心地を確保しています。

 オプションについては、ナビゲーション、バックモニター、フロアマット、ドラレコ、などを付けられる方が多いです」

 一方、キャラバンを販売する日産の販売店は、次のように話します。

「当店では、コロナ禍により商業車の需要が減っているため、8月中の販売台数はいまのところ0台になります。

 また、キャラバン自体そこまで毎月何台も注文が入るクルマではありませんので、これまでも月に1台から2台程度の注文数になります。

 また、キャラバンで1番人気のグレードは、商業車メインに開発されているデラックスです。

 乗用車としても利用する人には、プレミアムGXも人気のモデルになります。とはいえ、キャラバンはおもに仕事メインで活用されるユーザーが大半なので、全体の販売台数としてはデラックスが一番売れています。

 オプションについては、デラックスとプレミアムGXともに、LEDヘッドランプ、電動のミラーアラウンドビューモニター、といったものが人気です」

※ ※ ※

 不動の人気を誇るハイエースは、商用車としての需要だけでなく、個人利用としてのニーズが高いことが販売台数に影響しているようです。

 一方のキャラバンは、仕事メインでの活躍が多いため、購入車層も限られることなどが、両車の販売台数に開きが生じている要因といえるかもしれません。

こんな記事も読まれています

【ホンダ】バイクミーティングイベント「HondaGO BIKE MEETING 2024」をモビリティリゾートもてぎで6/2に開催!
【ホンダ】バイクミーティングイベント「HondaGO BIKE MEETING 2024」をモビリティリゾートもてぎで6/2に開催!
バイクブロス
ガガガガ、ズサーッ 島内最長トンネル貫通の瞬間 2年遅れも洲本バイパス全通へ向け
ガガガガ、ズサーッ 島内最長トンネル貫通の瞬間 2年遅れも洲本バイパス全通へ向け
乗りものニュース
メルセデスベンツ GLCクーペ、PHEVモデルを追加…EV走行距離118km
メルセデスベンツ GLCクーペ、PHEVモデルを追加…EV走行距離118km
レスポンス
新しくもどこか懐かしい? 「愉しむためのBEV、時代が変わる予感」 ヒョンデ・アイオニック5N
新しくもどこか懐かしい? 「愉しむためのBEV、時代が変わる予感」 ヒョンデ・アイオニック5N
AUTOCAR JAPAN
フェルスタッペン陣営との交渉を仄めかすメルセデスF1に対し、レッドブル代表は不満「チームのことに時間を費やすべき」
フェルスタッペン陣営との交渉を仄めかすメルセデスF1に対し、レッドブル代表は不満「チームのことに時間を費やすべき」
AUTOSPORT web
ポルシェ964型「911」が2億円オーバー!!「シンガー」が手掛けたレストモッドは「911カレラRS 2.7」のオマージュでした
ポルシェ964型「911」が2億円オーバー!!「シンガー」が手掛けたレストモッドは「911カレラRS 2.7」のオマージュでした
Auto Messe Web
ホンダ オデッセイ【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
ホンダ オデッセイ【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
GAERNE/ガエルネのオフロードブーツ「Gアドベンチャー」がジャペックスから発売!
GAERNE/ガエルネのオフロードブーツ「Gアドベンチャー」がジャペックスから発売!
バイクブロス
アジアン・ル・マン・シリーズの2024/25年カレンダーが発表。3カ国で計6レースを開催へ
アジアン・ル・マン・シリーズの2024/25年カレンダーが発表。3カ国で計6レースを開催へ
AUTOSPORT web
メルセデスF1、2026年のフェルスタッペン獲得を計画か。マネージメント陣との交渉を示唆
メルセデスF1、2026年のフェルスタッペン獲得を計画か。マネージメント陣との交渉を示唆
AUTOSPORT web
悪天候のNZ初開催地で地元の英雄ハイムガートナーが初勝利。ブラウンも僚友を撃破/RSC第3戦
悪天候のNZ初開催地で地元の英雄ハイムガートナーが初勝利。ブラウンも僚友を撃破/RSC第3戦
AUTOSPORT web
アプリ売りのオジさん彷徨記 Vol.34 お宝発見ツアーIN群馬編 Part3
アプリ売りのオジさん彷徨記 Vol.34 お宝発見ツアーIN群馬編 Part3
AutoBild Japan
キジマからレブル 250/S/500(’17~)用の「リーチタイプシート プレーン」が発売!
キジマからレブル 250/S/500(’17~)用の「リーチタイプシート プレーン」が発売!
バイクブロス
日本展開もイイんじゃない? 三菱欧州向けコンパクトSUV「ASX」デザイン変更 MTもDCTグレードも
日本展開もイイんじゃない? 三菱欧州向けコンパクトSUV「ASX」デザイン変更 MTもDCTグレードも
AUTOCAR JAPAN
トーヨータイヤが耐摩耗性能と低燃費性能を両立した小型トラック用リブタイヤ「DELVEX M135」を発売
トーヨータイヤが耐摩耗性能と低燃費性能を両立した小型トラック用リブタイヤ「DELVEX M135」を発売
レスポンス
F1、24時間年中無休の“無料”ストリーミングチャンネルをアメリカで設置。過去レースやドキュメンタリーも放送
F1、24時間年中無休の“無料”ストリーミングチャンネルをアメリカで設置。過去レースやドキュメンタリーも放送
motorsport.com 日本版
トヨタ新型「クーペSUV」世界初公開! 鮮烈「赤内装」が超豪華! 流麗ボディ&最新サメ顔がカッコイイ新型「bZ3C」北京で発表
トヨタ新型「クーペSUV」世界初公開! 鮮烈「赤内装」が超豪華! 流麗ボディ&最新サメ顔がカッコイイ新型「bZ3C」北京で発表
くるまのニュース
人中心の「生きる歓び」を届け!マツダが新型クロスオーバーSUV「MAZDA CX-80」を欧州向けに発表
人中心の「生きる歓び」を届け!マツダが新型クロスオーバーSUV「MAZDA CX-80」を欧州向けに発表
バイクのニュース

みんなのコメント

13件
  • なんだろねハイエースは壊れないでキャラバンは壊れると言う都市伝説はw
    情報操作されてる感ハンパない
  • ハイエースはリセールがいいだけ。
    使い勝手はキャラバンの方がいい気がする。
    故障はどちらも変わらず。リコールはハイエースが多い様な…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

244.0420.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

47.01349.8万円

中古車を検索
ハイエースバンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

244.0420.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

47.01349.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村