2列目席の快適性やエンターテインメントシステムの充実がポイント
ミニバンは多人数乗用車とも呼ばれるぐらいで、家族や仲間と大人数で移動するためのクルマ、と決めつけてはいけない。カップルの乗車でも、移動中は前席、どこか眺めのいい場所に止めて、カップルズシートのような2列目席に移動して、まったりしたり、シートアレンジによって、のんびりお昼寝する楽しささえ、味わえる、ふたりの愛が深まるクルマでもあるのだ。
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ポイントは、前席はもちろんだが、2列目席がソファのようにくつろげること。リヤエンターテインメントシステムがあれば、リラックスした状態で、TVやDVDを観賞することだってできる。その場合、HVが望ましい。エンジンを掛けっぱなしの車内でラブラブするのは、さすがにマズイですから……。
たとえば、ホンダ・オデッセイHVだ。
2列目キャプテンシートはプレミアムクレードルシートと呼ばれ、シート表皮裏に数センチのウレタンクッションが張られ、掛け心地はふんわり快適そのもの。リクライニングは170度まで可能で、しかも、クレードル(ゆりかご)と言うだけあって、シートバックは倒しても、頭が前を向く中折れ式なので、まっすぐ横になった状態にリクライニングしてもリヤエンターテインメントシステムを自然な姿勢で観賞できるのだ。
HVならAC100V/1500Wコンセントも備わり、コーヒーメーカーなどを車内外で使え、車内が、ふたりだけの“どこでもカフェ”になるというわけだ。愛犬がいっしょなら、“どこでもドッグカフェ”である。夜、熱々のコーヒーを飲みながら、満天の星空を見上げるなんて、ロマンチックすぎるじゃないか!
アルヴェルはもっともベーシックなキャプテンシートが最適
トヨタ・アルファード&ヴェルファイアのHVも、同様の“どこでもカフェカー”になりうるのだが、意外にも、3種類ある2列目キャプテンシートのなかで、もっともベーシックなリラックスキャプテンシートが、ふたりの愛を深めるのに最適だったりする。アルファード&ヴェルファイアの2列目キャプテンシートは、上からエグゼクティブラウンジシート、エグゼクティブパワーシート、リラックスキャプテンシートとあるのだが、上位2種のエグゼクティブシート(リクライニング角度約179度)は、エグゼクティブ仕様らしく、2席がゆったりと離れている。
が、リラックスキャプテンシート(リクライニング角度約173度)の場合、3種類のキャプテンシートのなかで、足もとがもっとも広々使える最後端位置にスライドさせるには、リヤホイールハウスを避けるため、中寄せして下げる必要がある。そうすると、左右席の間にエグゼクティブシートのような距離がないのが特徴なのだが、言い換えれば、ふたりがぴったり並んで座り、横になれるのだから、ラブラブのカップルにとってはむしろ好都合!
外観も含めまさにカップルの愛の巣と言えるモデルも!
2019年いっぱいで廃盤車種になってしまう、トヨタ・エスティマの7人乗り、2列目キャプテンシート=リラックスキャプテンシートも、同様のシートアレンジが可能だった。人気のHVモデルであれば、AC100V/1500Wコンセントも用意され、車内外で家電品が使えて超便利。
もちろん、リヤエンターテイメントシステムもある。いまから新車が間に合わなければ、エクステリアデザインをリフレッシュし、超カッコいいツートーンルーフが加わり、走行性能が劇的に進化した、2016年6月のビッグマイナーチェンジ後の中古車をみつけるとよい。ダークレッドのボディにブラックルーフの仕様は、まさにカップルの愛の巣と言える、愛が赤く燃えたぎるラブミニバンである。
しかし、予算やサイズ的にオデッセイHVやアルファード&ヴェルファイアHVは難しい……というなら、2019年8月、9月に日本でもっとも売れた乗用車のトヨタ・シエンタがある。シエンタの3列シート仕様は、裏技として、2列目席をチップアップ格納することで、3列目席前に、ニースペース約580mm(身長172cmの筆者の実測)もの、足をまっすぐ伸ばせるほどの広大な居住空間をつくることができる。
このままで走行することは、2列目席が固定できないため、絶対にできないが、停車状態なら、3列目席のシート幅が約900mmと狭いこともあり、かえって、ふたりのためのラブソファ的スペースになるのだ(同ジャンルのフリードではできないアレンジ)。HVのGグレードに限り、AC100V/1500Wコンセントも付けられるから、完璧。ふたりのためにちょうどいい、移動する、ちいさな“どこでもカフェ”にもなりうるのだ!
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