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しなやかな乗り心地で走りの楽しさを満喫できる日産のスーパースポーツ「GT-R NISMO スペシャルエディション2024」

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しなやかな乗り心地で走りの楽しさを満喫できる日産のスーパースポーツ「GT-R NISMO スペシャルエディション2024」

 2007年に発表・発売された「GT-R」は、日産を象徴するスポーツカーということで、これまでの「スカイラインGT-R」から「スカイライン」という車名を除き「日産 GT-R」になった。発売以来、すでに15年が経過しているが、日産技術陣のたえまない努力により、いまでも世界トップクラスの動力性能を有するスポーツモデルとして進化を続けている。

 さすがに発売から年月を経たことで、販売部門にも動きが見られ、オーストラリアや欧州では2021年~2022年にかけて、販売を中止している。このことから日本でも2022年で「GT-R」は生産中止、というニュースが流れたが、実際は開発は継続されている。

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「GT-R NISMO」、最高価格の「Special edition」に試乗

 試乗車は2024年モデルとして発表された「GT-R」にNISMOが手を加えたスペシャルバージョン。NISMO(ニッサン・インターナショナル・モータースポーツ社)は、日産のレーシングマシンの開発・制作を行なっている会社で、そこのノウハウを投入したのが「GT-R NISMO」だ。2013年末の2014年モデルからラインアップしているモデルだ。

 ベースになった2024年モデルの「GT-R NISMO 」は、ボディーの外装、内装をはじめパワーユニット、サスペンションなどに手を加えながら、全長はノーマルの「GT-R」より10mm短い4700mmをキープ。あとのボディースペックは110mmの最低地上高まで、ノーマル車と同じ数値。唯一、車両重量のみノーマルより40kg減の1720kgを達成している。



 ちなみに、あまり知られていないが「GT-R」のグレードは「Pure edition」(1375万円)から、「Black edition」(1535万500円)、「Premium edition」(1484万100円)など6グレード。NISMOは、NISMO(2865万600円)、「Special edition」(2915万円)と、全88グレードが用意されている。

試乗車は最高価格の「Special edition」だ。メーカーオプションのステルスグレーにペイントされた「GT-R」はすでに約5000kmの過酷なプレス取材を終えた車両。慣らし運転も高速テストも経験済みなので、テストも気がラクだ。V6、3.8Lツインターボエンジンを目ざめさせる。

静かさと乗り心地のよさ

静かだ!野太く、周囲を威圧するような爆音ではなく、軽いビートでアイドリングを開始した。エンジンはまだ冷えているのに、3000回転あたりでも静かなのだ。そして、この驚きは、Dレンジで走り出してからも続いた。次の驚きは、乗り心地のよさだ。以前、2022年モデルの「GT-R」に試乗した時も、乗り心地のしなやかさに、これが「GT-R」なの?と驚いたことを覚えているが、さらにしなやかなのだ。

街中走行時の上下動は抑えられ、適度に硬さを保っている。しかし、ゴツゴツ感はカドがなく、揺れも少ない。この感触は車速を高めても同じ。ダンパーモードを「Comfort」にすれば、上下動は細かく、激しくなるが、「R」モードなら抑えが効いた走りができる。だからといって、コーナーでロールが大きいとか、高速道路での直進性が甘いとかということはない。

 高速道路での不満は、エンジン音やミッション音が大きいということではない。気分的に6速ATが、ちょっと時代を感じさせるかな?というレベル。今なら8速か9速でしょ。それでも6速100km/hは2100回転なので、無闇にアクセルペダルを踏みこまなければ、燃費は10km/L以上を保つことができた。

 エンジン音やミッション音が静かに抑えられ、乗り心地もさらに良くなったといっても決して街乗り用のGT-Rになったわけではない。V6、3.8Lツインターボ、600PS、652Nmの実力は健在だ。

 0→100km/hの加速は何と3秒台!加速中の4000回転から7000回転までの、V6エンジンの吹け上がりのスムーズさと上昇スピードの早さと軽さは、世界中のレシプロスポーツカーの中でもNo.1と言ってもよいだろう。それほどに、見事なのだ。このエンジン回転をもっと楽しみたければ、マニュアルモードに切り替えてもよい。5000回転を目安に1速は50、2速80、3速120km/hまであっという間に吹け上がる。重めだがクイックさのあるハンドリングで、ワインディングを走れば、ハイレベルなスポーツ走行を楽しむこともできる。

 ダンロップ「SPスポーツMAXX GT600」のDSSTDタイヤ、前255/40ZRF20、後285/35ZRF20は、どのような時も、悲鳴を上げず、しれっとコーナーをクリアしてくれるはずだ。

 もちろん、そんな「GT-R」にもウィークポイントはある。後席は、やや低めの着座位置で、固定式の背もたれはかなり寝かせ気味。頭上はヒタイまでリアウインドにさらされる。空間は確保されているが、身長160cmが着座の限界だろう。

 リアのトランクは、開口部が路面から約910mmもあり、床面からも約410mmの高さがあるので、重量物の積み降ろしはちょっとキツい。内部はゴルフバッグも2セットはのるほど広いのだが、気になるのは、床下からの熱量がハンパではないこと。一説では、スーパーで購入した冷凍食品が、家に着くころには解凍されている、とも言われるほど、熱いのだ。「GT-R」でちょっとスーパーに買い物に、というオーナーは注意が必要だ。

 この2点をウィークポイントと思わない方(大半がそうだと思うが)には、最新の「GT-R」は、ガマンをして乗ることのないスーパースポーツカーといえる。

■関連情報
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/gt-r.html

取材・石川真禧照 撮影/萩原文博

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