フォルクスワーゲンの新型「ID.Buzz GTX」のロングホイールベースモデルに、小川フミオがドイツ本国で試乗した。
広くて居心地の良い室内
スズキの軽はやっぱりオモシロい!──新型ハスラータフワイルド試乗記
これはミニバンの革命になるか?
フォルクスワーゲンが送り出したID.BUZZ(アイディーバズ)。キュートなルックスのバッテリー駆動車として欧州では人気が急上昇中。24年7月に、新登場のパワフル版であるGTXに試乗した。期待以上にスポーティだ。
ID.Buzz GTXは、従来のID.BUZZ(22年欧州で発売)をベースに、ツインモーターで4輪駆動化したモデルとして、24年5月にドイツで発表された。同時に3列シートのロングホイールベース版も発表されていて、シングルモーターと標準ホイールベースと合わせると4通りの組合せが選べるようになった。
ID.Buzz GTXのいいところは、広くてクリーンで質感の高い室内(かつ静か)で、新世代のミニバンかくあるべし、というような提案性の高さにあると思う。
従来の2列シート車もけっして悪くなかったが、米国を中心に3列シート車の需要が高いことをフォルクスワーゲン(VW)では当初から理解していて、開発に精力を傾けた結果、今回の4モデル体制へとこぎつけた。
私がドイツで乗ったのは、ID.Buzz GTXロングホイールベース。GTXは「4MOTION(フォーモーション)」と呼ぶ、全輪駆動システムと、パワフルなパワートレインを持つ。86kWhと大きな容量のバッテリーにより、トータル出力は250kW(340ps)、最大トルクは580Nmに達する。
もうひとつの特徴が、余裕あるサイズ。3239mmのホイールベースを持ち、ボディの全長は4962mm、全幅は1985mm、全高は1927mmとなる。それでいて車体の空気抵抗を表すCd値は0.29と低い。
空気抵抗をいかに低くするかは、スポーツカーからミニバンにいたる昨今の自動車の大きな課題。そこにあって、流麗とはいいがたい印象のID.Buzz GTXなのに、こんなに良好なCd値とは、フォルクスワーゲンの高い技術力を感じさせる。
室内はさきにも触れたように、広くて居心地がたいへん良好。ドライバーズシートに座ると、すっきりしたダッシュボードと、大型モニターと、小ぶりのグッドデザインの計器盤のみ目に入る。ハンドルは乗用車と同様に立っていて、大きめサイズのミニバンを操縦している印象はない。
2列目シートには、ロングホイールベースに合わせて大型化した電動スライドドアからアクセスする。左右に格納式アームレストを備えたキャプテンシートで、座り心地いい。大きく前後スライドする機構も備わり機能性が高い。
足元にオットマンが出てきて、ベッドのようにリクライニングする……なんて装備はないけれど、ホールド性が高いから長い距離の移動でも休息がとれると思う。私はドイツで2時間ほどのドライブを後ろの席で経験したが、よく出来たシートと感心した。
3列目にもふたり分のシートが設けられている。ヘッドレストレイント(ヘッドレスト)とバックレストの一部が一体化したパーツが上下スライドによる格納式となっている。使わないときはドライバーが使うリヤビューミラーの視界をさまたげない。使うときは、その部分を上にスライドさせれば完全なシートとなり、180cmの人間でも無理なく座っていられる。
そもそもフォルクスワーゲンの商用車部門が開発を担当し、商業車として使うのが前提だっただけあって、荷室は広い。3列目シートを使った状態で306リッターを確保。3列目シートをたたむと1340リッターに拡大し、さらに2列目シートをたためば、2469リッターと、広大な荷室空間が生まれる。乗用車版でも、アウトドアや自転車、バイクなど趣味を持つひとには、ありがたいだろう。
スポーティな印象が強いID.Buzz GTXの走りは、期待以上に力強い。シングルモーターで後輪を駆動する標準モデルもけっしてトロいクルマではないが、GTXは足まわりが硬められていて、ステアリングはクイックで、スポーティな印象が強い。
メーカーにより最高速は160km/hに設定されているが、そこまではあっというまという感じで加速する。走行安定性も高いため、ハノーファーや、フォルクスワーゲンが本社を置くウォルフスブルグあたりのアウトバーンでは交通の流れをリードするのも簡単だった。
日本市場には、標準モデルとGTX、共に導入が検討されているようだ。普段使いなら標準モデルという選択はおおいにアリだと思うが、運転手扱いでなくて、ドライブを積極的に楽しみたいひとにはGTXを勧めたい。
一充電あたりの走行距離は発表されていないが、エアコンをしっかり効かせて、複数乗車の状態でとばしていると、車内の計器から判断するに、300kmぐらいにとどまってしまうかもしれない。それで十分、という人もいるだろうけれど。
試乗したのはドイツ本国仕様だったので、アダプティブクルーズコントロールとレーンキープアシストを統合制御する「トラベルアシスト」にくわえ、「交通標識認識機能」が備わっていた。標識を読み取り、制限速度が変更となるタイミングで車速を調整。
新世代のフォルクスワーゲン「ゴルフ」と同様、これが楽チンだった。ドライブしている私はハンドルに軽く手をあてているだけ。先行車との距離の調整をはじめ、正確に速度を調整してくれるし、ライントレース性も正確。疲れているときもありがたい。
日本試乗への導入は、2025年上半期という。販売価格やグレードなどは未定だ。
文・小川フミオ 写真・Wolfgang Grube/Volkswagen Group Japan 編集・稲垣邦康(GQ)
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