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あの時、『オレたち』は若かった 80年代のレーサーレプリカブームを振り返る

■レプリカブームの火付け役、スズキ「RG250Γ」

 筆者(渡辺まこと)がバイクに初めて乗った1980年代……今からは考えられないかもしれませんが『レーサーレプリカ』が一大ブームをまき起こしていた時代でした。

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 その中心軸にあったのがホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキの4大メーカーだったのですが、今、振り返ってみても当時は良い意味で『狂った時代』だったのかもしれません。

 1983年、その口火を切ったのがスズキのRG250Γ(ガンマ)なのですが、このモデルは国土交通省がそれまで不認可だった「フルフェアリング(カウル)」の装着を認めることで市販化が実現。フレームもオールアルミの角パイプという当時としては、かなり画期的なマシンでした。

 搭載された水冷2サイクルの並列ツインエンジンはクラス最高峰の45ps/8500rpmを発揮し、まさに「レーサーに保安部品をつけて公道用とした」ような仕様となっていたのですが、やはり改めて過去を振り返ってみてもこの”ガンマ”がレプリカブームの火付け役といっても過言ではありません。

 とはいえ、1969年生まれの筆者にとって“ガンマ”のデビューは、まだ中学生の頃。その当時はあまりバイクに興味がなく、翌年に登場したホンダのNS250RやカワサキのKR250、そして未だ鉄フレームのままだったヤマハRZ250などは、あくまでも「先輩たちのバイク」というイメージ。

 また「中坊」だった自分にとって正直に言ってしまうと別に興味を抱くほどカッコいいと思えるものではありませんでした。中学、高校時代の1年、2年というのは世代間でも感覚に大きな隔たりがあります。

 筆者の「2コ上」の年齢の先輩方は、いうなれば『ツッパリ全盛期』で、全国の学校ではドラマの『3年B組金八先生』の第二シリーズと同じような状況。校内暴力が社会問題となっていた時代です。それから、たった2年しか変わらないのに我々世代は比較的、おとなしかったと思います。

■筆者に衝撃を与えたヤマハ「TZR250」

 そんな筆者(渡辺まこと)が、一目見て衝撃を受けたモデルが1985年にヤマハから登場したTZR250です。当時は高校一年生だったのですが、まるでレーシングマシンそのものといっても過言でないアルミデルタボックスフレームやカウルのデザイン、エアロクイップとなったタンクキャップなど、まさに心を鷲掴みにされた記憶があります。

 もちろん、この“TZR”が最初の愛車となったのですが、ビギナーである自分のウデはともかくとして、同クラスのモデルの中で抜きに出た性能だったと思います。当時、関東では『箱根』や『奥多摩』、関西では『六甲』など『走り屋』が集まるワインディングが点在していましたが、千葉県の湾岸エリアに住んでいた筆者にとって『走りのスポット』といえば『船橋港』。当時は『ららぽーと』でのバイト帰りに「バシコウ行こうぜ」なんてバイト仲間と繰り出していたのも耳が赤くなる甘酸っぱい思い出です(笑)。

 その当時、TZRといえば先に書いたとおり剛性の高いアルミデルタボックスフレームでホイールも前後17インチを採用。大げさ抜きに「目線が向いた方向に車体がビタっと曲がる」性能を最初から得た筆者は、性能の良いガンダムを手に入れたアムロ・レイのようにヒザとステップを船橋港の「なぜか左回りでグルグル回るだけ」というコースで路面に擦りつけていたのですが、ガンマやNS、KRなどとはジオンのモビルスーツとガンダム以上に戦力の差があったように思います。それほどTZRはエポックなマシンでした。

 その後、1986年にホンダからNSRが登場し、88年にはスズキ「RGV-Γ」とカワサキ「KR-1」が販売。88年のNSR250SPなどは乾式クラッチにマグネシウムホイールという「レーサーのまんま」といえる凄まじい仕様でした。

 無事に『三ない運動』(当時、免許を取らない・バイクに乗らない・バイクを買わない、という校則が全国の高校にあり、多くの場合、学校側に見つかると退学という厳しい処置でした)の中をバレずに高校を卒業した後は、『レプリカ』でなく4ストのシングルモデルやツインモデルに興味の矛先が向かった筆者なのですが、峠を攻める『ローリング族』と『レーサーレプリカ』が全盛の80年代といえば、良くも悪くもバイクが熱い時代でした。  今となっては懐かしくも楽しい思い出です。

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