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ここ数年で1番の運転する喜び モーガン・スーパー3へ試乗 スリーホイラーの後継 前編

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ここ数年で1番の運転する喜び モーガン・スーパー3へ試乗 スリーホイラーの後継 前編

スリーホイラーの後継に当たる大胆なモデル

長い伝統を持つ英国のモーガンから、最新の3輪モデルが誕生した。写真をご覧いただきたい。メカ好きでなくても、思わずそのディティールには惹き込まれてしまうはず。

【画像】クラシカルでも最新モデル モーガン・スーパー3 ハードコアな英国スポーツを写真で 全174枚

これは、モーガンですらその成功に驚いたという、10年前のスリーホイラーの後継に当たる。ソフトトップすらない3輪モデルはニッチな存在だと、同社も認識はしていた。ところが英国中部、マルバーンの工場からは2500台以上がラインオフするに至った。

スリーホイラーのオーナの楽しみ方は、大まかに2つに分類されるとモーガンは分析している。一般的なものが、晴れた休日の午後に郊外での気軽なドライブを楽しむ人。もう1つが、アドベンチャーバイクのように、冒険的な長い旅へ出る人だという。

どちらの場合も英国では、必要な装備をスリーホイラーに載せ、防水性のあるアウターで全身を包むというスタイルが多いだろう。目指す地平の彼方が、近いか遠いかという差はあれど。

新しいスーパー3は、そんな従来のユーザーにもピタリと当てはまる。伝統的な自動車愛好家のようなドライバーに対する訴求力は、しっかり受け継がれている。

1910年創業という長い歴史を持つモーガンは、新しい挑戦から距離をおいていた時期もあった。しかし近年は違う。想像力豊かな技術者たちが才能を発揮し、より尖った、大胆なモデルを創造するようになった。その姿勢を、スーパー3は体現している。

優れたアドベンチャーバイクのよう

最新モデルとして、内容は素晴らしい。アルミニウム製ボディの内側には、木製のフレームは存在しない。モノコック構造を採用し、1つの部品が担う機能を複数与えることで、可能な限りシンプルに作られている。

スーパー3のルックスは、とても華やかだ。堅実的なトライクとしてではなく、優れたアドベンチャーバイクのようにデザインされている。112年の歴史を持つモーガンにして初めて特許を取得したという、知的なクリップも備わっている。

フロントの中心に据えられた、大きなブロック状の黒いアルミニウム製部品は象徴的。複雑な造形が鋳造されており、エンジンマウントとプルロッド式のサスペンションマウントを兼ね、ヘッドライトとノーズカウル、ボディパネルを固定する機能も併せ持つ。

機関車に用いられる部品のように無骨でありながら、形としては繊細で、金属質で、メカとして眺めているだけで楽しい。ラジエーターへ空気をきれいに流すよう、スリットが彫られているというコダワリようだ。

そのアルミ製のブロックには、大きなパネルが取り付けられている。ラジエターへ空気を導くのと同時に、ボディ横に装備するラゲッジケースなどの固定ポイントにもなっている。モーガンは、贅沢なアクセサリー類も重要な収益源になると理解している。

タイヤの切れ角が大きく取れるよう、ボディはスリム。先代のスリーホイラーは、あまり小回りが効かなかった。

フォードの1.5L 3気筒+ロードスター用MT

ワイヤーホイールも、最小回転直径を大きくしていた原因の1つだった。クラシカルな見た目で好ましかったが、ハブが巨大になり、サスペンションのアップライトの取り付け位置が悪かった。結果として小回りが効かず、動的能力にも制限を生んでいた。

そこでモーガンのデザイナーは、ターボファンのようなディスクホイールを考案。オフセット値も練られ、ハブを固定するアップライトの位置も最適化されている。エイボン社製のスリムなタイヤも、スーパー3の専用となる。

フロントノーズには内燃エンジンが納まっているが、スリーホイラーのフロントマスクを構成していた、S&S社由来のバイク用空冷2.0L Vツインではない。現代の排出ガス規制に対応できないためだ。

代わりにモーガンが選んだのは、フォードの1.5L自然吸気3気筒。ルックスはあまり良くないため、エンジンカウルで覆われている。トランスミッションは、マツダMX-5(ロードスター)用の5速マニュアルが組まれる。

そこから駆動力は、ベルトを介して1本のリアタイヤへ伝えられる。Vツインエンジンとは異なり、トルクが一定して発生するため、衝撃を吸収するトルクダンパーは備わらない。

エンジンルームの後方は、ボディ表面にも応力が掛かるモノコック構造が支えている。スタイリングを構成しつつ、構造体としても機能する。さらに後端には、前端と同様にアルミ製の鋳造部品が顔を出す。

ラゲッジカバーのヒンジであり、テールライトの固定部分も兼ねる。モーガンのロゴが、誇らしげに刻印されている。

この続きは後編にて。

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