総勢32名ものドライバーが参加する2023年のスーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト。初参加のドライバーとしては、F2チャンピオンのテオ・プルシェール、同シリーズランキング4位でレッドブルジュニアドライバーとして来季のスーパーフォーミュラ戦うことになる岩佐歩夢、そして17歳でスーパーフォーミュラ初ドライブを果たすJujuらがいる。
さらには、2023年シーズンにリアム・ローソンがスーパーフォーミュラで大活躍をみせたこともあってか、今回は海外から多くのドライバーがテストに初参加する。その中で、テスト初日(12月6日)夕方の取材セッション『ミックスゾーン』に姿を見せた4名のドライバーに、スーパーフォーミュラの印象やテストへの意気込みなどを聞いた。
岩佐歩夢「短時間でSF23の癖は掴めた」新人最上位で順調にテスト初日を終える
■ベン・バーニコート
2023年シーズンは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でレクサスRC F GT3をドライブし、GTDプロクラスチャンピオンに輝いたイギリス出身のバーニコート。11月にはバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われたWEC世界耐久選手権のルーキーテストにも参加し、トヨタGR010ハイブリッドをドライブしたばかりだ。
今回はトムスから3日目のルーキー枠限定セッションで参加する。ここ最近はGTカーをメインに活動していたこともあり、フォーミュラカーのドライブは2020年にカーリンから参戦したFIA F3以来とのこと。
「スーパーフォーミュラは、F1を除いてオープンホイールカーでは、世界中でも一番速いクルマだと思う。この機会を得られたことに感謝しているし、すごく興奮している。そして、鈴鹿サーキットを走れることも楽しい。S字でスーパーフォーミュラの走りを見ていたけど、自然と笑顔になった。早くこのクルマに乗りたいなという気分だ」と、8日の走行を楽しみにしている様子だった。
バーニコートは、以前からスーパーフォーミュラをチェックしていたとのこと。「ヨーロッパだけでなく世界中がスーパーフォーミュラというシリーズは、速いクルマで戦っていて、すごくタフなチャンピオンシップであると理解している。世界中のドライバーの中にも、このシリーズに出てみたいと考えている人は多いと思う」。
それだけに、8日の走行で少しでも有意義な経験を積みたいと考えており「精一杯、頑張る!」と気合いが入っている様子だった。
■オリバー・ラスムッセン
今季、WECのLMP2クラスにJOTAから参戦し、第5戦モンツァではクラス優勝も果たす活躍を見せたデンマーク出身のオリバー・ラスムッセン。今回のテストでは、F2王者のテオ・プルシェールがFIA表彰式出席のため7日までの参加となっており、8日のルーキー限定セッションで19号車をドライブすることになっている。
「こんなに素晴らしい機会をいただけたことを、すごく嬉しく思っている。できる限りのフィードバックをしたいなと思っているし、今回のテストで得られる経験は素晴らしいものになると期待している」とラスムッセン。
初日と2日目はピット内やコースサイドから“見学”という形になるが、「コースサイドで走りを見ていたけど『最高!』の一言に尽きる。中速域でのグリップ力の高さを感じられた。スーパーフォーミュラは高いダウンフォースがあって、F1に近いような感じがある。だから、首への負担が大きいと聞かされている。早く体験してみたい」と、8日の走行を楽しみにしている様子だった。
■デビッド・ビダーレス
今季はスーパーフォーミュラ・ライツにB-Max Racing Teamから参戦していたスペイン出身のビダーレス。第15戦岡山では3位入賞を果たしたが、シーズン前半は上位に食い込めなかったこともあり、ランキング9位で2023年を終えた。
それでも、シーズン中は日本に拠点を置いて生活し、スーパーフォーミュラ第7戦もてぎにも見学に来るなど、日本のレースを勉強しようと熱心な姿をいつもみせていた。
「僕は今年スーパーフォーミュラ・ライツに乗っていたから、鈴鹿サーキットを走った経験があるというのは、大きなことだと思っている。その中で、トムスという素晴らしいチームからテストに参加できるということに感謝している。今日はドライバーとエンジニアの会話からも学ぶことができた1日だった。金曜日の走行が楽しみだ」とビダーレス。
今回はSFライツ時代ではライバル関係にあったトムスからルーキーテストに参加するが、チームの印象について聞くと「1年を通して手強いチームだなと思っていた。今年のスーパーフォーミュラ・ライツではライバルチームだったけど、彼らとの関係は良好だった。今シーズンはB-Maxとともに1年間を戦ったけど、今度は違うステージに来たという気分で、楽しみだよ」と、こちらも金曜日の走行を待ちきれないという表情をしていた。
■ラスムス・リンド
TGM Grand Prixの55号車をドライブするスウェーデン出身のラスムス・リンド。4輪にステップアップ以降は、アメリカを拠点にしてレースに参戦。2023年はインディNXTやIMSAスポーツカー選手権に参戦した。
「TGMというプロフェッショナルなチームからテストに参加できるのは、すごく嬉しい。しかも、経験豊富なノブ(松下信治)からいろいろなことを学べたから、今日は観ているだけだったけど良い1日になった。明日からの走行では、全力を尽くしていきたい」とリンド。
彼のマネージャーは、元F1ドライバーで日本でのレース経験もあるステファン・ヨハンソン。新たな挑戦の一環として、スーパーフォーミュラのテスト参加というチャンスを掴んだ。
「スーパーフォーミュラに乗るというのは、すごく大きなチャレンジになるし、ここには素晴らしいドライバーがたくさんいるから、簡単ではないことはわかっている。その中で、僕はアメリカでフォーミュラカーやスポーツカーのレースで経験を積んできたから、準備はできていると思っている。明日から素晴らしい機会になると思っている」
今回は、松下と55号車をシェアする形となり、3日目のルーキー枠限定セッションも参加予定。「彼からはたくさんのインフォメーションをもらっているから助かっている」とリンド。どういった走りを見せるのか、注目だ。
* * * * *
なお、B-Maxから参加予定のノーラン・シーゲルは2日目以降、サーキットに来る模様で、初日のメディアミックスゾーンには参加しなかった。3日目のルーキー限定セッションには、彼らを含めて合計12台が走行する予定だ。
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