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スズキ新型スペーシアが誕生! 王者N-BOXもビックリの秘密兵器搭載リヤシートに衝撃

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スズキ新型スペーシアが誕生! 王者N-BOXもビックリの秘密兵器搭載リヤシートに衝撃

 この記事をまとめると

■スズキが新型スペーシアとスペーシアカスタムを発表

これが本来のEVのあるべき姿だ! スズキのEVコンセプト「eWX」の奇をてらわない現実味に好感触!!

■「マルチユースフラップ」をはじめとしたスズキ初の装備を数多く搭載している

■スペーシアギアは一時廃止、スペーシアベースは現行型が併売される予定だ

 JMSで話題になった新型スペーシアを正式発表!

 11月5日に閉幕したジャパンモビリティショー2023において、スズキは軽スーパーハイトワゴンの次期モデル像を示す「スペーシアコンセプト/スペーシアカスタムコンセプト」を世界初公開していた。

 そのデザインモチーフは大容量「コンテナ」で、スペーシアの伝統を受け継ぎつつ、バージョンアップしていることを示していると感じたスズキファンも多かっただろう。

 なぜなら、同じく2017年の東京モーターショーでコンセプトモデルを発表した先代スペーシアのデザインモチーフはスーツケースだったからだ。

 余裕のスペースでなんでも積み込める使い勝手の良さを期待させるスタイリングは、「もっと自由に」「もっと使い易く」というコンセプトカーのキャッチコピーがピッタリと感じた人も少なくないのでは?

 というわけで、ジャパンモビリティショーの余韻も冷めやらぬ11月9日、コンセプトカーではなく量産仕様の新しいスペーシア/スペーシアカスタムがスズキから正式発表された。気になる発売日は11月22日と間近。さっそく3代目となるスペーシア/スペーシアカスタムについての情報を整理してみよう。

 ご存じのようにホンダN-BOXがリードする軽スーパーハイトワゴンカテゴリーは非常に大きいマーケットとなっている。同カテゴリーに属するスペーシア/スペーシアカスタムも人気が高く、スズキにとっては国内でもっとも売れているモデルであるのも事実だ。

 一般論として、こうした人気モデルのフルモデルチェンジは非常に難しい。高い人気を誇るということは大胆に変身してしまうと、これまでの支持を失うリスクが大きい。一方で、売れている=保有台数が多いことであり、スペーシアからスペーシアに乗り換えるユーザーも多い。代り映えしなければ、そうした乗り換えユーザーを満足させることができない。つまり「これまでの魅力をグレードアップしながら、新しいワクワクを提案しなければいけない」というのがヒット作のフルモデルチェンジに課さられる条件といえる。

 そうした視点から新型スペーシア/スペーシアカスタムのフルモデルチェンジを見れば、以下の5ポイントが進化テーマとして整理できる。 ・ワクワク感に楽しさをプラスしたデザイン ・広い空間をさらに活用できる後席快適性 ・バージョンアップした先進安全&運転支援機能 ・電動パーキングブレーキなど使い勝手の進化 ・燃費性能と走行性能、さらに乗り心地の向上 デザインについてはジャパンモビリティショーに出品した「コンテナ」をモチーフとしたコンセプトカーで示したとおり、スペーシアらしさを明確に感じさせるものとなっている。より大胆にサイド面のキャラクターラインを使うことで、ボディ全体がコンテナのような大容量かつマルチに使えるイメージを湧きたてている。

 スペーシアカスタムでは、太いグリルやフォグランプガーニッシュにメッキを施すことで、上質感を増したフロントマスクとしているが、しっかりとスペーシアらしさを維持しつつ、全体のクオリティ感を高めていることが見て取れる。

 従来のスペーシアから大きく変わったと感じるのは、テールランプの意匠だろう。先代スペーシアでは高い位置に丸をモチーフとしたテールランプが配されていたが、新型では2代目N-BOXや日産ルークスにも似た、軽スーパーハイトワゴンにおけるオーソドックスなデザインとなっている。このあたり、王道を目指したデザインという印象も受ける。

 ボディカラーは、標準系で全12色(モノトーンとツートンを合わせたバリエーション)となり、カスタムでは全11色(同)と豊富なラインアップを誇るのも市場ニーズに応えた設定といえるだろう。

 ユーティリティと先進装備が大幅にパワーアップ

 こうしたスタイリングは、マーケットトレンドに合わせた正常進化といえるが、それだけではライバルとの差別化にはならない。新型スペーシア/スペーシアカスタムの特徴的ポイントとなるのが、後席快適性を高める新装備「マルチユースフラップ」だ。

「マルチユースフラップ」が誕生するきっかけとなったのは「買い物帰りなどに後席にパッと置いた荷物を簡単に固定、転がらないようにできる方法はないかと考えた」ことから。そうして後席の先端を回転させるというアイディアが生まれた。

 180度回転させるだけでなく、微妙に角度を変えることでひざ裏を支えるようにすれば小柄な人でもしっかりと体がホールドされるのでは? という仮説を立て、フラップ角を3段階に調整できるようにしたという。

 さらに、フラップ部分をヘッドレストのように伸ばすことができれば、大柄な体型の人が後席に乗ったときに座面が小さいと感じるという従来あった不満を解決できるソリューションにもなる! という発見があり、マルチユースフラップは完成したという。

 そうした開発ストーリーを聞くと、じつはオットマンモードは副次的に生まれたシートアレンジだということがわかる。そのため、オットマンモードは停車時の休憩に限定しているという。身長165cmの筆者でもオットマンモードで足を伸ばそうとすると、フロントシートをもっとも前までスライドさせないと十分なスペースは確保できなかった。つまり、誰かが運転しているときにオットマンモードを利用できるケースというのはほとんど考えられないというわけだ。

 なお、マルチユースフラップは5段階で伸ばすことができるようになっている。縮めた状態では軽自動車のリヤシートというサイズ感だが、伸ばした状態で座ると非常に大きなシートに座っているような感覚になる。ひざを支える位置を変えるだけで座面が伸びたように感じるのは本当に不思議だが、まごう事なき事実だ。

 つづいて、先進安全機能と使い勝手についてまとめて整理してみよう。

 衝突被害軽減ブレーキは、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた「デュアルセンサーブレーキサポートII」を、スズキの軽自動車として初採用。雨などの悪条件にも強いミリ波レーダーと広角の単眼カメラというふたつのセンサーを活かすことで、検知範囲は従来の2.6倍にまで広がっているという。

 さらに、EPB(電動パーキングブレーキ)を組み合わせることで、高速道路でのACC(追従クルーズコントロール)使用時においては停止保持機能も実現するなどバージョンアップしている。そのほか、カーブを認識して速度を抑制する機能、車線変更時のアシスト機能、車線維持支援機能などが新機能として追加されている。軽自動車としては非常に高度な先進運転支援システムを実装したといえるだろう。

 EPBには当然ながらブレーキホールド機能も備わっているので、市街地などの信号待ちではブレーキペダルから足を離して待つことも可能。また、冬場に冷たいステアリングでは正しい運転がしづらくなるという声に対応して、ステアリングヒーターもスズキの軽自動車としては初めて採用しているのもトピックスのひとつだ。

 メーターはデジタル表示の速度計と4.2インチカラー液晶のマルチファンクションディスプレイを並べたもの。視認性を向上させつつメーター自体を小ぶりにしたことでメーターフードの上に小さなトレーを用意することもできた。

 さらに、視線移動を最小限に抑えることのできるヘッドアップディスプレイも従来モデルに引き続き採用しているのも運転しやすい環境づくりにプラスとなっている。

 パワートレインについては、主力となるNAエンジンを最新世代のロングストロークエンジン「R06D」型にシフト。カスタムに用意されるターボエンジンは従来同様のR06A型だが、いずれもマイルドハイブリッド仕様を標準としている。さらに低転がり抵抗タイヤを新採用してるというのも省燃費運転性能に効いているという。

 ちなみに、撮影車のタイヤ銘柄は、NAエンジンを積んだ標準車でダンロップ・エナセーブEC350+(155/65R14)、ターボエンジンを積んだカスタムはヨコハマ・ブルーアースES32(165/55R15)となっていた。いずれも指定空気圧は240kPaだ。

 一般論として低転がり抵抗タイヤを高めの空気圧設定とするとロードノイズが大きくなりがちだが、新型スペーシア/スペーシアカスタムにおいては、アンダーボディ接合部に減衰接着剤を使用したり、後席まわりに遮音バッフルを採用したりと静粛性と乗り心地を向上させる工夫が取り入れられているといった進化も見逃せない。

 いずれにしても、「マルチユースフラップ」というソリューションによって実現した“幅広い体型の人が快適と感じる後席”は、新型スペーシア/スペーシアカスタムのストロングポイントといえる。軽スーパーハイトワゴンでのクルマ選びをしているというユーザーは、何はともあれ後席の座り心地について体感してみることがおすすめだ。

 なお、これまでのスペーシア・ファミリーには、クロスオーバーSUVテイストのスペーシアギア、商用バン仕様のスペーシアベースといったラインアップもあった。今回のフルモデルチェンジに合わせて、スペーシアギアについては一旦ラインアップから消えるようだが、遠からず新しいスタイルになって帰ってくることだろう。また、スペーシアベースについては、しばらくは商用車として継続生産される予定となっている。

 新型スペーシア/スペーシアカスタムは燃費性能や価格といった経済性も含めて、非常に商品力のある仕上がりとなっている。日本の国民的カテゴリーといえる軽スーパーハイトワゴンのレベルを大きく引きあげること確実だ。

文:WEB CARTOP 山本晋也
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みんなのコメント

9件
  • sch********
    買っちまおうかな
  • rik********
    2代続けてタントカスタム、現在N-BOX
    仕事の都合でラゲッジがフルフラットに近い状態というのが条件だったけど
    現行タントは思いっきり斜めだし現行N-BOXも自転車積むための変なポッコリがついてしまった
    今までは選択肢にすら入ってなかったスペーシアカスタムだけど、次はこれだな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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