もくじ
どんなクルマ?
ー 33年ぶりのMの4気筒
ー クルマの隅々まで及ぶMチューニング
どんな感じ?
ー ホットハッチに伍する0-100km/h加速5.0秒
ー ボディコントロールの向上で高まる走りの楽しさ
「買い」か?
ー 視野を広げて検討する価値あり
スペック
ー BMW X2 M35iのスペック
試乗 新型BMW 1シリーズ(F40型)プロトタイプ FF化もハンドリング維持
どんなクルマ?
33年ぶりのMの4気筒
車高が高めのハイパフォーマンスモデルという、新しいカテゴリーに属するクルマのひとつ、BMW X2 M35i。かつては若者に人気だったホットハッチの価値を、プレミアム・クロスオーバーという新しい領域へ伸延させようとしているようだ。
M35という名前のとおり、純粋なMではない。しかし、より熱狂的な走りを求めるドライバーへの訴求力を高める、という目的を持っている点では共通している。標準のX2では叶うことのない、ドライビングフィールの優れた精度と、高い走行スピードを提供してくれるクルマだと思う。
ここで注目したいのは、33年前に初代M3が登場して以来となる、Mディビジョンがリリースする4気筒エンジンを搭載したモデルだということ。下辺の広がった台形がふたつ並ぶキドニーグリルの奥には、BMW製のB48型としては最もパワフルに訓練されたエンジンが潜んでいる。パワーアップに合わせて、冷却系も強化されている。
横向きに搭載される2.0ℓ4気筒ターボユニットが発生するのは、306psと45.8kg-m。標準のX2の中でも最も強力なガソリングレード、xドライブ20iと比較すると、114psと17.3kg-mの強化となる。かなりの数字だ。
クルマの隅々まで及ぶMチューニング
この潤沢なエネルギーを、意図しない粗野なホイールスピンなしに確実に路面へと伝えるべく、駆動系もアップグレード。X2としてはトップグレードだけあって、トルクコンバーター式のコンベンショナルな8速ATには「レース」スタート機能を追加。マルチプレート・クラッチ式の4輪駆動システムと、Mスポーツ・ディファレンシャルも搭載されている。
脚まわりもチューニングしてある。フロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式となるサスペンションは、Mディビジョン独自のもの。スプリングレートは高められ、ダンパーも硬く設定されており、車高もわずかに標準のX2より下げられた。ホイールは18インチが標準設定となるが、オプションでアクティブ・ダンパーのほか、19インチか20インチの大径ホイールの選択も可能となる。
もちろんX2 M35iには標準のX2とは異なる、Mスポーツ仕様のボディキットが装備されている。バンパー下部の大きなエアダクトはより冷却面で効率を高めたデザインになり、サイドのエアダクトにはシルバーのトリムが輝く。ドアミラー・カバーのデザインも変更されるほか、Mスポーツ・エグゾースト・システムも追加されており、リアバンパー下からは左右に1本づつ、太いマフラーカッターが顔を見せる。
インテリアにも手が加えられ、雰囲気はぐっと良くなった。「M」のロゴや水色、青、赤のトリコロールのアクセントが散りばめられており、レザー巻きのステアリングホイールにはシフトパドルが伸びている。サイドサポートが張り出したスポーツシートにはMオリジナルのシートベルトがセットされ、フロントドアの内張りにはM35iのレタリングが入る。その他にも細かい部分で手が入っているから、満足感は高い。
さて、実際の走りが気になるところだ。
どんな感じ?
ホットハッチに伍する0-100km/h加速5.0秒
X2 M35iの走行性能に関して、不満を感じることはない。BMWによれば、0-100km/h加速に要する時間は5.0秒で、最高速度は249km/hとされている。この数字なら、コーナー間の直線で、名だたるホットハッチと充分に伍することができるはず。
30年ぶりとなるMディビジョンから登場した4気筒エンジンは、確かに同じブランドからの6気筒エンジンほどスムーズでもないし、リニアな力強さという点でも及ばない。しかし、間違いなくパワフル。サウンド面でも、実際のマフラーからの音に加えて、車内のスピーカーから合成した排気音を響かせるようになっており、聴覚的にも充分に楽しめるだろう。
例によってツインスクロール・ターボを採用しているが、低回転域ではブースト圧が掛かるまで、パワーデリバリーに若干の遅れを感じ取れてしまう。だが2000rpmを超えた辺りから、X2 M35iの柔軟性は一気に増し、アクセルペダルの操作に合わせて、期待通りの活力が湧出する。鋭さを求める腕利きのドライバーにとっては、サウンド面でもパワー面でも、大きな魅力になるに違いない。
直線スピードだけでなく、X2 M35iの完成度を際立たせているのが、標準のX2から大きく改善したシャシー・レスポンス。もととなったX2よりも明確に、レスポンシブで機敏な性格を身につけている。市街地でも郊外の道でも、それを実感できるはず。
ボディコントロールの向上で高まる走りの楽しさ
ダンパーは減衰力が高められているが、ピッチング(縦)方向でもロール(横)方向でも、動きは良好。背の高いBMWとはいえ、垂直方向のボディの安定性は明確な強みといえるだろう。電動パワーステアリングの重み付けも最適化されており、通常のX2よりもフィードバックも秀逸。BMWのクロスオーバーに、ダイレクトさと新次元ともいえる正確性が追加されたことで、ドライビング体験をより一層優れたものにしている。
左右の前輪間で駆動力を調整してくれるうえに、マルチプレート・クラッチを備えた4輪駆動システムは、必要に応じて後輪にもパワーを伝達。路面が濡れていても、力強いトラクションを確保している。
ひとつ記すべきは、われわれのテスト車両にはオプションのアダプティブ・ダンパーが装備されていたが、硬められた脚周りが乗り心地に影響を及ぼしていないわけではないこと。路面が滑らかではない区間では、 X2 M35iはその入力の対処にやや難儀している様子だった。この印象は、全般的に路面環境の良いドイツでの話。舗装の劣化が目立つ英国の場合では、ドライビングに悪影響を及ぼすことは予想できる。
便利なオプションとしては、マルチカラーのヘッドアップ・ディスプレイや、通信機能を備えた高機能なインフォテインメント・システムといえるBMWコネクテッド・ドライブ、渋滞時の運転支援システムなどが挙げられる。装備の面でも不足は感じられない。
「買い」か?
視野を広げて検討する価値あり
車高の高いクロスオーバーは、従来のBMW Mディビジョンが得意とする分野のクルマではない。しかし、横置きのエンジンに比較的高い車高という、足を引っ張る要素を備えていつつも、M35iの完成度は極めて高いものだといえる。
ライバルとなるアウディQ2を始めとして、オンロードでの走行性能に注力したクロスオーバーの数は増え続ける一方。しかしX2は明らかに速く、洗練性もレスポンスも良好で、運転していて楽しさを感じられるクルマだ。標準のX2ではやや見劣りしていたインテリアだが、大幅に手が加えられたことで、品質や高級感が増し、クルマのイメージを高めている。
本当に走りに拘るひとにとっては決定的な選択肢とはいいにくいし、価格の面でも魅力的とはいいにくい。しかし、季節を問わず思い切り走れるホットハッチを探している読者なら、少し視野を広げて、充分に検討する価値はあるだろう。
BMW X2 M35iのスペック
■価格 4万2000ポンド(609万円)
■全長×全幅×全高 4375✕1825✕1535mm
■最高速度 249km/h
0-100km/h加速 5.0秒
■燃費 14.4km/ℓ
■CO2排出量 158g/km
■乾燥重量 1610kg
■パワートレイン 直列4気筒1998ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 306ps/5000rpm
■最大トルク 45.8kg-m/1750-4500rpm
■ギアボックス 8速オートマティック
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