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新型アウディA7スポーツバックに試乗 A8との関係、2018年型の評価は

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新型アウディA7スポーツバックに試乗 A8との関係、2018年型の評価は

もくじ

どんなクルマ?
ー 新型A7スポーツバック概要
ー 48Vバッテリー/その他の装備

比較試乗 高級4ドアクーペ対決 メルセデス・ベンツCLS vs ポルシェ・パナメーラ

どんな感じ?
ー 室内の印象/入力に対する反応
ー 全般スポーティ 乗り心地は……

「買い」か?
ー パナメーラ/6シリーズGTとの位置感覚

スペック
ー アウディA7スポーツバックのスペック

どんなクルマ?

新型A7スポーツバック概要

7年ぶりにフルモデルチェンジしたアウディA7スポーツバック。それを簡潔に説明すると、同社のフラッグシップサルーンたる新型A8と基本共通するプラットフォームを使った5ドアハッチバッククーペ、ということになる。

ホイールベースはA8より75mm短い2925mm、そこに構築された5ドアハッチバックボディは4975×1910×1405mmというサイズ。

似たようなコンセプトのBMW 6シリーズと比べると、やや短くて、背も低い。それに加えて、デザインテイストの違いもあって、こちらの方が全体にシャープでスポーティな印象を持つ。

日本で通常発売されるA7スポーツバックは、55TFSIクワトロSラインと、55TFSIクワトロ・デビューパッケージの基本2モデル。パワートレインはいずれも3ℓV6ターボで、340psと51.0kg-mを発生、デュアルクラッチの7段Sトロニックを介して、クワトロ4WDを駆動する。

48Vバッテリー/その他の装備

さらにこのパワートレインは、48Vのリチウムイオンバッテリーとオルタネータースターターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを採用し、燃費向上と快適性に寄与している。ベーシックな装備の車重は55TFSIクワトロSライン、55TFSIクワトロ・デビューパッケージともに1900kgという。

さらにA7のクワトロシステムはA8のそれとは違って、状況によっては前輪にだけトルクを伝え、プロペラシャフトを回転させずに前輪駆動で走って、必要に応じて後輪にもトルクを配分するというもの。それらの決定は、0.5秒先の路面状況をモニタリングした結果として、判断されるという。

さらに新規導入にあたりデビューパッケージとは別に、ダイナミックオールホイールステアリング=4輪操舵システムや、ダンピングコントロールサスペンション、エクステンデッドレザーの室内などを装備した限定車、ファーストエディション、Sライン・ファーストエディションの2モデルを合計250台販売する。

税込み車両本体価格は、標準のデビューパッケージが988万円、同Sラインが1066万円、ファーストエディションが1058万円、Sライン・ファーストエディションが1161万円。

どんな感じ?

室内の印象/入力に対する反応

軽井沢をベースにした試乗会で乗ったのは、限定車のファーストエディションだった。ボディはルーフの低いクーペスタイルだが、さすがに全長5m近いサイズだけに居住空間に不足はなく、リアシートもレッグルームは充分、ヘッドルームにも窮屈な感じはない。

ダッシュボードやコンソール周辺は大型のディスプレイに占められ、全体にテラッとした質感が目につくが、アウディらしく仕上げの水準は高い印象を与える。低めの着座位置を設定することが可能なドライバーズシートに身体をあずけて、走り出す。

3ℓV6ターボエンジンはレスポンスが素早く、7段Sトロニックとの組み合わせによるパフォーマンスは、特に鮮烈な印象は与えないものの、0-100km/h加速は5.3秒というだけに、充分なものだ。軽井沢から浅間高原への上りも、活発にこなしていった。

印象的だったのは、ステアリング操作に対するレスポンスが低速から素早いことで、切り込むと同時にノーズがクイックに向きを変える。

そこには、20インチタイヤとともに、ファーストエディションに標準装備されたダイナミックオールホイールステアリング=4輪操舵が大いに効果を発揮しているに違いない。

全般スポーティ 乗り心地は……

結果として、そのドライビング感覚は全般にスポーティな印象を与えるもので、それはA7スポーツバックという車名、およびそのスタイリングが醸し出す、このクルマのイメージに反しないものだと感じた。

一方、乗り心地の面で若干気になったのが、20インチタイヤの存在感だった。モード可変式のダンピングコントロールサスペンションを装備しているため、ノーマルモードを選んでおけば乗り心地は硬くはないのだが、不整路面を越える際に20インチタイヤの上下動がボディに伝わってくるのだ。

コントロール系に関していうと、タッチディスプレイによる操作が、項目によってはやり難いと感じることがあった。

例えば、走行モードの切り替えの際などに、一度のタッチでは確実に切り替わっていないことがあったからだ。

運転支援関連システムでは、レーザースキャナーを含む最大23基のカメラやセンサーを搭載し、それらを統合制御することで高度な運転支援を実現しているというが、高速道路を走る機会のなかった今回の試乗では、その効果を実感することが出来なかった。

「買い」か?

パナメーラ/6シリーズGTとの位置感覚

全長5m、全幅1.9mサイズの大型ボディを持った、プライス1000万円強の5ドアハッチバックという存在。それを日本でどういう層が購入するのかとなると、なんとなくイメージは浮かぶけれど、実際にどうなのかは想像の域を出ない。

ライバルとなり得るクルマを探してみると、BMW 6シリーズ・グランツーリスモ、ポルシェ・パナメーラ、テールゲートはないけれどメルセデス・ベンツCLS、といったあたりだろうか。

そのなかで、ボディ形態的にも最も近いのはBMW 6シリーズ・グランツーリスモだが、それと比べるとA7はボディが一段とスポーティでスタイリッシュ、乗り味もよりスポーツライクだが、乗り心地の快適さや室内の広さでは6シリーズ グランツーリスモに及ばない、といったところか。

その一方で、パナメーラと比べると、ドライビング感覚のスポーツライクさではパナメーラに及ばないものの、居住空間やラゲッジルームの広さではA7が上、ということになるだろう。

つまり、6シリーズ・グランツーリスモとパナメーラの中間的なキャラクターを持った全長5m級の5ドアハッチバッククーペを求める層にとって、A7スポーツバックは「買い」なクルマである、ということではないだろうか。もちろんアウディファンには、そういった比較論は必要ないはずだが。

アウディA7スポーツバックのスペック

■価格 1058万円
■全長×全幅×全高 4975×1910×1405mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費 12.3km/ℓ
■CO2排出量 189g/km
■車両重量 1900kg
■パワートレイン V型6気筒2994ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 340ps/5200-6400rpm
■最大トルク 51.0kg-m/1370-4500rpm
■ギアボックス 7速デュアルクラッチ

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