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韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)

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韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)

結果をわけたタッチモニターとタッチセンサー

2024年の欧州における、コストパフォーマンスに長けたバッテリーEVを選出する今回の企画。英国編集部6名を審査員にした評価で、4万ポンド(約756万円)以下という現実的な予算で選べるモデル、上位4台が決定した。

【画像】2024年のベスト・コストパフォーマンス・バッテリーEV トップ4に輝いたモデルはコレ! 全115枚

小柄なハッチバック、MG 4 EVとクプラ・ボーン、小柄なクロスオーバー、ヒョンデ・コナ・エレクトリックとキア・ニロ EVという顔ぶれだ。この内の3台は、日本の読者には馴染みがないと思うけれど。

ノミネートした12台のうち、これまで順に5位以下の8台を評価してきた。ボルボEX30の期待は高かったものの、スウェーデンのメーカーが試みた新しい哲学は、審査員の賛同を得ることが難しかった。

ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリックとテスラ・モデル3は、高く評価した人がいた一方、そうではない人も一定数いた。1人でも配点が異なっていたら、トップ4にランクインした可能性はある。個人的には、どちらかが加わって欲しかった。

モデル3では、ボルボEX30と同じく、タッチモニターやタッチセンサーに依存したインターフェイスを疑問視する審査員が多かった。特にウインカーレバーの省略へ。

英国価格は、完全に素の状態のエントリーグレードで、3万9990ポンド(約740万円)。今回の設定上限へ、限りなく近かったことも影響したといえる。

ほぼ横並びの2台 普遍的でシンプルな設計

筆者にとって、EX30やモデル3以上に惜しいと感じたのが、メガーヌ Eテック・エレクトリック。非常に設計水準は高く、適度な大きさで見栄えの良い、いかにもヨーロピアンな仕上がりのバッテリーEVだと思う。

しかし最終的な獲得点数では、4位のキア・ニロ EVに届かなかった。有力な審査員の1人が、強くプッシュしたという背景もあったとはいえ。

かくして、技術的なつながりの非常に強い2台が、トップ4に選ばれた。コナ・エレクトリックとニロ EVは、どちらもヒョンデ・グループが開発したK3アーキテクチャを基礎骨格としている。電動パワートレインも、ほぼ同じといっていい。

英国価格だけでなく、航続距離や動力性能はほぼ横並び。ボディサイズも近く、広々とした車内空間が創出されている。確かに、一方が高く評価されるなら、もう一方も同等の評価を得ても不思議ではない。

7位だったフォルクスワーゲンID.3と、トップ4に残ったクプラ・ボーンのように、コナ・エレクトリックとニロ EVは兄弟モデルに当たる。それと異なり、両ブランドが最善の努力を投じたとはいえ、この2台は似ている。

ファミリー・ハッチバックとして普遍的な設計が与えられ、合理的なクルマという魅力がある。週末に運転を楽しみたいと考える人にも、1年に数度しかロングドライブを楽しまない人にも、幅広くオススメしたいと思える。

一般的なユーザーが求めることを満たす

どちらも、英国価格は4万ポンド(約756万円)を大きく下回る。お借りしたコナ・エレクトリックは、トップグレードのアルティメットで、4万3040ポンド(約813万円)もするけれど。

この価格帯で実際にバッテリーEVを検討し始めれば、2台のコストパフォーマンスの良さが見えてくるはず。同等の値段で、同等の実用性や航続距離を叶えたモデルは多くない。恐らく、バッテリーEVへスムーズに移行できるだろう。

キャビンにはゆとりがあり、大人4名が問題なく長時間過ごせる。子どもなら、リアシートに3人を並ばせても不満は出ないはず。荷室容量も充分で、週末の食料品の買い出しにも問題なく対応できる。

内装の作りはソリッドで、簡単に壊れそうな部分はない。小物入れは各所に備わる。実際に押せるハードボタンも多く残され、タッチモニターを見つめながら、サブメニューを掘り下げる必要はない。取り立てて、引っかかるポイントはないといっていい。

心から運転を楽しめるわけではない。AUTOCARの読者が、強く興味を抱くことはないかもしれない。それでも、コナ・エレクトリックとニロ EVは、一般的なユーザーがバッテリーEVへ求めることを満たしている。2台とも安心して、しっかり使える。

全長約4.4m、全幅約1.8mというサイズを考えれば、電費も良い。同じ65kWhの容量の駆動用バッテリーから、450km以上の航続距離が主張されている。現実的には約400kmだが、冬場でも大きく短くなることはない。

4位:ニロ EV 2位:コナ・エレクトリック

ステアリングホイール裏のパドルを弾いて任意に調整できる、回生ブレーキも強み。ルートを問わず、運動エネルギーを電気エネルギーとして効果的に回収できる。運転次第で、1kWh当たりで走れる距離を伸ばせる。

乗り心地も良い。車重が約1.7tと軽くはないこともあり、背が高めのクロスオーバー基準でいっても、操縦性で優れるわけではない。しかし何か不備があるわけでもない。運転席からの視界は良好で、駐車もしやすい。

それでは、なぜ一方が4位で、もう一方が2位なのか。スター・ウォーズに出てくるような、コナ・エレクトリックのフロントマスクを好む人がいたことも、多少は影響しているかもしれない。

実際のところ、ニロ EVの運転体験を支持する人もいた。ドライバー監視機能の有無も、印象の違いを生んでいたと思う。コナ・エレクトリックへ実装される、運転支援システムへイラつかされる場面があったことは事実だ。残価設定型プランの特徴も異なる。

一長一短はあるが、最終的に審査員の評価が高かったのは、コナ・エレクトリック。2024年の英国では、4万ポンド(約756万円)の予算で選べる、2番目に賢明なバッテリーEVだといえるだろう。

キア・ニロ EVとヒョンデ・コナ・エレクトリックのスペック

キア・ニロ EV 65kWh 2(英国仕様)

英国価格:3万6770ポンド(約695万円)
全長:4420mm
全幅:1820mm
全高:1570mm
最高速度:165km/h
0-100km/h加速:7.8秒
航続距離:458km
電費:6.1km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1739kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:65.0kWh
最高出力:203ps
最大トルク:25.9kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

ヒョンデ・コナ・エレクトリック 65kWhアルティメット(英国仕様)

英国価格:4万3040ポンド(約813万円)
全長:4355mm
全幅:1825mm
全高:1575mm
最高速度:172km/h
0-100km/h加速:7.8秒
航続距離:453km
電費:5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1698kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:65.0kWh
最高出力:218ps
最大トルク:25.9kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

この続きは、お手頃EV 12台比較(6)にて。

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みんなのコメント

9件
  • hir********
    ってか、もうEVのゴリ押しはえーわ!
    しかも中韓なんて金だして買いたくねえし。
  • 名誉白人
    合計特殊出生率(1人の女性が生む子供の数)

    ・日本…1.33
    ・中国…1.3
    ・韓国…0.78

    消えゆく国、韓国www

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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