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ヒョンデ・アイオニック9 試作車へ試乗 ブランドを加勢する7シーターSUV 高い説得力を獲得?

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ヒョンデ・アイオニック9 試作車へ試乗 ブランドを加勢する7シーターSUV 高い説得力を獲得?

アイオニック・シリーズの新型SUV

アメリカ西部、カリフォルニア州モハーベ砂漠の一角に、ヒョンデのテストコースがある。だだっ広い平原に、見渡す限りの青空。気温は40度超え。施設の食堂では、食べきれないサイズのタコスが出てきた。

【画像】高い説得力を獲得? ヒョンデ・アイオニック9 3列シートの電動SUV アイオニック5も 全162枚

高速オーバルコースの大きさは、ロサンゼルス国際空港の面積に匹敵するらしい。韓国ではありえないような、過酷な気候条件にも新しいクルマが耐えられるかどうか、技術者は開発に打ち込んでいる。

この場所で最終試験に挑んでいるのが、アイオニック・シリーズの新しいフラッグシップとなる電動SUV。車重は2.7tほどあり、最高出力は高性能なツインモーターで400馬力以上に達する。航続距離は、仕様次第で640km程度が見込まれる。

基礎骨格とするプラットフォームは、ヒョンデのE-GMP。キアEV9と、技術の多くを共有する。駆動用モーターは、1基か2基。フロアに敷かれる駆動用バッテリーは、110.3kWhもの大容量。2025年に、英国での販売が始まるそうだ。

英国価格は、6万5000ポンド(約1268万円)から8万ポンド(約1560万円)の間。サイズ的に近いボルボEX90と比べると、3万5000ポンド(約683万円)前後安い。

試作車ということで、ボディはカモフラージュされていた。スタイリングの詳細は、写真をご覧頂こう。巨大なことは間違いない。

驚くほど広い車内 システム総合435ps

インテリアも隠されていたが、リアに向けてボディが絞られているため、空間が最優先されたわけではないようだ。それでも、テールゲートには巨大なウインドウがはめられ、明るく開放的な雰囲気だと感じた。

3列目でも、乗員空間は広々。荷室も驚くほど広い。テキスタイルには高級感があり、しっかりしていそう。2列目のシートは、オプションで回転可能になる。運転姿勢は起き気味。ドライバーを中心とした、ダッシュボードのデザインのようだ。

あいにく、タッチモニターやハードスイッチに触れることはできなかったが、アイオニック5の印象へ近いはず。少なくともグラフィックは美しく、インターフェイスは理解しやすく、視覚的に親しみやすい。運転支援システムは、簡単にオフにできる。

試乗させていただいたのは、最上位に当たるアイオニック9 パフォーマンスAWD。ツインモーターで、システム総合435psの最高出力を発揮する。その加速力は、遥かに軽いホットハッチ並みに鋭い。電費は、4.5km/kWhとのこと。

全開でも、気分が悪くなるほどのダッシュ力ではない。予測通り清々しく速度が増し、加速具合も制御しやすい。

カーブで物理の法則を実感 サイズの割に扱いやすい

サスペンションは、前後ともツインバルブダンパーが組まれたマルチリンク。スポーツ指向ではなくコンフォート指向で、乗り心地は落ち着いていた。砂漠は走れなかったが、少なくともコース上の荒れた路面では、優れた処理能力を披露した。

試乗はオーバルコースに限られ、コーナリングの印象は充分に確かめられなかった。それでも巨大な電動SUVだから、ワインディングが得意分野、ということはないだろう。急ブレーキを踏んでも、ボディが大きく沈むようなことはなかったが。

カーブへ積極的に突っ込むと、動きに合わせて重心が前後左右へ移動し、物理の法則を実感する。だが、ピッチやロールは生じるものの、その傾きは限定的。全体的には安定性が高く、大型SUVとしては扱いやすいようだ。

後輪操舵システムが備わるが、立体駐車場などで威力を発揮する技術といえる。アイオニック9で、鋭い旋回を望むユーザーは少ないだろう。

アクティブサウンド機能が実装され、遮音性は見事。サスペンションの動作音もほぼ聞こえない。160km/hまで加速してみたが、流石にこの速度域では風切り音が目立ちだす。こんな速さが許される道は、極めて限られるけれど。

シングルモーター仕様は車重が2.5tへ軽くなるが、最高出力は218ps。比べると非力に思えるかもしれないが、恐らく日常的に不満を感じることはないだろう。価格は安く、電費は5.6km/kWhへ伸びる。こちらの方が、より高い支持を集めるはず。

説得力の高いモデルに仕上がる可能性

現在の市場で、7シーターを備える大型の電動SUVは種類が少ない。競争が厳しいとはいえないものの、アイオニック9は実用性や航続距離、快適性などを強みとして得ることになるだろう。

量産仕様へ試乗するまで、具体的な評価はできない。しかし写真の限り、デザインは好印象。試作車の印象を踏まえると、説得力の高いモデルに仕上がる可能性は高い。

◯:長距離走行の快適性が優先されたシャシー 巨大なバッテリーで得る航続距離 素早く安定した走り
△:英国では大きすぎるであろうサイズ パワフルなツインモーターは電費が良くない

ヒョンデ・アイオニック9(プロトタイプ)のスペック

英国価格:約6万5000ポンド(約1268万円)から(予想)
全長:5060mm
全幅:1980mm
全高:1790mm
最高速度:−km/h
0-100km/h加速:−秒
航続距離:495km(予想)
電費:4.5km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:約2700kg(予想)
パワートレイン:ツインモーター
駆動用バッテリー:110.3kWh
急速充電能力:−kW
最高出力:435ps
最大トルク:−kg-m
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

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みんなのコメント

6件
  • cam********
    日本カー・オブ・ザ・イヤーダブル受賞て広告はナンなんだ?
    選考されただけだろ。
  • kim changmin
    韓流カルチャーで育った若者たちは、いつかはヒョンデを合言葉に、毎日の仕事に励んでいると思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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