英国には正規導入されない日本車3台
カナダの紙幣には、故エリザベス2世の肖像画が描かれている。西海岸にはブリティッシュ・コロンビア州という自治体もある。だが、この土地を走るクルマは、グレートブリテン島の道を走るそれとは大きく異なる。
【画像】輸入されない日本の宝石 日産Z/トヨタGRカローラ/スバルWRX GRヤリスにソルテラほか 全116枚
アメリカと同じく、ピックアップトラックやSUVがファミリーカーとして活躍している。英国には正規導入されていない日本車も、数多く走っている。左ハンドルだが。
例えば、トヨタGRカローラ。カナダ市場ではGRヤリスが売られていないため、その穴を埋めるホットハッチだ。実用的な5ドア・ハッチバックのボディに、ホモロゲーション・モデルへ通じるような精神が盛り込まれている。
ノーマルのカローラも、カナダでは評価が高い。そこへ300psの1.6L 3気筒ターボエンジンと、トルク分配率を選べる四輪駆動システムが融合している。この事実だけでも、面白いクルマであろうことは想像に難くない。
ありがたいことに、スバルはインプレッサ WRXの後継モデル、WRX(WRX S4)をカナダで販売している。1990年代のラリーで大暴れした子孫が、モダンなファミリーサルーンへ進化し生き残っている。
ボンネットには大きなエアスクープが載り、その下には水平対向4気筒ターボエンジン。ラリードライバー、コリン・マクレーやリチャード・バーンズの勇姿が想起される、ワールドラリー・ブルー塗装も用意されている。
四輪駆動システムの能力を最大限に発揮させるべく、6速MTもカナダ仕様には設定される。日常的な使い勝手を求めて、チェーン駆動のCVTも選べる。
ノスタルジックな気持ちへ応える「Z」
日産の象徴的なクーペも、グレートブリテン島には導入されていない1台だ。最新版は、カナダではシンプルにZを名乗る。新世代へモデルチェンジしたわけではなく、先代の大改良版だが、スタイリングは見違えた。
2997ccのV型6気筒ツインターボ・エンジンは、日産の上級ブランド、インフィニティ譲り。車重は1590kgと軽くないが、最高出力は400psもある。
トヨタは、新しいスープラを開発するに当たり、BMWへ協力を仰いだ。だが日産は、自社で完結させた。悪くない判断だったと思う。
この3台が、直接的なライバルとして比べられることはないだろう。それでも、スリリングなドライビング体験を享受できる、現在では貴重なモデルに数えられる。英国人が羨むような、禁断の果実といえる存在なのか、今回は確かめてみよう。
日本がバブル景気に湧いていた時代から、30年が過ぎた。その時に生まれた、ツインターボエンジンのFD型マツダRX-7やA80型トヨタ・スープラは、特別なクラシックカーになってしまった。
そんなノスタルジックな気持ちに応えてくれるのが、日産のZ。ショートデッキのシルエットや上下2段のテールライトが与えられた、Z32型300ZXの子孫といえる。
初代のS30型240Zは、手頃なサルーンと同等の金額で販売され、北米市場では大ヒットを記録した。それに憧れるファンが、ターゲットなのかもしれない。最新版は、V8エンジンのフォード・マスタングへ並ぶ価格だけれど。
操縦に忠実で挙動を予想しやすいパートナー
日産の上層部は、6代目のZ34型、370Zで内燃エンジンのスポーツカーは終わりにしようと考えていたようだ。しかし、GT-Rの開発にも携わった田村宏志氏は、大きな利益が得られなくても、スポーツカーは日産のプライドを保つために必要だと主張した。
その、2008年に発売されたZ34型の進化版が、新しい日産Z。ダッシュボードにはタッチモニターが据えられ、スタイリングも一新されたが、プラットフォームは従来のものを受け継いでいる。
しかし、オールドスクールな成り立ちがメリットをもたらす。ワインディングを走らせれば、操縦に忠実で挙動を予想しやすい、素晴らしいパートナーだと思えてくる。
ツインターボで過給される400psの3.0L V6エンジンは、爽快なパワーデリバリーを実現。6速MTのシフトレバーには好ましい手応えがあり、コクリとゲートへ決まる。ジューシーな和牛ステーキを、鋭利なナイフで刻んでいるような、そんな快感がある。
確かに、新鮮な感覚はないかもしれない。しかし、クルマの黄金時代を想起させることで、ドライバーを満たしてくれる。
英国に限らず、欧州のスポーツカー市場は縮小の一途。最近の日産も、電動化技術とクロスオーバーへ注力している。新しいZがグレートブリテン島へ上陸したら、少なくないファンに歓迎されることだろう。
この続きは後編にて。
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みんなのコメント
たいてい日本の環境ではどこか難がある現地向け仕様ではあるがたまにこれ欲しいよねってのがある。
トヨタのPSA(ステランティス)提携で出してる小型車とか、日本に来ないのはダイハツに気を遣ってるなとか勘ぐっちゃう。