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ホンダ コンプリート・チューニングカー「フリード モデューロX」試乗レポート 熟成された上質な走り

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ホンダ コンプリート・チューニングカー「フリード モデューロX」試乗レポート 熟成された上質な走り

モデューロXとはカスタマイズ+チューニングされたホンダのコンプリート・モデルのシリーズ名だが、販売が好調のフリードについに「フリード モデューロX」が設定され、2017年12月15日に発売が開始された。<レポート:松本晴比古/Hruhiko Matsumoto>

■コンプリートカー「モデューロX」

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ホンダのモデューロ・ブランドは1993年にスポーツ・オプションのアルミホイールのラインアップから始まり、1999年からはエアロパーツをラインアップ。2001年にはS2000のスポーツサスペンション、シビック TypeRのスポーツ・サスペンションなどをラインアップしてきた歴史がある。

2013年には、モデユーロ・ブランドの初のコンプリートカー「N-BOX モデューロX」を発売し、それ以後はN-ONE モデューロX、ステップワゴン モデューロXを発売。今回のフリード モデューロXは、コンプリートカー・シリーズの第5弾となる。

モデューロXシリーズの開発は、ホンダの子会社「ホンダ・アクセス」が担当し、ベースモデルの素質を生かしながら、走りの質にこだわった特別な1台というにふさわしいカスタマイズ+チューニングされたコンプリートカーだ。このコンプリートカーを仕上げるために、走りの熟成に関して長い経験を積んだベテラン・エンジニアがモデューロXのチューニングを担当している。

モデューロがこれまで目指してきた走りのイメージは、初代NSXの開発ドライバーが提唱したフィロソフィーを具現化したもので、クルマのコントロール性を高め、日常の様々なシーンで、より楽しく快適な走りを味わうことができることが一貫したテーマとなっている。

そしてコンプリートカーのモデューロXは、クルマのトータルで高い性能を目指し、熟練の匠の技でより上質に熟成することが開発テーマだ。具体的には、意のままに操ることができる操縦性、オーナーの所有する喜びを高め、さらに機能を高めるデザインの採用、視覚、触覚、乗り味まで上質感を追求することが求められている。

だからモデューロXは、コンプリートカーだがスポーツ性能一辺倒ではなく、全方位の性能向上を目指し、特に質感を高めることや乗り心地の向上も重視されているのだ。

■フリード モデューロX

フリードをベースに設定されたモデューロXは、1.5Lガソリンエンジン・モデルの「フリード モデューロX ホンダセンシング」と「フリード ハイブリッド モデューロX ホンダセンシング」の2機種で、フリードの上級モデルの+50万円という価格設定だ。通常はオプション設定の装備も全て標準装備とし、さらにモデューロ専用パーツをまとっているから、コスト・バリューは高いといえる。

開発のコンセプトは「エモーショナル ツアラー」とされ、直進安定性、外乱入力時の安定性能向上、機能的で存在感のあるエクステリア、シック&スポーティな質感の高いインテリアを追求。

エクステリアはフロント・エアロバンパー&エアロガイドフィン、フロントグリル、リヤ・ロワスカート、リヤスポイラー、専用デザインのホイールを装備。ホイールはデザインだけではなく、ディスク部&リムの剛性の最適化も図られている。

インテリアは、専用の本革巻きステアリング、ドア内装&ドアパネル、9インチナビ、フロアカーペット、ドライブレコーダー、ETC2.0などを装備し、見栄え、質感を高めている。

サスペンションはダンパー、スプリングとも専用設計で、フラットな乗り心地、操舵応答性、安定性、ハーシュネスなどを高次元でバランスさせるという狙いだ。特にストローク感の向上、4輪の接地性向上や、より安定したコーナリング姿勢を目指して開発されている。

パワートレーン、ボディ系はベース車から特に変更はないが、エクステリア、インテリア、シャシーをトータルでカスタマイズし、チューニングが行なわれている。特にエクステリアは見栄えのデザインだけでを追求するのではなく、専用開発されたバンパーやスポイラーにより空力性能を見直していることも特筆モノだ。

バンパー下面にガイドフィンが装備され、専用のアンダーフロアパネルの整流効果も利用して4輪への空気の流れをコントロール。空力的な効果でより接地を高めるという効果を生み出しているのだ。こういった点もベースモデルにはないアピールポイントだ。

■試乗インプレッション

ベースとなったフリードはホンダのベストセラー車種であり、Bセグメントのミニバンとしてバランスの取れた仕上がりのクルマだが、モデューロXはどのような味付けに仕上がっているのかが注目点だ。今回試乗できたのはフリード モデューロX ハイブリッド(7人乗り)だ。

フリード モデューロXのルックスは、ベースモデルよりしっかりした顔立ちのデザインだが、過剰な装飾を抑え、ベースモデルのデザインをうまく引き立たせるテイストで、違和感がない。インテリアもブラック&モカのコーディネイトで、専用シート表皮やステアリング、シフトノブ、ピアノブラック調パネルなどを採用し、ベースモデルより質感を高めている一方で、落ち着きが感じられ、ことさらスポーティさを強調しているわけではない。こうした点は大人の審美眼に訴える仕上げていってよいだろう。

走り出すと、まず乗り心地の滑らかさと静粛さに気づく。エンジニアに確認したところ大幅な静粛性向上対策はしていないというが、サスペンションのしなやかな動きから生まれる路面とタイヤの当たり具合から、静かと感じるのだろう。

サスペンションの動きの滑らかさはベースモデルと比べても一枚上で、上質感が感じられる。またステアリングを切ると同時に素直にボディが反応し、一体感のあるコーナリングのフィーリングも気持ち良い。

だから、ミニバン的な乗り味ではなくセダンに乗っているようなフィーリングに感じられる。なお、同じフリード モデューロXは今回乗ったハイブリッド・モデルと、ガソリンエンジン・モデルではフロント荷重が違い、ハイブリッド・モデルはより高速走行などでの直進安定性が高く、一方フロントが軽量なガソリン・モデルは軽快なハンドリングが強調されるという。

今回試乗したハイブリッド・モデルは、高速走行でも直進安定性が高く、安心感があり乗り心地も快適で、ストレスが感じられない。

コンプリートカーのモデューロXは、スポーツ性能をことさら強調するのではなく、誰にでも感じられる快適な走りや、質感の高さなどをひとクラス高めたモデルで、完成度の高い走りはオーナーが所有する喜びを満足させてくれる特別オーダー仕立てのクルマということができる。

■S600 モデューロX、ステップワゴン モデューロXの登場も期待!?

2018年の東京オートサロンに出展されたS600 モデューロXコンセプト、ステップワゴン モデューロXコンセプトも今回撮影できた。

この2台は現時点ではコンセプトモデルとされているが、コンプリートカーのモデュールXブランドをより強固にするためには、やはりラインアップを充実させることも必要で、近い将来に販売ラインアップに加わる可能性は大きい。

ホンダ モデューロ 公式サイト
ホンダ フリード関連情報
ホンダ 関連情報
ホンダ公式サイト

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