■カーチェイス、爆破、2度撃ち、アクション映画らしい展開に喝采
深い悲しみを抱えたスゴ腕の元殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)の凄まじい復讐劇を描き、世界的な大ヒットを記録したアクション映画『ジョン・ウィック』(2014年)。亡き妻の遺した愛犬を殺され、さらに愛車(V8エンジン搭載の69年式フォード マスタング BOSS429)を奪われたジョンが、犯人であるロシアンマフィアのドラ息子を(行く手を阻むマフィアたちを皆殺しにしつつ)じわじわと追い詰めていく……というストーリーです。
北野映画の真骨頂 ゴツいクルマが多数登場する映画「アウトレイジ」
本作は、いわゆる“ナメてた相手が実は強かった”系譜に含まれる復讐モノ。しかし、必ず敵を“2度撃ち”して確実に殺害するリアルさ+銃と体術を組み合わせた接近銃格闘術“ガンフー”という、非常に理にかなった殺害描写と画的なカッコよさを両立させた演出で、多くのアクション映画ファンのハートを鷲掴みにしました。
そんな大ヒット作の続編となる『ジョン・ウィック:チャプター2』の冒頭は、1970年式のシボレー シェベルSSとスズキ GSX-S750とのチェイスシーンから始まります。ジョンはロシアンマフィアに奪われたままだった愛車を捜索していたのでした。続いてマフィアのボスが部下に対し「ペン1本で3人を殺した」とジョンの武勇伝を語るのですが、同時に彼の部下を次々と殺していくジョンの姿を交互に描くことで、いかにジョンがヤバい殺し屋なのかを完璧に説明してくれます。
美しいマスタングの車体をボッコボコに破壊しながらも奪還したジョンは、自宅で亡き妻の動画を見ながら想い出に浸っていました。しかしその夜、過去に因縁のあるイタリアンマフィアのサンティーノが訪ねてきます。彼は、ある殺しの依頼を持ちかけるのですが、カタギに戻りたいジョンが依頼を断ると、なんとバズーカ砲でジョン宅を破壊。妻とのわずかな想い出もろともすべてを消し飛ばされてしまいました。
かつて裏の世界から足を洗うために交わした契約によって、再び殺し屋として働くことになってしまったジョン。ここから先はほとんど休む暇なく、殺す→狙われる→殺すのループが延々と続きます。そして序盤こそフル装備で依頼に挑んだジョンは、殺しを遂行した後は一転、数え切れないほどの同業者から命を狙われる立場に。冒頭の「ペン1本で……」という“伝説っぷり”を語られたジョンが、その伏線を見事に回収するエグい殺害シーンは特にインパクト大です。
また、「ジョン・ウィック」シリーズは3部作となっています。全世界で自分の命に1400万ドルの懸賞金が懸けられており、コンチネンタルホテルで殺しを犯すという重大な規約違反を起こしたため、死闘と殺しを繰り広げつつニューヨークからの逃走を図ります。ラストとなる『John Wick: Chapter 3』(原題)は2019年5月17日に全米公開予定です。
■『ジョン・ウィック:チャプター2』作品情報
ストーリー:伝説の殺し屋ジョン・ウィックによる壮絶な復讐劇から5日後―。彼のもとにイタリアンマフィアのサンティーノが姉殺しの依頼にやってくる。しかし平穏な隠居生活を望むジョンは彼の依頼を一蹴、サンティーノの怒りを買い、想い出の詰まった家をバズーカで破壊されてしまう。
愛犬と共に一命をとりとめたジョンはサンティーノへの復讐を開始するが、命の危険を感じたサンティーノに7億円の懸賞金を懸けられ、全世界の殺し屋に命を狙われることになる。
監督:チャド・スタエルスキ出演:キアヌ・リーブス、イアン・マクシェーン、コモン、ローレンス・フィッシュバーン、ジョン・レグイザモ 他
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