独創的小型実用車
コンパクトな実用車が必要になって、ルノーカングー(旧)と比較検討したうえでサクシードを選んだ。
昔カローラバンを代車で借りたとき、実
2010.3.10
- 総評
- 独創的小型実用車
コンパクトな実用車が必要になって、ルノーカングー(旧)と比較検討したうえでサクシードを選んだ。
昔カローラバンを代車で借りたとき、実力の高さに舌を巻いた経験がある。4段マニュアルの最低グレードで10万キロ以上酷使されて傷だらけの固体だったが、ボディーもしっかりしていて、軽い車重とリーフリジッドのがっちりしたリヤサスで、乗り心地は荒いが活発で確かな走りは乗用版カローラを上回っている印象だった。東南アジアなどでは20年以上も前のハイエースやカローラバンなどが活躍しているが、現地の人たちは分かってるなと感心する。魅力的なカングーを捨ててサクシードを採ったのは、ランニングコストや耐久性の面で、トヨタ製商用車に対する信頼があってのこと。(正確にはダイハツ製だが、トヨタ基準なら問題なし) トヨタはリコール問題で揺れているが、信頼性ではいまだに世界トップクラスだと思う。
仕事9割・自家用1割の使用状況で、1年8ヶ月で3万kmほど経過した。故障はもちろん、不調の気配さえ見せない点は、さすが日本車。またコンパクトで見切りの良い四角いボディー、立駐に入る高さ、クラストップの積載能力など、実用性の高さは他に代えがたい。期待の走りも十分で、ステアリングの手ごたえはプラットフォームを共用するビッツなどとは比較にならないほどしっかりしているし、1.5㍑ガソリンATでも活発に走るので、140~150で追い越し車線をかっとんでいく営業車が多いのもうなずける。
一方、仕事用としては良いが自家用には向かない点も多い。荒い乗り心地や安っぽくそっけない内外装、リヤシートの角度など。5ナンバーのワゴンを選んで純正ローダウンキットを付ければ乗り心地とリヤシートは解決するが。
走りの質感などは考慮されていないから、車好きには物足りない。カングーなら楽しかったかも、と寂しい気持ちになる。
- 満足している点
- ボディーサイズと積載能力とのバランスが絶妙。リヤドア・バックドアからの積み下ろしもやり易い。
箱状のものが特に積みやすい。
街中ではコンパクトで見切りがよく、最小回転半径も4.9mと小さい。立駐に入る。高めのドライビングポジションもちょうどいい。実用性の評価があれば6点をつけてもいい。
高速では(空荷でなければ)安心して飛ばせる。
メタリックカラーを選んだが、意外に塗装の質がいいのか、撥水洗車で充分な艶を保っている。
Fバンパーの角を擦ってしまったが、パネル交換のみで約6000円、作業時間15分でその場で解決。無塗装ならその必要も無かったが、このへんはさすがトヨタの商用車。
- 不満な点
- あまりに安っぽい走行感覚。エンジン音、ロードノイズ。4ATは安くて丈夫なのだろうが時代遅れ。
DIYで何とかしようかとも思うが、どうも愛着の沸かない車だ。車好きのために一つか二つ、オーバークオリティーの部分があると、ぐっと魅力が増すのだが。ヨーロッパ製小型商用車には、そういう魅力がある。トヨタはコストダウンも良いが、車の魅力ということをもう少し考えてほしい。聞けば開発初期段階ではかなりかっこいいデザインだったのを、保守的なユーザーに合わせてあえてブサイクにしたと言う。ユーザーはそんなに保守的ではないし、こういうプロ用の車を使う人には車の目利きも多いと思う。
いろいろ言わせていただいたが、今のところ他に代わるものがない、独創的で実に便利な車。
次に買うとしたら、ディーゼル4WD、CVTか6ATがあったら是非欲しい。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験