先代のBMW MINIクーパー（クライスラーエンジン）は、 国産のコンパクトカーと比べて、長距離ドライブは楽ですか？

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マニュアルモード時でもエンジン回転がレブリミット（正確にはその数百回転の手前）で自動的にシフトアップする。またクーパーSではステアリング上の左右2個のパドルスイッチでもマニュアル操作が可能であるうえに、Dレンジでパドル操作しても自動的にマニュアルモードに切り替わるが、一定時間パドル操作をしないと通常のDモードに自動復帰……というBMW・7シリーズと同様のロジックを採用している。このシステムは、たとえばDレンジで高速走行中に他車に割り込まれたり、前方が渋滞している場合に素早くシフトダウンして減速……といったケースで非常に使い勝手がいい。そうやって数回マニュアルシフトしても、そのまま放っておけば穏やかなDレンジに自動復帰するから、ロジックに慣れれば余計なレバー操作が不要となる。

そしてもうひとつ、MTモデルでは最新ロットでもわずかに残っているトルクステア（それでも初期のクーパーSより低減されているが）が、この6速ATではほぼ解消されているのが嬉しい。停止状態から一気に全開加速に突入しても、ステアリングが取られることは皆無といってよく、トルクコンバータ式ATならではの滑らかな加速ともあいまって、トータルでの乗り味はMT以上に洗練された印象が強い。これもBMWジャパン技術担当スタッフに聞いたのだが、この新型ATはドライブシャフトの出力位置もMTとは少しずれており、それによってドライブシャフトの角度や位置関係が「いわば結果的に」MTより理想に近くなっているのだという。

クーパーSならではの魅力はそのままに、イージードライブと洗練を加えたATモデル。価格はハッチバック、コンバーチブルともにMTの15万7500円アップとなり、当然ながらミニのなかで最も高価だが、そのぶん乗り味も最も大人っぽく、そして重厚である。