アウディ A5 (セダン)
EVシフトに熱心なアウディが、最後のエンジン搭載車用に用意したプラットフォーム「PPC」採用の第一弾モデル。従来のA5は2ドア及び5ドアクーペモデルで構成されていたが、新型はA4とA5を統合した形となっており、事実上A4の後継車となる。セダンらしさを意識した5ドアクーペに仕上げられており、ちょっと若々しいスタイリングが持ち味。従来の4ドアセダンにはボディ剛性や静粛性などの機能的なメリットがあるが、新プラットフォームでその点もカバーできるということなのだろう。世界的にセダン市場が縮小する今、セダン風味のクルマを残してくれただけでも感謝すべきかもしれない。先進感あふれる内外装はアウディの得意とするところで、特にコクピット回りはアウディらしいデジタルな世界を強調した多彩な機能が盛り込まれる。意外だったのは、他社のように巨大すぎるモニターを搭載するなどの手法を取らなかったこと。その姿勢には、流行に流されるのではなく走りを重視したクルマ作りを大切にするアウディの哲学を感じる。EVシフトの前に、ドイツ車らしいスポーツセダンのアウディに乗っておきたい人にはオススメしたい一台だ。